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北海道から鉄路が消える日 (2016-10-25 22:48:06)
今日の北海道新聞によると、いよいよおそれていたことが起こりそうです。
『JR、富良野―新得と深川―留萌の廃止検討 バス転換協議へ』
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0330778.html
平成23年5月に発生した石勝線での特急列車火災に端を発して、貨物列車の脱線事故、データ改ざんなどさまざまな問題が明るみになったJR北海道。そうした安全対策にお金がかかり、老朽化した車両更新にもお金がかかるためままならないといった状況に陥っています。
さらに高波による土砂流出が起こった日高線は、その後も台風により被害が拡大するなどして一部区間が長期間に亘って不通になっています。さらに今年8月の台風により、いくつかの区間で甚大な被害を受け、いまだ復旧の見通しがまったくたたない路線もあります。
もはやJR北海道の鉄道部門は死に体になっているといっても過言ではないかもしれません。
人口が札幌に集中し、人口密度が低い北海道においては、札幌といくつかの拠点都市を結ぶ路線くらいしか経営的には成り立たないでしょう。ついに大規模な足切りが始まりそうです。
2014年5月には江差線の木古内〜江差間が廃止となりました。そして今年12月には留萌本線留萌〜増毛間が廃線になります。
今日の北海道新聞記事によると、すでに廃止打診済みの1線区に加えてさらに2線区、あわせて3線区を廃止することを念頭に沿線自治体と協議する方針をJR北海道が固めたということです。
その3線区は次の通りです。
札沼線の北海道医療大学―新十津川間
根室線の富良野―新得間
留萌線の深川―留萌間
札沼線については、この区間は非常に利用者が少なく、以前は1日3往復あったのが今年のダイヤ改正では1日1往復しかなくなってしまいました。もはや廃止は時間の問題と思っていました。
根室線のこの区間も利用者の少ない区間です。それに加えて8月の台風で甚大な被害を受け、特に東鹿越〜新得間は復旧の見通しが立っていません。廃止方針が打ち出されれば、このまま復旧せずに廃止に向かうのかもしれません。
そしてまさかの留萌線。中でも利用者の少ない留萌〜増毛間を廃止にすることでもう少し生き延びるのではないかと思っていましたが、そんなに甘いもんじゃありませんでした。正直なところ、鉄道好きの私でさえも、札幌や旭川に公共交通機関で行くときはバスを利用します。それほど利便性の悪い路線です。
そして冒頭で取り上げた日高線は、先日の北海道新聞に沿線自治体が一部廃線を容認することで合意したという記事が載りました。
『JR日高線の一部廃線容認へ 沿線7町、バス転換前提に』
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0329677.html
この復旧には莫大な費用がかかるためJR北海道のみでは負担しきれないことから、北海道や沿線自治体へも相応の費用負担を求めてきたところですが、沿線の自治体も多額の費用負担は困難という判断をしたようです。
札沼線、留萌線、日高線はそれなりの延長がありますが、いずれも盲腸線(終点が行き止まりの線)です。利用者が少なければ廃止となってもやむをえないかもしれません。
でも富良野新得間は……。利用者は少ないとはいえ、上川・空知と十勝・釧路を結ぶ路線の一部であり、道内鉄道網のけっこう重要な場所にある区間です。これがなくなると、特に青春18きっぷを使って道内観光をする旅行者には大打撃となるのではないでしょうか。
札幌から旭川、帯広・釧路、苫小牧・室蘭、そして北海道新幹線くらいしか、将来の道内鉄道網としては存続しないのかもしれませんね。鉄道ファンとしては、なんとも寂しい限りです。
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