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親になるということ (2013-5-11 21:23:09)
2013年5月11日午前1時過ぎ、トイレに向かった相方が、破水したと言ってきた。相方は既に臨月を迎えており、いつ産まれてもおかしくない状態だったが、連日何も音沙汰がなかったのに急にこの展開である。かかりつけの産院に電話するとすぐに来てくださいとのこと。しかし、こんな夜更けではなかなかタクシーが見つからない。3軒目に掛けたタクシー会社でようやく空車を手配してもらい、産院へ向かった。着いたのは午前2時頃であった。もちろん、自分も出産に立ち会うのである。
産院では個室の病室のような分娩室に通された。こんな夜中でも当直体制を敷いて対応してくれるのである。しかも自分たちも含め現時点で3件のお産がスタンバイ状態だそうだ。部屋には義母にも来てもらっていた。ここの産院は相方の実家からすぐのところにあるのだ。まさにこういうときに実家が近いと助かる。
ベッドに寝かされた相方のお腹には聴診器らしきものが複数取り付けられ、そのつながった先の機械で赤ちゃんの心拍や陣痛の度合いをモニタリングできるようになっている。最初は2分何十秒かごとに陣痛の波が来ているようだが、事前に聞きかじった知識ではここからまだだいぶかかるそうなので、長期戦を覚悟した。
ところが次第に陣痛は大きくなっているようで、時折パニックを起こしかけて呼吸が浅くなるので、ゆっくりと鼻で息を吸って一旦止めてゆっくり吐くよう繰り返し話しかけた。お産を手伝う看護士さんらも、意外に早いという認識のようで、やがて、いきんでいってよいという指示に変わった。この「いきむ」というのが壮絶な作業で、一定のタイミングで来る陣痛に合わせて、要するに超頑固な便秘を押しだすかのように踏ん張らねばならないのだ。呼吸を合わせながらいきむので、1回の陣痛の波で3度いきむのが精一杯。最初のうちはあまり進展していないように見えるが、これで次第に出口の穴が拡がっていき、赤ちゃんの頭が見えるようになってくる。途方もない作業のように思われたが、看護士さんらの評価では大変順調とのこと。下手すれば丸一日これが続くこともあるそうで、無駄に体力を使わない、まさにマラソンのようなペース配分が必要だということは予めの知識として聞いていた。
かなり進んできたところで産婦人科医がやってきて正面に陣取った。そこから3回ほどのいきみで、思ったよりあっけなく赤ちゃんがにゅるっと出てきた。5月11日午前4時23分、男の子が元気な産声を上げた。ほんとにオギャーと泣くのだなと改めて実感した。産院についてから3時間もかからないぐらいの超スピード出産、超安産であった。体重は3050グラム。
相方が出産後の処置をしていもらってる間、産まれてきた子を抱かせてもらった。小さいが、ちゃんと人間の形をしている。手指も小さいがちゃんと爪まで生えている。産まれたての赤ちゃんはしわくちゃでサルみたいだと思っていたがそうでなかったので意外だった。その辺は個性でだいぶ違うらしい。それから、赤ちゃんはずっと目を閉じたままなのかと思っていたが、これまた案外と目を開いてきょろきょろしている。まぶしそうにしてまた目を閉じた。
それから、産声を上げた時こそ泣いたものの、その後はいたっておとなしいのも意外だった。ただ、抱いていると小さな口からひたすらよだれというか泡が垂れてくるのが気になった。肺にたまっていた羊水を出しているとも聞いたがこんなもんなのだろうか。
というわけで、何もかもが初めての体験、しかしながら拍子抜けするほどのスムーズさで、我が家にもう一人の家族が増えた。今はまだ、嵐の前の静けさ。そして明け方に自分は自宅へ戻り、つかの間の独身生活に入る。おそらくこのブログも、子育て・親バカネタに多くを占められるようになるのだろう。