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走るより はつみ三昧の 3日間〜2015北海道マラソン完走記 第2部の6 (2015-9-13 22:23:49)
第2部 走る
(6)最後のアクシデント
このあたり、もう意識はもうろうとして走っています。そのためレースが終わった後、記憶もあいまいになっています。
ただこの北大から道庁の間で、沿道の女性から「おがまんさん」と名前を呼んで応援されたような記憶が残っています。あれは現実だったのか、あるいはもうろうとした意識が作り出した幻だったのか、今となってはよくわかりません。
すぐ目の前に見える道庁赤レンガまでの距離がずいぶん長く感じます。それでも足を前に運んでいる限り、必ず近づいてきます。
道庁構内は両側に観客が詰めて応援してくれています。その中にはスタート地点で見送ってくれた原裕美子さんの姿もありました。「ようやく帰ってきました」とハイタッチをして通過しました。
途中、コース上に緑のマットが敷いてあるところがありました。タグを計測するためのマットとは違うようです。なんだかよくわからないまま、気にせず走っていました。
ちょうどそのマットの上に左足をつきました。すると……。
どうやらそのマットの下には溝があったようです。そのため危険なのでマットを敷いてあったのでしょう。溝といっても大きな溝ではないでしょう。ほんの数センチか数ミリのものかもしれません。
ところがそんな段差があると思わず左足をついた私。ちょうど空足を踏んだような形となり、全体重が左足にかかってしまいました。
ズキーン。
その衝撃が左腰をまともに襲いました。激痛が走り、息が詰まりました。
私は思わずコースの左端に寄り、両膝に両手をついて立ち止まりました。
ゴールまで1キロもありません。最終関門は目の前にあり、時間はまだ余裕があります。完走できないということにはならないでしょうが、まさか最後にこんな試練が待ち構えていようとは思いませんでした。
しばらくそのままの姿勢で呼吸を整え、痛みが治まってきてからゆっくりとまた走り始めました。しかし左足をつくたびに腰に痛みが走ります。
道庁の出口。41.6キロの最終関門付近で撮影されていた動画を見つけました。この33分40秒あたりのところに私が映っていますが、左足を引きずって痛々しい走りになっています。
しかしここを抜ければあとは600メートル。私はゆっくりゆっくり足を進めました。
最後の大通公園もゆっくりゆっくり走ります。膝もアキレス腱も腰も痛くてたまりません。でもここまで来たらしかめっ面で走っているわけにはいきません。ゆっくり笑顔で走ります。
そして号砲から4時間43分19秒後。私はゆっくりゴールラインを通過しました。
ゴール後は混雑しています。完走メダルをかけてもらい、フィニッシャータオルを受け取り、水をもらい、タグを外してもらい、完走証を交付してもらいます。そして8丁目のゴールから4丁目まで、痛む足を引きずりながら歩きます。
西4丁目で荷物を受け取り着替えのために更衣室に向かうと、先にゴールしていたマラソン小僧さんと会いました。着替える間待っててもらって、それからまずテレビ塔のビアガーデンに行ってサッポロクラシックでのどを潤します。そのあとそば屋に行って腹を満たしました。
このあと今日のホテルにチェックインするため、いったん別れました。そして地下鉄で中島公園に向かい、ホテルにチェックインをしました。部屋に行きまずシャワーを浴びて夜のライブの準備です。しかし体のダメージは大きく、体を洗うのも一苦労でした。
走り終えた直後は、左足の小指が痛んでいました。ソックスを脱ぐとうっすらと黒くなっており、ここはこのあと黒爪になっていくのが明らかです。ところが右足に目を転じると、薬指はすでにかなり黒くなっています。走っている間は気づきませんでしたが、歩いているとこれが激しく痛みます。タイムは今までの北海道マラソンで一番遅かったのですが、ダメージは今までで一番ありそうにも思えます。
だけどそんなダメージに負けていられません。このあとは加賀谷はつみライブです。そして明日は藻岩山登山です。今回の札幌遠征のメインはこれからです。体のダメージとは裏腹に、気持ちは乗ってきました。(第2部おわり)
第1部 聴く
(1)加賀谷はつみ
(2)加賀谷はつみ北海道マラソン応援ライブ
(3)加賀谷はつみミニライブinたんぽぽ
第2部 走る
(1)カウントダウン
(2)早くもリタイアを考える
(3)中間点通過
(4)地獄への入口
(5)悪戦苦闘
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