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勝負する 気持ちになれた 伊達ハーフ〜第30回伊達ハーフマラソン完走記5 (2017-4-28 0:13:07)
(5)セカンドビギナー 意識が薄れる
コースはこのコースの最大の山場とも言える上り坂にかかっています。はっきりとわかる上り勾配が延々と続き、その先には伊達トンネルが大きな口を開けて待っています。ウエイトオーバーの体には上りは応え、はっきりとペースも落ちてしまいます。
留萌の坂道に鍛えられ、室蘭でも同様に坂道に鍛えられ、坂道には慣れたと思っていましたが、それよりも絶対的な練習量不足の方が効いているようです。私は思い体を持て余しながら、ゆっくりと歩を進めました。
私はトンネルが苦手です。明るいところから暗いトンネルに入ると自分の平衡感覚が狂いバランスも崩れてしまいます。それをはっきりと意識するようになったのは下関海響マラソンでした。そこまではかろうじてサブフォーペースを維持して走っていたのですが、平衡感覚の乱れに恐怖を覚えて歩いてしまい、それ以来トンネルには苦手意識を持ってしまいました。
この日も平衡感覚の乱れを若干感じたものの、どうにかそれに耐えてトンネルから脱出することができました。
トンネルを出るとまもなく12キロ地点です。通過タイムは1時間10分台の後半でした(1時間10分55秒)。貯金を少し吐き出したようです。この間のラップは明らかに6分以上かかっています(6分38秒)。急な上りが続いていますからペースダウンは仕方ありません。ただここで足を使い切ってしまうと、終盤の下りが地獄の苦しみになってしまいます。
しかし足には確実に疲労が襲いかかってきていることを感じます。その疲労は足だけではなく、全身をも蝕んできているようです。
さらにコースは上りが続いています。急勾配の区間は過ぎていますので上りは終わったように思えますが、あとからコースを見ると15キロくらいまでは上り基調であることに以前参加したときに気づいて驚きました。
13キロの通過タイムはほぼ1時間17分です(1時間16分59秒)。ここでもまだ6分台のラップとなっているようです(6分04秒)。ここにきて貯金を吐き出しているというのはつらいことです。キロ6分ペースだと13キロで1時間18分。それに対して1分しか貯金はありません。ここで疲労のため失速してしまうとあっというまに吐き出してしまいそうです。
ともかくこの貯金を減らさないように15キロまで走りましょう。その先は下りですから、足が残ってさえいればペースアップも可能です。そこまではじっと耐える走りを続けましょう。
15キロというすぐ先に目標を設定した効果でしょうか、それとも上り勾配が緩くなったおかげでしょうか。足は重いながらもペースは戻ってきました。14キロの通過タイムは1時間22分台でした(1時間22分43秒)。ラップは5分台に回復しました(5分44秒)。しかしこのペースではひそかに狙っていた2時間切りは難しそうです。
このあたりまでくると足の疲労に加えてもうひとつの敵が襲いかかってきました。それは暑さです。寒いより暑い方が大好きな私は、スタート前の気温をありがたく思っていました。ところが暑さに慣れていないこの時期にこの気温は体を徐々に痛めつけていたようです。少し頭もボーっとしてきました。
こうなるとラップの計算が面倒になります。いまはどのくらいのラップで走っているのか、この先どのくらいのラップを目指せばいいのか、わからなくなってきました。ちょっと黄信号が灯ってきたようです。
参加者の多い大会なので、ランナーは切れ目なく走っています。前を走るランナーの背中を目標に、一人一人交わしていきます。しんどいことは考えず、目先のことだけを考えながら足を前に運びました。
15キロ地点は1時間28分台の半ばで通過しました(1時間28分27秒)。ペースはほとんど変わっていません(5分44秒)。
残り6キロあまり。この先は下り基調ですから、2時間06分という当初目標のクリアは、アクシデントがない限り確実そうです。2時間切りの方は……残り6キロあまりを30分そこそこで走るのは可能なのでしょうか。私はすぐに計算できませんでした。
計算している暇があるなら走りに集中すべきでしょう。ここから先は下りを利してペースアップするのみです。
気持ちの上で余裕ができたせいでしょうか、足も伸びるようになってきた気がします。ここまでも前のランナーを一人ずつ抜いてきましたが、今まで以上に抜けるようになった気がします。
どのくらいペースが上がったかと楽しみにしながら16キロ地点を通過しました。タイムは1時間33分台の半ばです(1時間33分33秒)。ラップは5分そこそこに上がりました(5分06秒)。
残すところ5キロあまり。2時間を切れるかどうか、必死で考えました。しかし意識が薄れていてうまく計算ができません。
そして導き出した解答は、「絶対無理!」でした。(つづく)
(1)セカンドビギナー、準備にまごつく
(2)セカンドビギナー、いろいろやらかす
(3)セカンドビギナー、スタートする
(4)セカンドビギナー、ときどきサボる
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