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なゐふること (2013-4-13 23:35:45)
2013年4月13日午前5時33分、携帯電話からブイッ、ブイッ、という警報音が鳴り響いて目を覚ました。緊急速報メールである。相方がそのメールに書かれた「播磨灘で地震」という文を読み上げた数秒後、地震の揺れが来た。以前郡山で経験したときは、揺れが始まってから警報音が鳴ったのでこれじゃあ意味がないと思ったのだが、今回は揺れが来る前に鳴っていたことになる。結局のところ、寝室は特に倒れてくるような危険物はなかったので何も備えることはなかったのだが、もし危険物があればこの数秒で避ける時間的余裕があったであろう。
ちなみに、後にfacebook等で他の人の状況を見たところでは、揺れ始めてから鳴りだしたというケースも見られた。緊急速報メールが人によって鳴りだすのに時間差があるのか、それとも地点によって揺れ始めた時間に差があったのか。さほど変わらない距離の市町村の人でも違いがあったようなので、地形の差などによって地震波の到達の仕方が違うのかもしれない。
阪神大震災を思い起させる時刻だったが、それに比べれば揺れは大したことはないと思った。ところが、今度は自分の携帯に職場から電話がかかってきた。どうやら機械が自動的に掛けてくる仕組みのようで、招集がかかってるので行けるかどうかをボタンを押して回答を求めるというものだった。まあ、行かねばなるまい。
駅まで行ってみると、阪急もJRも止まっていた。阪急の踏切から少し進んだところには列車が止まったままでいた。これはとてもじゃないがすぐには動きそうにない。ではタクシーで行くしかあるまい。しかし、駅のタクシー乗り場も長蛇の列。このようなわが地元の小駅では、タクシーが並んでいるのではなく、人が並んでタクシーを待つのが当たり前の姿である。これはとても待っておれないということで、近くの幹線国道まで出て流しのタクシーを拾いに行くが、こんなときに限ってタクシーが来ない。たまに来ても賃走中や予約車ばかりだ。だいぶ時間がたってからようやく拾うことができた。
電車に比べて車での移動はやはり時間がかかる。大山崎付近で並行して走る阪急や新幹線が動き出しているのが見えた。しまった、もっと駅で待っておくべきだったか。ちょっと迷ったがこのままタクシーに乗り続ける。京都市内に入り、西大路を走っているあたりで、また職場から電話があった。今度は機械ではなく既に職場に入っている職員からの連絡だ。その内容を聞いて、拍子抜けした。曰く、人員体制を縮小することとなったので、もう職場に来なくてよいとのこと。タクシーを西院駅で止めてもらい、動き始めた阪急で自宅に帰ることとした。ここまでのタクシー代7840円。もちろん、このようなときに備えて予めタクシーチケットは支給されているのだが、もし職場まで行くとしたら1万円ぐらいになってしまうのだろう。いやはや、とんだ防災訓練ということになった。
今回はタクシーで移動できたが、もし阪神大震災級の地震であれば、道路すら寸断されている可能性もある。寸断は免れても大渋滞かもしれない。移動中のタクシーの運転手と雑談交じりに話していたが、そうなったらバイクが一番確実なのではないかとのこと。確かにそれは一理ある。ただ、うちにはバイクはない。おそらく自転車か、いざとなれば走って行くことになるだろう。これも帰宅時には職場から家まで3時間ほどで走って帰ったことも数回あるので、道も知っているしそれが可能と分かっているので大丈夫だ。できればそのような事態に遭わないことを祈るばかり。
さて今回は幸いちょっとした訓練程度という話で済んだが、課題がいくつか見つかった。一つは、招集がかかってから実際に出かけるまでにちょっとモタモタしてしまったところ。確かに今回は大した被害はなさそうなのが見えていたから若干緊迫感に欠けたところは否めないが、何でもないですぐに出られるようでないといざというときにすぐ出られるはずがない。また、タクシーが拾えないというのは誤算だった。今回程度の状況ですらそうなのだから、ましてや大震災時にはもっと困難ということになるかもしれない。今後の検討改善が必要だ。今回も、本来は一刻一秒でも早く職場に着き、結局被害状況が大したことがないので帰ってよしと言われるのが及第点の対応だったのだろう。
(注:「なゐ振る」というのは昔の言葉で地震のことである)