メインメニュー
frunデータベース
サイト情報
サイト運営者
ユーザ登録数:1010名
  ホーム >> frunブログ集 >> 【第85回日本音楽コンクール ヴァイオリン部門本選を聴く】

frunブログ集

  メイン  |  簡易ヘッドライン  

link 高橋のブログ 高橋のブログ (2024-5-17 19:00:02)

feed 【第85回日本音楽コンクール ヴァイオリン部門本選を聴く】 (2016-10-30 10:20:59)

今回の結果を改めて

第1位 戸澤采紀 さん(東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校1年)
第2位 森山まひる さん(桐朋女子高等学校音楽科1年※岩谷賞(聴衆賞)
第3位 福田ひろみ さん(東京音楽大学大学院。特別特待奨学生)
入選 福田俊一郎さん(東京音楽大学4年。特別特待奨学生)

前半は、2人の福田さんの演奏。ひろみさんはメンデルスゾーンを演奏。原田幸一郎・漆原朝子門下。
メンデルスゾーンといえば、昨年の覇者.小川恭子さんの演奏が私の中ではこのコンクールで歴史的名演という印象だっただけに、
どうしてもそれとの比較になってしまう。
ひろみさんの演奏も全体に朗らかだったが、音色が終始、僅かながら安定せず、それが私にとっては曲を純に鑑賞する際に障壁となった。


次の俊一郎さんはチャイコフスキーを演奏。小栗まち絵・大谷康子門下。
速いパッセージのところでの音程が少し気になったり、また緩急の差が少しありすぎて(これが彼の考えなのかもしれないが)
緩徐部分は少し冗長さを感じた。ただし終楽章は勢いもあり、会場も湧いた。

ここで休憩。私は今回は、もう1つ、2つ、何かが欲しいなぁという気分で過ごした。

後半1人目。戸澤さん。玉井門下。プーレにも習っている。高校1年15歳だ!シベリウスの冒頭で引き込まれた。
これだ!この空気感こそが、日コンの伝統!と感じた。選んだ曲がシベリウスということもあったのだが、非常に緊迫感あふれる演奏で、
なおかつ、私が思うシベリウスとはこうなのです!!という強いメッセージを感じ、それを私は素直に受容できた。
第2楽章の頂点では、私は泣く寸前というか、瞳がかなり危なくなった。15歳でここまで表現できるのか!と驚いた次第。

また、彼女は弾きながらも、全楽章の要所要所でオケにアイコンタクトをしていた。
例えば、第1楽章後半のフルートとの絡みでは、直前にそのパートに振り向き、次にはクラリネットに合図..と。
その堂々とした姿にも感服した(指揮者は要らない!と思うほど)。)
みんなで素敵なシベリウスをやりましょう!!という強い意志を感じた。これが嫌みでないところが素晴らしかった。

また日本フィルのシベリウス演奏の伝統の力も感じた。

最後は森山さん。原田門下。プロコフィエフの1番に挑んだ。ブルックナースタートで始まるもすぐにヴァイオリンが
怪しい世界に連れて行く神秘な協奏曲だが、森山さんの演奏は本当にその清澄な音色で私の心を釘付けにした。
とにかく、その瑞々しい音色、見事な音程に、これまた16歳.高校1年の演奏とは思えない完成さを感じた。
第2楽章の荒々しさも説得力があったが、とにかく第3楽章が素晴らしかった。
静かに、静かに音色が消え去っていく彼女のヴァイオリン...、そして会場は沈黙。そして大きな拍手!

4人を聴いて、私の評価は戸澤・森山が1位。3位に福田俊一郎、入選に福田ひろみ、聴衆賞は戸澤と思ったが、
実際は既述の通り。3次予選の得点60%も加算されるわけだし、審査員の評価は当然ながら素人の私とは違う。

また聴衆が森山さんを選んだのも嬉しかった。プロコの1番はチャイコフスキーのような派手さもないし、
シベリウスのような圧巻さもない。
更には神秘的な曲で静かに終わるだけに、聴衆には少し伝わりにくいかも?と思っていたが、それは杞憂に終わった。

今回のヴァイオリン部門は2次の課題曲がバッハのパルティータ3番とシマノフスキ「神話」から2曲、
3次の課題曲はプーランクのソナタとシェーンベルクの幻想曲だった。
2次にシマノフスキ「神話」、更に3次にシェーンベルク「幻想曲」が課せられたのが今回の大きな特徴。

この各予選の課題曲をしっかりと弾ききり、審査員からの高評価を得て、本選に進んだ4人の今後の躍進を期待したい。

また藝高生達が多数、制服でかけつけてきていた。この日は奏楽堂で藝高定期があった。
それを終えて、急いで駆けつけてきたのだろう。

森山さんは2位で聴衆賞も獲得。ロビーに集まっていた聴衆から多くの祝福を得ていた。

また周防さんが第2位となった時に、少し不快に感じた東京音大の応援だが、今回はそういうことはせず、
純な応援体制になっていて良かった。

ただ、あいかわらずフライングブラヴォーのオヤジがいる。
プロコの1番は静かに終わるだけに、ここでフライングしたら...と心配したが、そこは抑えて一安心。

指揮の田中祐子氏は少し振りすぎのような感じで私は苦手。
指揮台をドンドンと足音立てたり、ソリストに強い視線を浴びせたり(睨むような)、
それが気迫というか応援なのかもしれないが、ちょっと萎縮というかたじろいだ方もいただろう。
両手をガーッと上げて振りまくる指揮って、どんなものか。


execution time : 0.025 sec
ログイン
ユーザ名 または e-mail:

パスワード:

ユーザ名とパスワードを記憶

パスワード紛失

新規登録

ホーム -  frunからのお知らせ -  frun談話室 -  frunカレンダー -  当サイトについて -  お問い合わせ
Powered by XOOPS Cube 2.0 ©2005-2006 The XOOPS Project
Theme Designed by OCEAN-NET