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13年 時を隔てて また号泣〜第30回記念北海道マラソン完走記6 (2016-9-9 23:47:46)
(6)キロ7分
新川通に入った時点で失速するということは想定外でした。10キロ過ぎのあの感覚ならば、折り返し点くらいまでは失速せずに行けるとなんとなく思っていました。失速すること自体は織り込み済みでしたが、これからの新川通のつらさを考えるとちょっと気が重くなりました。
でもすぐに思い直しました。もともと今日はスタートすること自体ためらっていました。そこで走り出してからのことは考えず、とにかくスタートすることを目標としました。スタートしてからのことは、いわばおまけです。行けるところまで気楽に走ろうと思ってきたのです。もしもつらくなったら潔く撤退してもいいのです。
……いや、ダメです(笑)。昨年のように走り出して2キロで嫌になったのならそこで撤退するのもありでしょう。でもせっかく20キロも走ってきたのです。タイムオーバーならいざ知らず、関門閉鎖までまだ30分以上の余裕があります。撤退を考えるのはあまりにも早すぎます。ここでやめるのはあまりにももったいないです。
ここから先は時間内でゴールするにはどうしたらいいかをマネジメントしていきましょう。そのためにはまずペースダウンしてでもいいのでできるだけ走り続けることです。
ここで初めて給食所が登場します。今回は補給食を持たずに走っているのでこれが命綱です。15キロを過ぎてからは空腹も感じていました。
まずバナナをもらいます。テーブルの脇に入って足を止めて皮をむきます。そして口の中に放り込みました。続いてミニトマトのテーブルがあり、ひとつ口の中に放り込みました。これが美味しいのなんの……思わずあと3個取って、食べながら走りました。
21キロも6分02秒で通過しました。ここまでのペースはちょうどキロ6分です。後半を20分落ちくらいに収められれば4時間30分台の前半でゴールできるのですが……。そのくらいで収められれば出来過ぎです。
中間点を過ぎたことでますますやめるのはもったいなく思えてきます。2週前には30キロ走をしました。だから30キロまでは走れるはずです。そこからの12キロで貯金を使いながら前進すれば、十分に完走できるはずです。細かい計算はできませんが、そう信じて走ります。
しかし体の重さは徐々に増してきます。それとともに日陰のほとんどない新川通では日差しも全身を容赦なく刺してきます。スタート時点の気温は18度くらいで最高気温も26度にとどまり、北海道マラソンとしてはさほど暑くなく条件に恵まれたのが救いでした。いつもならば「暑いからこそ北海道マラソン!」というところですが、今年は何も馴暑トレーニングをしなかったので、暑さに対する自信はありませんでした。
そんな暑さとも戦いながら、ひたすら先を目指します。22キロのラップは6分11秒、23キロのラップは6分08秒と大きなペースダウンもなく走りました。折り返し点は25キロ過ぎです。なんとかそこまではこのままのペースを維持して行きたいところです。このペースを維持する時間が延びれば延びるほど、完走の確率は高くなります。
しかしなかなか思うようには事は運びません。体の動きはますます落ちてきます。そろそろ走っているのがつらくなってきました。でもまだ歩くには早すぎます。いずれ歩かなきゃならないとしても、ここから歩いてしまうと制限時間内にゴールまでたどり着けるかどうかまったくわかりません。
24キロは6分21秒、25キロは6分19秒と、1キロあたり10秒ほどペースが落ちました。通過タイムは2時間31分00秒です。この間の5キロは31分01秒とかなり落ちました。でもまだ6分台で走っています。キロ7分で42.195キロを走ると5時間をちょっと切るタイムです。キロ6分台で走れている限り、制限時間には悠々間に合います。自分にそう言い聞かせて目の前に見えてきた折り返し点を目指します。
やがて折り返し点を回りました。ここから最終関門の41.6キロ地点まで約16キロです。その関門をクリアすれば、ゴールは約束されます。ここまで走ってきた距離を考えると、もう一息です。
しかし新川通の復路は毎年苦しむところです。往路と復路で距離が違うのではないかと思えるくらい、復路は長く走れます。むしろ復路の方が短く感じられるような走りをすることが理想なのですが……。
そのような苦手意識を払拭するために今年は久しぶりにコース試走をしたのですが、その効果もむなしく、いつものように折り返したとたんに脱力感に襲われます。26キロのラップは6分27秒、27キロは6分37秒と、どんどんペースは落ちていきます。
27キロを過ぎると給食所がありました。ここには石屋製菓の白いバウムがありました。バウムクーヘンは喉に詰まりやすいのでマラソンの補給食として適当か?という意見もあるかもしれません。でも美味しかった〜。多少喉に詰まりやすいのは給水で流し込めば大丈夫です。大変ありがたくいただきました。
このあたりは往路のランナーが気にかかります。いや、ランナーというより終末車が気になります。終末車との差はイコール関門制限時間との差と思って間違いないでしょう。でも心配していたよりも差が開いているのにちょっと安心しました。
安心すると同時に、ここまで作ったこの貯金をこれからどう使うか、いろいろ考え始めました。昨年走った3度のマラソンはいずれも途中で歩いています。そしていずれもトボトボと歩いています。マラソンを走るとき、途中で歩いてしまうことは自分に負けたということを意味し、そこで気持ちも完全に切れてしまっていました。
でもウルトラマラソンに臨むときは違います。ウルトラマラソンでは歩くことも作戦のうちと思っています。効果的に歩きをはさむことで最後まで体力を持たせてタイムも良くできると思っています。
今年の北海道マラソンはウルトラマラソンと同じです。今の私にはこの条件で最後まで走りきるだけの力は戻っていません。効果的に歩きをはさむことで時間内の完走が可能になります。だから今回は、歩いてもけっして力を緩めません。サロマのときがそうであるように、歩くにしても全力で早歩きをします。あらかじめ自分にそう言い聞かせていました。
給食所で足を止めてバウムクーヘンを食べていたこともあり、28キロのラップは7分43秒かかりました。そこから29キロまでは足を止めずに走ったのですが、ラップは6分58秒まで落ちました。
いよいよキロ7分までペースが落ちてきたようです。ここからさきはここまで貯めてきた貯金をいかに有効に使うかという勝負です。(つづく)
(1)最大のピンチ
(2)踏ん切りつかず
(3)自己暗示
(4)昨年よりもいい感じ
(5)ランナーズハイ
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