朝比奈さんは、大阪フィル定期で交響曲第２番を８回、同オケのヨーロッパツアーでも取り上げている。
京都市響、札幌響客演時もこの曲がメインだった。しかし、このライヴＣＤ（1978年、大阪フィル第152回定期）を
最後にシベリウスは振っていないようだ。なぜなのか？理由は知らない。

私は朝比奈さんのシベリウスは結局、一度も実演では聴けなかった。またどうやら第２番以外は交響曲は振らなかったようだ。

朝比奈さんのヨーロッパでの指揮活動の最初はヘルシンキ市立管弦楽団（現在のヘルシンキフィル？）だったと思う。昭和28年だ。
当時は日本からフィンランドに、どういう経路で行ったのだろう？？

この演奏だが、近衛版を使用（ヨーロッパライブのＣＤでも近衛版）。
管楽器は倍管、更に音符も少し加筆（特にティンパニはかなり手が加えられていて、第４楽章後半の激しい連打は
この版の最大の特徴かもしれない）。


シベリウスは生前、ラジオから流れてくる近衛版の演奏を聴き、激怒するどころか、逆にこれがきっかけで近衛と仲良くなったという話を
聞いたことがあるか、真偽のほどは．．．。

朝比奈さん・大阪フィルの演奏は重厚で、またここで聞こえてくる弦の美しさは、他の大阪フィルのＣＤの中でもトップランクだと思う。

朝比奈さんの指揮している様子が見えてくるような演奏。