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【都民交響楽団 第123回定期演奏会を聴く】 (2017-3-27 7:24:24)
ドヴォルザーク チェロ協奏曲
Vc独奏:マーティン・スタンツェライト(広島交響楽団首席)
ラフマニノフ 交響曲第2番
指揮:末廣誠
2017.3.26 トリフォニーホール
都民響で協奏曲を聴くのは、もしかしたら私は初めてかもしれません。
都民響は新響、シンフォニカ、アマデウス、カペレ等と並び、東京のトップアマオケの1つ。
今回の協奏曲では都民響が独奏者といかに共演出来るか?その能力はどの位、高いものか?そこに注目して鑑賞することにしました。
ちょっと私は体調面で数日前まで咳が出ていたのですが、安定して、鑑賞中は咳は全く出ず一安心。
スタンツェライト氏の演奏ですが、まず音色に接して少し驚いたのは、日頃耳にするチェロの音色とやや異質なこと。
異質といっても悪い意味ではありません。うまく表現出来ないのですが、チェロとヴィオラを統合させた楽器の音色のようでした。
非常に繊細な音色で、その放出するエネルギーは強く、細い線、光線のように、ホールの席、壁に音の先端が突き当たっていくか
のような印象でした。
テンポはやや早め。ドヴォルザークはゆっくりめのテンポだと、時に演歌のようになってしまい、実際、そういう演奏も
聴いたことがあり、がっかりしたことが何度かあるだけに、私としては今回のテンポがとても自然に聞こえました。
そして氏をサポートする都民響ですが、やはりレヴェルが高いオケゆえ、一緒に演奏するんだ!という意識がとても強く、
また時にはオケがソリストを引っ張るという場面もありました。ただし、オケとソリストがズレるということではなく、
ここは私がソリストのように!とメンバーが演奏をしていたところもありました。
また、例えば、2mvのフルート等は、とても名演で、一瞬ながらもフルート協奏曲では?と思う部分も。
しかし、後半のラフマニノフを聴いて思ったのですが、後プロの時は都民響はもっと自由奔放に、音量も強く奏でていました。
やはり協奏曲ということで、若干は身構えたのかな?と。
それでも今回のドヴォコン、アマオケによる同曲の演奏はもう何十回と接してきましたが、今まで聴いてきた中で
トップクラスの演奏でした。今回の演奏の域が真の協奏曲演奏ということ。
アンコールはバッハの無伴奏3番から。ホール内がとても深い世界へ!
後半のラフマニノフ交響曲第2番。第1楽章からして、弦楽器が全開で、随分と鳴らすなぁ!と驚き。
VnからCbまでとにかくかなりの音量。
これが音程が悪いと、結構きつく感じるのですが、そこは都民響ですから、殆ど感じず。
この曲も何度かアマオケで聴いてきましたが、第1楽章を聴けば、大体、この曲への完成度がわかるような気がします。
非常に引き締まった演奏で、後半にも期待を持てました。
また、全楽章ともややテンポが早めで、特に弦楽器奏者は練習からして苦労したんだろうなぁとも(^^;)。
第2楽章は何と言ってもHnですが、非常に硬質な音色で奏で続け、音塊は太く、これほど吹けるとさぞかし楽しいだろうなぁと
羨ましく感じました。
第3楽章の弦も美しく、アマチュアでもここまで美しく弾けるのか!と感動。低弦もよく聞こえ、ラストのヴィオラパートは
美女の吐息のように優しく私に迫りました。本当にお見事。
第4楽章は、都民響は更に全開となり、まさに乱舞の気配。管楽器、打楽器も華やか。学生オケや音大オケならわかりますが、
これほどのパワーを「70代までの幅広い年齢層」で構成されているこのオケがよくぞ最後まで持っていたなぁと感心。
終わるや、さすがに抜け殻化している団員の姿があちこちに散見されました。指揮者の末廣さんの足取りも少し重かったです。
ここでお疲れ!と思うや、意外にも今回はアンコール。都民響がアンコールをやるなんて珍しいです。
「ユーモレスク」のオケ版。こんな譜面あるんだ!と思いきや指揮者が編曲したようです。
この「ユーモレスク」ですが、冒頭は少し弦が乱れて、これはさすがに完全燃焼後だから..と同情。
後半は、心がじわーっとさせられました。
厳しいオーディション、入団後も定期的に更新オーディション、そして毎週水曜午後6:30練習開始というのが凄いです。
塚田さん(Hn)が数日間、ドイツに演奏旅行(!!)に行って、都民響の練習に間に合うために水曜に急いで帰国し、
そのまま練習に参加という話を聞いた時はびっくりしました(^^;)。
それほどの気持ちが強い人達で構成されているオケなのでしょう。
ラフマニノフのラストのあの弦による主題が流れてくるあたりで、私の身体は震えました。心を震わせてくれる演奏をする
アマチュアオーケストラがある!その1つが都民交響楽団です。今後も応援していこうと思います。
「演奏直後のかけ声、拍手はお控えください」のアナウンスは良かったです。
今まで何度か同オケの演奏会ではフライングブラヴォー、拍手が起きましたから。
あとは演奏中に客席から聞こえてきた財布についているであろう鈴の音かなぁ(^^;)。複数聞こえて(^^;)。
ドヴォルザークのあのラストの独奏チェロとコンミスの二重奏あたりで、しばらく聞こえていて(硬貨をゆっくり数えていた?)、
それが残念。
そもそも、なんで財布に鈴をつけるんですかね?金運?魔除け?
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