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バブの残り湯・解決編 (2016-4-10 6:51:51)
以前、入浴剤「バブ」の残り湯を洗濯機で吸い上げようとするとうまくいかない、という記事を掲載したが、その後いろいろな考察を重ねるうちに、原因と思われる仕組みと、解決策と思われる裏技を見つけたので、解決編として掲げることにする。
先の記事では、吸い上げ失敗の原因として、炭酸ガスが溶け込んでいるために、吸い上げた際に圧が下がり気体が発生してスクリューの掻き出し能力を下げてしまうという、名づけて「潜水病仮説」を提示した。それならば、炭酸ガスの入っていない真水を洗面器にためておき、最初はそこから吸い上げさせて、一定吸い上げがいまくいった段階で風呂の残り湯に移行したらどうか、という解決策を試したところ、一応の成果を上げた。
「一応の」というのは、どうもこれで完璧ではなく、失敗するケースが時折見られたからである。原因の説が間違っているのだろうか。
いろいろ考えていたある日、子供と風呂に入っているとき、子供がふざけて風呂の湯をバシャバシャとかけてきた。お返しにと、こちらもバシャバシャと水面をかき回した。この時も風呂にバブを入れていたのだが、水面には石鹸水ほどではないものの、たくさんの泡が発生して、それが消えていくペースが、入浴剤を入れていないときの白湯に比べて、明らかに遅く、いつまでも泡が残る感じだった。
これを見て他の原因が一つ思い浮かんだ。バブの湯は、空気と一緒にかき混ぜると、泡立ちやすく、その泡が消えにくい。これが風呂水を吸い上げる際のスクリュー周辺で起きているのではないか。名づけて「ホイップ仮説」である。生クリームやホイップクリームを泡立て器でかき混ぜてクリームを作るときのイメージだ。泡化により、連続する液体としての性質が失われてしまい、吸い上げることができなくなるのではないだろうか。先ほどの、洗面器で真水を吸わせてもうまくいかなかったケースを振り返ると、管の中に、その前の洗濯で使ったバブの湯が少し残っていて、それがホイップ化して吸い上げられなかった可能性がある。
では、逆にバブの湯でもうまく吸い上げられたケースがあるのはなぜだろうか。これは、ホイップ化するほどの空気が混じらず、大部分が液体で占められたので、吸い上げる力を維持できたと考えられる。洗濯機の挙動を観察していると、まずは呼び水となる水を洗濯機側からホースの先端に送り込み、一定程度呼び水が管の中に満たされたと思われるタイミングで吸い上げに移行する。このとき水の満たされ方が不十分だと、ホイップ化が起きて吸い出せなくなる。水が出ない状態がしばらく続くと、洗濯機は、風呂水はもはやなくなったものと判断して、吸い上げをやめて水道水に切り替えてしまうようだ。これが、バブの残り湯が吸い出せない現象のメカニズムだと考えられる。
さて、ここで解決策の登場である。
ホイップ化を起こさないためには、十分な呼び水を管に送り込んでやればよい。思いついたのは、先に述べた、最初に洗面器の水を吸わせる際に、呼び水の送り出しから吸い上げに変遷するあたりのタイミングで、ホース先端もろとも洗面器をグッと上に持ち上げることである。言葉で説明するよりも、動画で示した方がわかりやすいだろうか。
洗面器を持ち上げることにより、サイフォンの原理で洗面器の水が洗濯機側に流れ込む。スクリューで吸い上げるよりも、重力の力を借りているわけだから勢いは圧倒的に強く、ホース内ではホイップ化を起こさせないのに十分な液体で占められる。そうしたら、ホース先端を風呂の残り湯の中に戻してやっても、連続する液体として吸い上げが続けられるのだ。実は、当初真水を入れた洗面器でこれをやっていたのだが、別に真水でなくてもバブの残り湯を洗面器に入れてからのスタートで十分対応できることがわかった。
この裏技により、これまでは洗濯機が何度かトライを重ねて、風呂水吸い出しまでに時間がかかったケースも、一発で連続吸出しができるようになった。
これにより懸案は解消されたが、あくまで我が家における一事例としての解決である。科学的に突き詰めるなら、例えばスクリュー部分を透明にした状態で観察するとか、洗濯機の風呂水吸い上げのプログラミングがどうなっているかを明らかにしないとわからないので、やはり個人レベルで太刀打ちできる話ではない。前回の記事同様となるが、花王さんか、電機メーカーさん、この記事に気づいたらぜひ検証をお願いしたい。
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