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  ホーム >> frunブログ集 >> 13年 時を隔てて また号泣〜第30回記念北海道マラソン完走記5

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feed 13年 時を隔てて また号泣〜第30回記念北海道マラソン完走記5 (2016-9-7 1:12:16)

(5)ランナーズハイ

 ペースもなかなかいい感じになっています。体も動くようになっています。ランナーズハイを感じ始めています。

 冷静に考えるならば、ここはまだ押さえるべきところです。ここで気持ちよさに流されてしまうと後半で苦しむでしょう。30キロまで押さえて走り、そこで気持ちを解放してやるのが上手な走り方です。

 でもそのためには30キロまで楽に走り続けることが必要です。そんな簡単にできることではありません。いままで30回以上マラソンを走っていますが、そんな走りができたのはただ1度、13年前の北海道マラソンだけです。

 今の私にその走りができるか、今の私の練習量でその走りができるか。

 答はNOです。今の私に30キロをこんなペースで楽に走れるはずがありません。ここで気持ちよさに騙されて走るのは自殺行為です。

 でも私はあえてその道を選ぶことにしました。せっかくのこの感覚を楽しみたいと思ったのです。最近では走っていて楽しいと思えたことがありませんでした。でも今この瞬間、私は心の底から楽しいと思いながら走れています。その感覚を大切にしたかったのです。それを無理やり押さえたくなかったのです。たとえ後半つぶれてしまってもかまわない。ともかく走ることを楽しみたかったのです。

 何も考えず、自分の体が望むままに走りました。自分の足が望むままに前に出しました。

 6分00秒、5分43秒、5分42秒。いい感じのペースで走れています。5キロまでは余裕がなくて沿道の声援にも応えられないことが多かったのですが、このあたりではいつものように声援に応えられるようになりました。1キロごとの表示も思ったより早くやってくるようになりました。

 5分32秒、5分48秒と変わらぬペースで15キロ地点を通過しました。15キロの通過タイムは1時間30分53秒です。スタートロス込みでほぼキロ6分のペースまで戻すことができました。この間の5キロも28分45秒といい感じで走れています。

 このままのペースでゴールまでというのは難しいでしょう。でも今の調子ならば新川通の折り返し地点、25.5キロくらいまでは行けるのではないだろうか。そこまで行ければ多少の失速をしても、41.6キロを5時間05分という最終関門を悠々クリアできるでしょう。そんなバラ色のレース展開を思い浮かべていました。

 しかし15キロを過ぎるとちょっと異変を感じました。いや、異変というほどはっきりしたものではありません。「なにか違う」という微妙なものです。足が重く感じているのか体の動きが鈍っているのか、原因はわかりません。ただこれまでの軽快な走りとはちょっと違う走りになってきたような気がします。

 しかし16キロのラップは5分40秒と、むしろ速くなっています。だからといって安心はできません。逆に「なにか違う」と感じたために必要以上に頑張ってしまってラップが上がったのではないかと思いました。

 新琴似二条通から西野屯田通、そして新川通は、8月上旬にわざわざひとり練習会をして走ったコースです。あの時の感じを思い出してこの練習コースを走り終えればゴールまではあとわずかとなります。なんとかここまでは戻ってきたいものです。

 17キロ、18キロは5分46秒、5分47秒とペースを守って走ります。でもこの時の私は、「へえ、失速しそうな状態だけど、ペースはしっかり守って走れているんだ」と自分に対して感心していました。

 西野屯田通では日本ハイタッチ普及協会の皆さんが沿道に並んでいます。もちろん私はみなさんとしっかりハイタッチをして通過しました。

 いよいよポイントの新川通に入ります。19キロのラップは5分51秒でした。若干落ち始めました。新川通に入ってからは足の重さがはっきりと現れ始めました。ついに20キロのラップは6分02秒と6分を超えてしまいます。タイムは1時間59分59秒。ほぼキロ6分ペースです。この間の5キロは29分06秒と30分を切っていますが、そろそろ失速し始めました。

 折り返しまで行ければ……と皮算用していましたが、そんなに甘いものではありませんでした。まだ半分以上残っているのに、体はそろそろ限界が近いと訴え始めています。最後まで体がもつのでしょうか……。(つづく)


(1)最大のピンチ
(2)踏ん切りつかず
(3)自己暗示
(4)昨年よりもいい感じ


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