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  ホーム >> frunブログ集 >> 新しい 相棒連れて 銅メダル〜第24回おろちゃんマラソン完走記3

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feed 新しい 相棒連れて 銅メダル〜第24回おろちゃんマラソン完走記3 (2014-10-20 22:33:02)

(3)追い抜く

 必死にSさんに離されないように走ります。本来ならばもっと追いかけなければならないところでしょうが、折り返してからはすでにペースを上げています。復路全体のことを考えると、今日の自分にはこれ以上のペースアップは困難です。このペースを保って走って前との差が詰まってきたらさらに追いかけます。詰まってこないようならそれまでです。

 幸い、後ろから足音は聞こえてきません。今日は後ろを気にせず、前を追うことのみに専念できそうです。

 ときおりペースダウンしているランナーを吸収することはできます。でもHさんとSさんのペースはなかなか落ちていません。それでも心もちHさんの背中が大きくなってきたようにも思えます。

 6kmコースの折り返し点が見えてきました。残りは3kmです。目印を定め、遠目からHさんとSさんの通過タイムをチェックします。そして同じ地点の私の通過タイムから、差を確認しました。

 HさんとSさんの差はおよそ13秒でした。たしかにこの2人の差は詰まっているようにも見えます。そしてSさんと私の差はおよそ17秒でした。こちらはほとんど詰まっていません。

 しかし同じカテゴリーのHさんとの差は10秒ほど詰まりました。でもまだ差は30秒。1キロで10秒ずつ詰めていくというのは大変なことです。

 HさんとSさんの差はその後も少しずつ詰まっているようにも見えます。私は引き続きSさんを目標に走ることにしました。Sさんについてさえ行けば、Hさんとの差も必然的に詰まっていきますから。

 前の2人を見ていると、その後もHさんとSさんの差は徐々に詰まっていきました。私とSさんの差は逆に少し開いたように思えます。SさんがHさんを捕らえにかかったのでしょうか。残り距離は3kmを切りましたから、多少の無理をしても最後までもつだろうと、私もペースアップを試みました。

 ずっと直線路が続いていますので、HさんとSさんの背中はよく見えます。HさんとSさんの差は徐々に詰まっています。しかしSさんの背中は徐々に小さくなっているようにも思えます。

 4kmコースの折り返し点でその差を確認すると、HさんとSさんの差は約5秒まで詰まっていました。そしてSさんと私の差は約15秒でした。Hさんとの差は約20秒です。1キロで10秒詰まりましたので、このペースで行けば追いつけることになります。俄然、元気が出てきました。

 残りは約2kmです。後ろから迫ってくる足音はありませんし、ここで勝負をかけて失敗したとしても順位を落とす心配は少ないでしょう。私は覚悟を決めてHさんを追うことにしました。

 まもなくSさんはHさんに追いつきました。しばらくの間は一緒に走っていたようですが、徐々にHさんが遅れ始めます。そのHさんの背中は徐々に大きくなってきました。

 2kmコースの折り返し点まできたとき、Hさんとの差は10秒を切っていました。そしてその5秒ほど先にはSさんがいます。とりあえず、ここで最後の力を振り絞れば、Hさんに追いつくことはできそうです。問題はHさんに余力が残っているかどうかです。直後まで追いつくことはできても、そこから抜くのは大変だということは、北商ロードレースでのトン子さんとのバトルでも痛感しました。

 Hさんとの差はみるみるうちに詰まってきます。そうなると私にもどんどん元気が出てきます。ゴール前500m地点で右に曲がる交差点でついに追いつきました。そしてそこを回った勢いで抜いてしまいました。本当は最後の250mの直線で勝負をかけようと思っていたのですが、抜いてしまったら仕方がありません。ここで一気にラストスパートをかけました。

 どうやらHさんには余力は残っていなかったようです。どんどんHさんの足音は遠ざかっていきました。新たなパートナーとなったLYTERACERに私の思いが通じて一気にスピードを上げてくれました。

 勢いに乗った私はSさんにもどんどん迫っていきます。最後の交差点を左折してついにはSさんをも抜き去って、そのままスピードに乗って走ります。最後まで勢いは衰えぬまま、両手を広げてゴールしました。

 タイムは46分32秒です。結果的に、この大会を3回走った中ではワーストタイムでした。でも後半5kmは22分17秒くらいで走ったことになります。新たな相棒は素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれました。

 3年前に続く3位入賞です。みごとに銅メダルをいただくことができました。めったに入賞をすることなどない私には、このメダルは宝物のひとつとなりました。でもそれ以上に、今日の走りは私にとっての宝物です。自分の力を出し切ることができたのですから。そしてその力を引き出してくれた、新たな相棒にも心から感謝です。

銅メダル

 帰りは苫前の道の駅に立ち寄りました。ここで海鮮丼とかけそばのセットを食べます。

海鮮丼とかけそば

 それからゆっくりと入浴をし、あがったあとはソフトクリームを食べます。

ソフト

 納得の走りをできた後だけに、疲労感も心地よく思えました。

 これからしばらくともに勝負に挑む相棒が、ぶっつけ本番にもかかわらず素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。今年も残すところあと2レースです。どんな結果を導いてくれるか、ますます楽しみになりました。(おわり)


(1)ライバルたち
(2)追いかける



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