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feed 13年 時を隔てて また号泣〜第30回記念北海道マラソン完走記7 (2016-9-12 22:47:23)
(7)絶対にたどり着いてみせる

 29キロの表示を過ぎたところで私は歩き始めました。ここからゴールまでは13キロあまり。ここからが苦しい勝負の始まりです。

 まだ走ろうと思えば走れたでしょう。しかし私には昨年のナゴヤアドベンチャーマラソンのトラウマがありました。なんとしても歩かずに走り切りたいという強い気持ちで走っていたものの、35キロで力尽きました。

 走れなくなってからの7キロは非常に長く感じました。途中で走ろうとしてもほとんど走ることができず、結局そこからゴールまで1時間20分もかかってしまいました。

 練 習不足の今回は最後まで走りきれないことは想定済みです。それだけに計算して歩かねばなりません。昨年のように7キロを1時間20分もかけてしまっては完走に黄信号が灯ってしまいます。それよりむしろサロマをイメージして歩くことにしました。ワッカの20キロをここからの13キロに当てはめるのです。

 29キロの通過タイムは2時間58分45秒です。最後の関門は41.6キロを5時間05分です。あと12.6キロを2時間ちょっと。ワッカのイメージで10キロ90分ペースで行けば間に合うでしょう。ここは北海道マラソンじゃなくサロマです。ここは新川通じゃなくワッカです。そう思って早歩きで前進しました。

 まだ走れる状態なのに歩き出しましたから、少し歩けば体力も回復してきます 。そうするとまた走ります。

 30キロの通過タイムは3時間06分17秒です。この間の1キロは7分32秒ですから思ったほど落ちていません。キロ7分台で走っていれば、10キロ90分という目標に対して貯金ができます。

 30キロ関門を過ぎるとまもなく給食所がありました。ここにはスイカがあります。私は給水テーブルの横に引っこみ、立ち止まってスイカを食べました。水分と糖分で生き返る気がします。私はそこで2切れ食べました。それからコースに戻りました。

 コース復帰後も早歩きと走りを繰り返しながら前進しました。31キロのラップは9分50秒とかなりかかってしまいました。これはスイカロスだからしかたありません。ここからはまたキロ9分を切ることを目標に進みます。

 32キロのラップは7分45秒と、目標の9分を切りました。順調です。最終関門に対してしっかりと貯金を維持しているはずです。

 32キロの通過タイムは3時間23分52秒。約10キロ先にある5時間05分という関門制限時間まで1時間41分ほどあります。約10キロを約100分。デッドラインはキロ10分のようです。これでいくらか気が楽になりました。

 長かった新川通に別れを告げて、西野屯田通に入ります。私は必死で走り、必死で歩き続けました。復路でも沿道で笑顔で迎えてくれた日本ハイタッチ普及協会の皆さんと笑顔でハイタッチを交わし力をもらいます。

 33キロは8分02秒。ここもデッドラインをクリアしました。こうしてキロ10分を切って走り続けると、関門制限時間に対しては少しずつ貯金ができていきます。そうすることで完走の可能性も高くなっていきます。走る前は完走する自信をまったく感じられなかった私ですが、ここまできたら体力の消耗に反比例するかのように、完走への執着が増していきます。ここまで苦しみながらやってきた苦労を無駄にしたくなりません。ただそんな思いで足を前に運び続けました。

 西野屯田通から新琴似2条通に入ります。ここも新川通ほどではありませんが、復路は長く感じる通りです。往路では流れに乗っているとすぐに終わってしまいますからたいした直線路ではないはずなのですが、消耗している復路ではすごく長く感じてしまいます。

 沿道の大観衆の前で歩くのはいままでは恥ずかしさもありました。でも今回は違います。力尽きてとぼとぼ歩いているのではなく、時間内にゴールにたどり着くための歩きです。全速力で歩いているのです。最後まで緊張感を維持してゴールを目指します。

 34キロは7分32秒です。少し走る区間が増えたのでしょうか、7分台に盛り返しました。また少し貯金ができました。

 気がつくと、シューズは両方ともずぶ濡れになっていて、ガポガポと音を立てています。シューズを濡らしてしまうとすぐにマメができてしまうので、給水所でもできるだけシューズは濡らさないようにと気をつけていました。

 でもどうにもならなかったのはスポンジです。日本一ランナーのマナーが悪い大会と言われているこの北海道マラソン。今年は紙コップなどをゴミ箱に捨てようと大会側からもアナウンスがあり、例年よりはましだったようにも思えます。しかしスポンジポイントでは道を埋め尽くすほどにスポンジが散乱しており、どうしても踏まないと進めませんでした。散乱するスポンジを片付けようとボランティアの少年たちがレーキを持って構えているのですが、ランナーの波が途切れないため片付けることもできません。そんな少年たちが気の毒に思えたりもしました。

 水を含んだスポンジを何個も踏みながら走ると、シューズも当然濡れてしまいます。そのためにずぶ濡れになってしまったようです。そして足裏には、マメができ始めたような痛みも出てきています。

 膝が痛い、アキレス腱が痛い、足首が痛い、ふくらはぎが攣りそう、両腕の筋肉も痛い、それに加えて足裏にマメです。よくもまあ、こんなに体を痛めつけてまで走るものです。でもこれでも諦めることを諦めて前に進む自分をちょっと見直しました。

 35キロ地点の通過タイムは3時間47分03秒でした。この間のラップは7分37秒です。ここでもまた貯金を作りました。

 しかしまだ油断はできません。昨年のナゴヤアドベンチャーマラソンでは、ここからゴールまで80分もかかっています。今のタイムに80分を足すと……最終関門に間に合うかどうか、まだまだ微妙なところです。まだまだ気は抜けません。

 コースは琴似栄町通に入っています。ここはさほど長いわけではありません。往路ではあっというまに通り過ぎてしまう通りです。ところが復路では倍以上の長さに感じます。精神的にはかなりきつくなってきています。

 しかしなんとしてもゴールを目指さなきゃなりません。ここまできて完走できないのではあまりにも悲しすぎます。絶対にたどり着いてみせる。その思いだけで足を前に運びます。

 36キロまでのラップは8分55秒かかりました。ペースはかなり落ちたものの、まだキロ10分に対しては貯金を作っています。そのことを確認してちょっと安心します。

 ただし走りながら細かい計算をすることなどできません。ここではキロ10分を切っているかだけを確かめながら走ります。このペースで走っていたらゴールタイムはどのくらいになるのか、まったく検討はつきません。ただただキロ10分を切っている限り大丈夫と、自分に言い聞かせるのみです。

 37キロ地点は4時間04分27秒で通過します。まだ5キロちょっとあるというのに、もう4時間を超えてしまいました。でもこの間のラップは8分27秒と、また貯金を作ることができました。

 最終関門までは5キロ弱。時間は1時間あります。大きなアクシデントさえなければ時間内にゴールできそうです。しかし大きなアクシデントはいつやってくるかわかりませんから、油断だけはしないように足を前に運び続けました。(つづく)


(1)最大のピンチ
(2)踏ん切りつかず
(3)自己暗示
(4)昨年よりもいい感じ
(5)ランナーズハイ
(6)キロ7分


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