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  ホーム >> frunブログ集 >> 走るより はつみ三昧の 3日間〜2015北海道マラソン完走記 第2部の4

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link Road to SAROMAN BLUE Road to SAROMAN BLUE (2024-10-10 15:00:05)

feed 走るより はつみ三昧の 3日間〜2015北海道マラソン完走記 第2部の4 (2015-9-11 22:50:44)

第2部 走る

(4)地獄への入口

 10キロから20キロは比較的楽に走れました。1キロごとのラップもキロ6分前後になっていましたし、そのままの走りが続けられれば悪いなりにもまずまずの走りだったと言えそうです。

 ところが新川通に入ってからはペースが落ちてきました。体も徐々に重くなってきています。足も徐々に痛みが出てきています。そしてなにより、気持ちが負けそうになってきています。

 どんなに調子が悪いときでも、北海道マラソンは私にとって「4時間」のこだわりがある大会です。

 結果的には2009年を最後に4時間を切れていません。一昨年は4時間30分も超えました。でも新川通に入るまでは4時間を意識して目一杯の走りをしていました。その結果、後半は大失速をするということが続いていますが。

 しかし今年はスタート直後で4時間の夢は失いました。40キロを残した地点で時間内完走を目標にしました。そのためどうにもモチベーションが上がらなくなっています。

 新川通を走りながら頭の中では計算をしています。時間内完走をするためには、最終関門である41.6キロ地点を5時間05分以内で走らねばなりません。そこから逆算をすると、中間地点からの約20キロを2時間50分以内くらいで走らねばなりません。そんなに難しいことではなさそうですが、歩くとどうなるかわかりません。ともかく折り返し地点くらいまでは歩かずに走ろう。そんなことを考えながらの走りでした。

 こんな走りは自分の走りじゃない。それはいやというほどわかっています。ですがこんな走りしかできないというのが、悲しいことに現実の姿です。それでもとにかくゴールを目指します。その気持ちだけはけっして忘れずに走ろうと自分に言い聞かせます。

 新川通に入って若干ペースは落ちたものの、そのペースを守って走りました。6分26秒、6分11秒、6分23秒、6分21秒と刻みながら25キロ地点を通過しました。25キロの通過タイムは2時間36分53秒です。この間の5キロは31分33秒と若干落ちました。

 関門には制限時間も記されていましたが、それは3時間09分でした。スタート前はよもや関門との戦いになるとは思っていませんでしたから、最終関門が5時間05分ということしか覚えていませんでした。ここではまだ30分程度の余裕があります。終末車は私のかなり後ろを走っているということで、ちょっと安心しました。

 まもなく折り返し点にたどり着きます。ここを回ると私は忘れていたことを思い出しました。それは風向きです。折り返し点を回るとしっかりと向かい風を感じるようになりました。ここからは風との戦いになります。

 本来であれば留萌の風に鍛えられていることを考えると恐れるほどの風ではありません。ところが気持ちが折れかけている上に体にダメージを抱えている身にとっては、微風すら強力な敵となってしまいます。それは私の足を急激に止めるほどのものではありませんが、ボディーブローのように心身を徐々に弱らせてきます。

 気持ちが弱っている証拠に、反対車線を走る往路が気になってたまりません。北海道マラソンに初めて参加した2003年。関門制限時間の3分前の旅をしてきた私は折り返して初めて私の数百メートル後ろを終末車が走っていることに驚かされました。今回はまだ余裕があると思いますが、終末車との差が気になってたまらなかったのです。

 しかし26キロ地点を過ぎても27キロ地点を過ぎても、反対車線には終末車が現れません。そのことを自分の目で確かめてひとまずは安心です。

 1キロごとのラップは6分20秒、6分23秒と安定しています。向かい風にはなったものの、ペースには大きな影響は出ていないようです。

 しかしこのあたりから徐々に足のトラブルが現れてきました。左右の足の小指の爪が痛みます。右の膝も痛みます。さらに右の足首とアキレス腱も痛みます。じわじわとそれらの痛みが出てきたため、ペースを落とさざるを得なくなりました。

 28キロからのラップは6分37秒、6分37秒と明らかに遅くなりました。こうなるとせめて6分台のラップだけは死守して走りたいところです。

 とはいえそこに大きなモチベーションはありません。ただ淡々と走るのみです。

 30キロ地点の通過タイムは3時間09分57秒です。この間の1キロは7分07秒に落ちました。25キロからの5キロも33分04秒と落ちてきました。

 いつもより遅いペースで走っているのだから、後半もばてずに走れるのではないかと思ったりしていました。でもよく考えてみると、「遅いペースで走っている」のではありません。「遅いペースでしか走れない」のです。このペースが今の私の精一杯のペースなのですから、後半になるとやはり苦しくなって当然です。

 ここからが地獄の12キロです。(つづく)


第1部 聴く
(1)加賀谷はつみ
(2)加賀谷はつみ北海道マラソン応援ライブ
(3)加賀谷はつみミニライブinたんぽぽ
第2部 走る
(1)カウントダウン
(2)早くもリタイアを考える
(3)中間点通過


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