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  ホーム >> frunブログ集 >> 網走の 魅力満載 新大会〜第1回オホーツク網走マラソン完走記5

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link Road to SAROMAN BLUE Road to SAROMAN BLUE (2024-10-10 15:00:05)

feed 網走の 魅力満載 新大会〜第1回オホーツク網走マラソン完走記5 (2015-10-5 23:40:29)

(5)天国から地獄

 最大のポイントである能取岬を過ぎました。体の方も問題ありません。気持ちはますますハイになっていきました。

 再び能取岬を周回する道路に戻り、ここからは下り基調となります。必要以上にペースが上がらないように注意する必要はありますが、ブレーキをかけると足への負担も増します。体に負担がかからない程度に自然な流れで走ることが大切です。

 16キロのラップはアップダウンもあったことから5分35秒にとどまりました。しかし下りに入ってからはいい感じで走れています。このペースを保とうと思いながら走っていました。

 やがて美岬トンネルが見えてきました。全長1.1キロのこのトンネル。抜けるまでは6分ほどかかるでしょう。トンネルの中は平衡感覚やスピード感覚が狂ったりすることもあるので要注意です。

 トンネルの中はひたすら足音が反響して聞こえるのみです。下関海響マラソンの終盤でトンネルを走っていたときに平衡感覚を失って以来、どうも苦手になってしまいました。

 トンネル内に17キロ地点がありました。この間のラップは5分08秒です。トンネル内はアップダウンもなくずっと下りですからペースが上がっています。順調に走れています。

 トンネルを出ると海面がかなり近く見えました。かなり下ってきたことがわかります。ここからはもう極端なアップダウンはありません。今までためてきた足をどこで使うか、それを考えながら走ります。

 18キロのラップは5分29秒、19キロのラップは5分33秒と順調に刻んでいます。下り基調から平坦になったため、少し足が重くなってきたように感じます。ペースダウンするのではないかという不安もありましたが、このラップならば申し分ありません。しっかりサブフォーペースを維持しています。

 やがて20キロ地点が見えてきました。タイムは1時間53分15秒で通過します。この間のラップは5分37秒です。15キロからの5キロも27分22秒と思想的なペースを保っています。

 まだまだ体は楽に感じています。この分だと最後までこのまま行けそうだな。そう思いながら走っていました。

 でも天国はここまででした。

 やがて通過した21キロ地点。ラップは5分46秒と落ちてしまいました。ここでこのラップは落ちすぎです。極端なアップダウンがあったわけでもありません。自分ではこれまでと同じペースで走っているつもりです。ところが約10秒も落ちています。これは……。

 そういえば、さきほどから後続のランナーに抜かれ始めています。私の体にいったい何が起こっているのでしょう。

 気がつくと足が思うように上がらなくなっていました。体はまださほど苦しさを感じていません。しかし足が動かなくなってきました。

 終盤でこの状態になるのはやむを得ません。でもまだ中間点を過ぎたばかりです。ここで足に来てしまうと、この先は地獄が待っています。そう思うのですが、足はなかなか思うように出てくれませんでした。

 焦ってペースアップを試みたせいか、22キロのラップは5分40秒に上がりました。しかしこれが精一杯です。これほど極端に自分の状態が変わってしまうとは思いませんでした。

 いま振り返ってみると、5分40秒台のラップを2つ記録した程度のことですから、何も焦る必要はなかったのです。このままのペースで我慢の走りをしていれば、やがてリズムを取り戻すこともできたかもしれないのです

 ところがこのときは、「このまま行ける」と思った矢先のペースダウンだったためか非常に焦ってしまいました。焦って何か手を打たなきゃならないと思ってしまいました。

 そんなとき、前方に公衆トイレが見えました。そういえば、スタート1時間前にしかトイレに行かなかったため、5キロくらいから軽い尿意に襲われていました。今も切羽詰ったわけじゃないけど尿意があります。

 ここでトイレに寄って一息ついてリズムを変えよう。私はそう思ってトイレ待ちの列に並びました。

 ウルトラマラソンならいざ知らず、今までマラソンでトイレに寄ってリズムを取り戻したことがあったでしょうか?ありません。逆にリズムを崩してボロボロになったことはありますが。少なくとも5分40秒台で走れていたリズムを失ってしまったことは間違いありません。

 23キロのラップは9分21秒でした。トイレロスがありますから仕方がありません。しかしラップそのものより、トイレタイムで休んだものの、足はまったく回復していないことの方が問題でした。トイレに寄って逆にリズムを崩してしまったことの方が大きな問題となりました。

 24キロのラップは5分50秒と、さらに遅くなりました。トイレからレース復帰後、足はさらに重くなったように感じています。それがラップにも現れました。

 30分前には今日のレースの成功を確信していたというのに、まさかこんな短時間でそれが正反対になるとは……。何度走っても、マラソンって難しいものです。

 25キロのタイムは2時間25分46秒です。この間の1キロは5分54秒と5分台をキープするのが精一杯です。20キロからの5キロも32分31秒となりました。でもこれは約3分半のトイレロスを含んでのもの。そう思えばまだそこそこのペースで走れているというのに、私の頭の中ではこのタイムだけがぐるぐると渦巻き、気持ちも一気に折れてきました。

 サブフォーは難しくなりましたが、もともとの目標は4時間15分です。キロ6分前後のペースでいけば十分に達成できます。私は目標を切り替えて気持ちを新たにしました。(つづく)


(1)いざ、網走へ
(2)網走番外地
(3)強気が生まれる
(4)理想的なペース配分


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