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13年 時を隔てて また号泣〜第30回記念北海道マラソン完走記8 (2016-9-13 22:30:16)
(8)あと300メートル
もう大丈夫と思って気が緩んだとたんに大きなアクシデントがやってくる。これまで私が何度も犯してきた失敗です。だから最後まで気を抜かないよう自分を戒めにかかりました。
実際のところ、走れる距離がどんどん短くなってきています。走り出してもすぐにあちこちが痛み出して歩くようになっています。
そのことはラップにも顕著に現れ、どんどん落ちてきています。軽快に走っているときの5キロはあっというまですが、歩いているときの5キロは倍以上の長さに感じます。それはワッカでも経験してきたことです。
38キロのラップは8分55秒まで落ちました。デッドラインの10分は切っているものの、まだまだ気を緩めるわけにはいきません。
ただ冷静に計算すると、完走する確率はかなり高くなっていると思います。そう思って気を緩めないためにはさらなる目標設定が必要です。
ここまできたら最終関門を5時間05分以内などということではなく、ゴールのタイムが5時間を切ることを目指しましょう。5時間を切るだけではなく、昨年のナゴヤアドベンチャーマラソンのときの4時間57分07秒という記録を上回ることを目指しましょう。今のペースを維持していけば、それは達成できるはずです。
コースは北大構内に入りました。北海道マラソンのコースが変更されて北大構内を通るようになったとき、母校の中を走ることができるということに感激をしました。
ところがいつもここまでにへばってしまい、颯爽と母校を駆け抜ける、という姿にはほど遠い走りとなっています。今年もこうなってしまいました。歩き、歩き、歩き、たまに走り、という感じになってしまっています。ここを軽快に走り抜けられる日は、この先やってくるのでしょうか。
北大構内にはときおり木陰があります。ここまでほとんど日差しを避けられる場所がなかったので、これは助かります。少し息を吹き返しましたが、足が動かないことには変わりありませんでした。
このあたりまでくると、濡れたシューズに起因するマメが両足裏にでき始めていることを痛みで教えてくれます。下半身の関節や筋肉が悲鳴をあげているところに足裏まで。痛いのを通り越してこんな状態でも走ろうとしている自分が可笑しく思えてきました。
39キロのラップは9分21秒です。ついに9分台まで落ちてしまいました。9分を超えたことを憂うべきか、10分を切っていることに安堵すべきか……もちろん私は後者を選びました。ここまできて悲観的な見方をする必要はまったくありません。
このままでいい。今のペースを持続していればそれでいい。どのくらいのタイムでゴールできそうなのか、計算していないのでわかりません。とにかくこのペースを守って前進していれば、おのずから結果はついてくるはずです。
北大のメインストリートに入ると、沿道の観客も増えてきます。その声援の中を颯爽と走るのが私の夢なのですが、今年も夢は夢のままで終わろうとしています。死力を振り絞って走るのですが、100メートルも走らないうちに歩きに変わってしまいます。その繰り返しで少しずつ少しずつ前進します。
やがて40キロ地点を通過しました。関門制限時間は4時間50分と書いてありましたが、私の通過タイムは4時間32分05秒でした。約18分残しての通過です。この間のラップは9分22秒とほぼ変わらないラップを刻んできました。
残る関門は1つ。1.6キロ先に設けられています。そこまで30分かけていっても間に合いますから、全部歩いても大丈夫です。40キロ地点の先にある給水所に立ち寄り、テーブルの陰に引っ込んで足を止めて給水をしました。
リフレッシュしてゴールを目指します。また歩いたり走ったりを繰り返しながら、1歩ずつ前に進みます。足を動かしている限り完走は間違いない。すべての動きを停止したがっている体に対し、私は叱咤激励を続けます。
北大を出て、今度は道庁に向かいます。目の前には赤レンガ庁舎が見えているのですが、なかなか近づいてきません。ただ時間との戦いは終わりました。あとは焦らず確実に前進するのみです。
歩いて歩いて歩いて歩いて走り、歩いて歩いて歩いて歩いて走り……やっとの思いで41キロ地点を通過します。4時間41分31秒。この間のラップは9分26秒です。少しずつ落ちていますが、最後まで10分を切ることができました。
道庁構内に入り、こちらもコースの両側に詰め掛けている大観衆の中をゆっくりと進みます。そしてついに最終関門である41.6キロ地点を通過しました。
あとはゴールまで600メートル。もう関門はありません。前に進む意志をしっかりと示している限り、ゴールは約束されました。
歩いたり走ったりしながら大通公園までたどり着きます。すると後ろからtamtamさんがやってきました。そこで二言三言言葉を交わしながら大通りに入ります。tamtamさんは私を抜いて自分のペースでゴールに向かっていきました。
私も最後の300メートルはゆっくりでもいいから歩かずに走って行こうと思い、コースの左端を走っていきました。(つづく)
(1)最大のピンチ
(2)踏ん切りつかず
(3)自己暗示
(4)昨年よりもいい感じ
(5)ランナーズハイ
(6)キロ7分
(7)絶対にたどり着いてみせる
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