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feed 2016.5 【新田ユリ・品川区民管弦楽団、独奏Vn:伊藤(尾池)亜美を聴く】 (2016-5-30 7:58:13)

2016.5.28 大井町きゅりあん 大ホール

50年以上の歴史を持つ品川区民管弦楽団の演奏会を初めて聴いてきました。弦に多少エキストラがいるものの、
Vlaは全員が団員。募集パートはVcとCbのみとなかなか素晴らしい体制かと思いました。
エキストラ増員で本番だけ盛り上がるというオケもありますから。

都内各区には区民管もしくはそれに準じた名前の市民オケがたくさんありますが、今回の「しなかん」の実力はいかに?と
思いながら鑑賞しました。

まず尾池さんは、2009年の日本音楽コンクールのヴァイオリン部門の覇者。あの時のバルトークはよく覚えています。
場内が沸きました・

音コン時、彼女は藝大の3年生だったと思うのですが、あれから約7年。ヨーロッパで更に研鑽を積まれ、
プライヴェートではご結婚もされ、今回、彼女のVnに接し、技量そして人間性も更にパワーアップされた印象を強く持ちました。

今回はハチャトゥリアンの協奏曲を本人は選んだわけで、ちょっと意外な気もしました。
チャイコフスキー等の王道ではなくて、ハチャトゥリアン。
区民オケにとっても、この曲を演奏するというのは極めて珍しい機会だったと思います。

どういうルートで共演が実現したのは知りませんが、彼女が弾く協奏曲を聴くのは、2009年の日本音コン本選以来です。
ミニリサイタル等では何度か聴いてきたものの、今回はそういう意味でも楽しみにしていました。

第1楽章冒頭から、彼女の音色は厚みがあり、音程もしっかり。ヴィブラートは時に巨匠風でもありました。
オケだけの部分でも、少し首を振りながら踊っているような感じで、「皆で盛り上がりましょう!」と
いうオーラを強く出していたように思えました。

第1楽章後、拍手が起きましたが、曲が終わったと勘違いして出てしまった拍手もあったと思いますが、
それよりも演奏の圧倒さ思わず拍手してしまった..という聴衆が多かったように思えます。

第2楽章が特に圧巻で、オケも後半の強奏部分はこの作曲家が意図していたであろう世界を見事に奏でていたと思います。
それも、恐らく尾池さんのマジックによるものかもしれません。

終楽章は、民族音楽爆発ともいえるお祭り。こういう音楽の場合、時にしてアンサンブルが乱れてしまうという場面も
ありますが、ユリさんの「心は熱く、演奏は冷静に」という指揮にオケは出来るだけ応えているようにも感じました。
金管に少し疲れが見えてきましたが、見事な演奏だったと思います。

アンコールは「鳥の歌」のヴァイオリン版。尾池さんが前日の広島のこと(オバマ大統領の広島訪問)を
端的に話した後に、演奏。これがまた絶品で、私は本当に涙が出そうになりました。

心は感動で一杯になり、しばしこの気持ちに浸っていたい。もうここで帰ってもいいのでは?と思うほどでした。

ただ、協奏曲の名演には、当然ながら指揮者&オケの尽力もあるわけですから、
後半のシベリウス交響曲第1番も拝聴しました。

協奏曲の前プロは「フィンランディア」、ハチャトゥリアンを挟んでのシベリウスプロ。両曲とも、
一部の管楽器が0.5秒弱、先に出るような場面がありました。僅かに先走ったのか、理由はわかりません。
Tpは、ストレートな音色ではなく、やや詰まった感じの音色、シベ1の冒頭のクラリネットも、
もう少し表現が出れば..とか、音程が少し不安定なパート、Vcがもう少し前に音が出てくれば..
という部分もありましたが、全体を通じ、とても健闘していたと思います。

また開演前には弦の団員数名がステージで「ホルベアの時代」前奏曲。開演前にステージで演奏という取り組みには
初めて接しましたが、まだ場内はガヤガヤ状態で、落ち着いて聴くという体制にはほど遠く、これならば一般に
行われるロビー演奏の方が良かったように思えます。演奏はもう少しコンミスさんのリードが欲しかったです。

市民オケが持つ悩みはいろいろあるかと思いますが、とてもいいオケのようですから、更に前へ進んで行って
欲しいと思います。これだけの団員がいるのですから。

開演前の聴衆対応、整列等も問題なし。このあたりは50年という歴史があるからでしょう。

チケットを買おうと思ったら、知らないオジサマが「1枚余っているので差し上げますよ!」と提供してくれました。

アンコールはカレリアマーチかな?と思いきや、「クリスチャン2世」の「ミュゼット」。
このあたりも少しこだわりを感じました。オケが提案したのか?ユリさんが提案したのか?

隣席で聴いていたNさんが終演後に知り合いの団員に会うとのことで、私はロビーの片隅で待機。
団員さんが何名か出て来ました。誰もがとてもいい笑顔をされていました。

ユリさんの指揮、そして尾池さんと共演ということで、まだ興奮状態だったのかもしれません。
羨ましいなぁと思いながら、彼らを見つめました。


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