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【埼玉中央フィル第19回定期、中里舞砂さんを聴く】 (2015-5-31 19:25:53)
前半のプロだけ聴きました。
ブラームス:大学祝典序曲
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
(ヴァイオリン独奏:中里舞砂)
指揮:宮寺勇
昔、所属していたオケの演奏会です。櫻井さん、四ッ谷さん、宮内さん、高草木君等、今も頑張る方々のお姿も拝見できました。
このオケは創立時から「極力、エキストラを呼ばずに自分達だけで演奏出来る曲をやる」という路線を貫いています。
の路線は強固であり、またそれが団員増にも繋がり今や80名以上の立派な市民オケに発展。1stVn:11名
、2ndVn:12名、Vla:7名、Vc:9名、Cb:5名という弦だけでも見事な団員数です。
今回の定期演奏会もエキストラはPerc.の2名だけ。弦・管は全員団員です。
ここまで見事な運営状態のオケはこの周辺ではこの埼玉中央フィルだけかと思います。
大学祝典序曲は、ヴァイオリン群の音程がどうしても気になってしまいましたが、低弦は音程、音量ともいわゆる市民オケレヴェルを
超えていたように思えました。恐らく、かなり高技量の方がいるのでしょう。
チャイコフスキーでは、ソリストの中里さんに注目。辰巳門下。
高校時から桐朋に入り辰巳明子に師事。五嶋みどり、カンロトフ等のマスタークラスも受講。
室内楽を徳永二男、藤原浜雄、北本秀樹の各氏に師事。スロヴェニアでの国際コンクール2位を始め、コンクールでの実績も数々。
今回の共演は、このオケがソリストを募集したところ、何名も応募があり、その中で中里さんが選ばれたようです。
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は、音教等に通っていた子なら、中学時代から弾く曲です。
しかし、当然ながら技巧だけの勝負曲ではなく、自分なりに考えたこの曲への想い等を載せて弾けるようになるには大学生以降かと思います。
毎年、日本音楽コンクールでの本選でこの曲を選択する方もいます。
あまりにも有名な曲であり、そこが逆に難曲になっていまう要素もあります。
中里さんの今回の演奏は、楽章毎に自分の色を変えて演奏しているようにも感じました。
第1楽章は私にはやや情熱を思いこめ過ぎたようにも聞こえましたが、逆に第2楽章はその反対
(大抵、第2楽章を朗々と弾く方が多いのですが)、第3楽章は、華やかに、まさに彼女の名前の一部にある「舞」を
とても強く意識させられた演奏でした。
第1楽章のカデンツァ中は聴衆の息の根を止めていたのも素晴らしかったです(本当に物音しない静寂!!)
アンコールは「剣の舞」。これは有名なハイフェッツ編曲版だったと思います。普通はピアノ奏者と共演するのですが、今回はピアノ無しで。
これも「舞」なわけで、彼女の名前からして、もしかして彼女の十八番なのかもしれません。
見事な演奏というか攻撃的な演奏で、さすが辰巳門下!と驚いた私でした。
オケはObのピッチが少し気になりました。その位。次回定期のメインは「巨人」!いよいよマーラー!このオケの団員数なら十分可能です。
以下は、今回の演奏会で思ったこと。
・開場前は今回も総勢10数名が配置され、また混雑状況により開場を15分早めてくれた。見事な集客。ほぼ満席だった。
・演奏途中での聴衆の出入りは残念。ドア係等の配置をお願いしたい。
最前列中央で聴いていた女性客が演奏途中に出ていき、また演奏途中に最前列に戻ってきた。これは非常に残念。
中里さんも気になったかと思う。
・上記1名以外の聴衆のレヴェルは高く、楽章間で拍手する人はゼロ。特にチャイコンの1mv後では一般に拍手しがちだが、お見事だった。
私の周辺の年輩の方々も飴を食べていなかった!静かに聴いていて好印象。
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