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【第85回 日本音楽コンクール ヴァイオリン部門本選、今年の私の注目点】 (2016-10-29 9:49:22)
いよいよ今日だ。
審査発表は例年当日の午後8時過ぎ。オペラシティのロビーに掲示され、歓喜の声が響き渡る。
本人達の号泣もさることながら、お母さんが床に泣き崩れた時もあった。親子で戦ってきたということ。
本音楽コンクールは世界に羽ばたくソリストのスタート地点だ。
今年は4人が挑む(演奏順)。私は今年は予選を聴けず本選のみの鑑賞となる。
福田ひろみさん(東京音楽大学大学院)
メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲ホ短調
福田俊一郎さん(東京音楽大学)
チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲ニ長調
戸澤采紀さん(東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校)
シベリウス ヴァイオリン協奏曲ニ短調
森山まひるさん(桐朋女子高等学校音楽科)
プロコフィエフ ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調
田中祐子 指揮 日本フィルで午後4時開演(オペラシティ)
近年、演奏されてきたブラームス、バルトークが無い。
また例年、ヴァイオリン本選では藝大VS桐朋という感じだったのだが、今年は東京音大から大学院生、大学生がそれぞれ1人ずつ進出。
桐朋、藝大の大学生は予選で全員が姿を消すという希有な事態になった。
東京音大のヴァイオリン教育は近年、今まで以上に充実してきて、周防さん、辻さん等、優れた学生を育て、更には服部百音さんも附属高校に在学中。
特待生入学している。
東京音大の福田さん2人は姉弟ではないが、共に既に他のコンクール等では実績を挙げている。
私は近年の日本音コン予選等で2人の演奏を聴いている。
本選では3次予選で得た得点の60%が加算される(得点未公表。コンクール約1ヶ月後に公表)ので、本選で名演をしても
1位にならない場合もある。
福田ひろみさんはメンデルスゾーンを持ってきたが、これで勝負するというのは、かなりの決断だったと思う。
昨年の覇者.小川さんが同曲だったが、それは歴史的快挙だった。名曲中の名曲。曲への深い想いをいかに発することが出来るか!
そこがポイントだろう。
福田俊一郎さんはチャイコフスキー。この曲はとにかくリズム感だろう。オケとうまく合体して名演が生まれるか?
戸澤さんはシベリウス。日コンの歴史の中で同曲は一番演奏されてきた印象がある。
それだけ、コンクール向けの曲目だと思う。第2楽章に期待。
森山さんはプロコの1番。普通、コンクールでは2番だと思うが、敢えて1番。
1番となると、諏訪内晶子がこの曲で日コンを優勝している。この曲なら第1楽章の冒頭と終末をどう演奏するか?
が1つのポイントになるだろう。プロコフィエフの独特な世界に聴衆を一緒に連れて行ってくれるか!
戸澤さん、森山さん共にまだ高校生。日コン本選という大舞台でぜひプレッシャーをはねのけ頑張って欲しいと思う。
本選進出者達の演奏技術はほぼ横一線だろう。あとは何が必要か?となると、心の豊かさかと思う。表現力。
それは短期間では身につかない。長年、様々な経験をして培われてきたもの。
4人共、作品への愛情、自分らしさ、自分の考える音楽はこうだ!!というメッセージを強く出して頑張って欲しいものだ。
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