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足裏の マメが激走 物語る〜第50回北商ロードレース完走記3 (2014-8-28 0:18:51)
(3)なるようになれ!
10秒前と言ってから明らかに10秒以上が経過したように思えますが、いっこうに号砲がなりません。周りがざわつきかけた頃、号砲が鳴り響きました。ローカル大会らしいのどかさです。
しかし天候はのどかではありません。相変わらず雨粒が叩きつけてきます。私は頼むからシューズを濡らさないでくれ、と祈りながら走ります。
ゆっくり走ろうと決めて後方からスタートしたものの、周囲のペースが自分のイメージよりちょっと遅くて落ち着かないというのはよくあることです。今回もやはりそうでした。
かといって慌てて抜きにかかるのではなく、落ち着いて走ります。道幅は広くないとはいえ、全種目合わせても400名あまりです。そのうち20km、10km、5kmに参加するランナーの同時スタートですから、2.5km地点、5km地点を過ぎるたびに折り返していくランナーもいますから、コース上はどんどん空いていくはずです。
スタート直後は上り坂になっています。そして右折をしてひまわり畑の間の道路を走ります。誰に聞いても「アップダウンのきついコース」という答の返ってくるこの大会。いったいどんなコースなのかとヒヤヒヤしながらのすべり出しでした。
コース上の距離表示はほとんどないものと思っていましたが、コース右側に小さな看板が設置してあるのを見て、通過するときに振り返って見てみると「あと1km」と書かれていました。ということはここが1km地点です。反射的に時計を見ると、5分15秒くらいでした。予定通りのペースです。このペースをキープすることにしました。
スタート前から強くなっていた雨は、いつしか止んでいました。これは助かりました。最近はほとんどコンタクトを使っていないので、レース中降り続いていたら眼鏡に水滴がついて前が見えなくなります。その不安がなくなったことはプラス材料でした。水溜りを避けて走っていますので、シューズもしっとりと濡れている程度で済んでいます。
この大会で不安に思っていたことのひとつに給水所があります。以前参加した人のレポートに、往路と復路に1か所ずつしかないと書いてあったからです。でも今回は、2?付近、4?付近、8?付近の往復路に設けられているようです。これだけあれば心配ありません。
最初の給水所でもしっかりコップを取りました。しかしゴミ箱は用意されていません。コップはプラカップだったので潰しづらかったのですが、潰してランパンに挟んで走りました。
緩やかなアップダウンを繰り返しながら走ります。傾斜そのものはさほどきついわけではありませんが、平らなところはほとんどないくらいアップダウンを繰り返しています。最後までこの程度ならば全然問題はないのですが・・・。
やがて折り返してくる先頭ランナーの姿が早々と見えてきます。5kmの先頭集団です。それから5kmのランナーたちが次々とゴールを目指していきます。
そんな中を、赤羽有紀子さんもやってきました。すれ違うランナーたちとハイタッチを交わしながら走っています。私も中央寄りを走り、しっかりとハイタッチをします。
やがて5kmコースの折り返し点を通過して、10kmと20kmのランナーは先を目指します。
1kmごとに表示を発見すると反射的に時計を見てしまいます。距離表示はあって5kmごとと思っていたので、時計を見ずに自分の体感だけでペースを決めようと思っていたのに、こうして距離がわかってしまうとついついペースを確認したくなります。それでも時計を止めはせず、走りながらなんとなく確認する程度でとどめておきました。その感じでは、5分台前半のラップを守って走れているようです。
息が切れるほどのアップダウンがないことにちょっと安心をしました。でもまだ後半はどんなコースなのかわかりません。調子に乗ってペースを上げすぎないよう気をつけます。
そのうち10kmの先頭が折り返してくるのが見えました。そして次々と10kmに参加しているランナーたちがやってきました。その中には知り合いのランナーも多く見られます。
そうだよなあ・・・。北海道マラソン1週間前の足慣らしとしては、20kmより10kmの方が適当なんだろうなあ・・・。でも参加料が同じなら長い距離を走りたくなってしまう貧乏性の私。この大会の参加料は10kmも20kmも2,000円ですから、10kmに出ようなどとはまったく考えませんでした。
4?地点の給水所にも立ち寄ります。ランパンに挟んでいたコップを出して、そこに水を移して使いました。
10kmコースの折り返し地点を通過するときに時計を止めました。5kmの通過タイムは26分25秒(5分17秒/km)です。キロ5分30秒を切るペースですから、北海道マラソンのシミュレーションと考えると非常にいいペースです。私は気をよくしました。
しかしこの折り返し点を通過すると、ランナーの密度は非常に薄くなります。私の直前を走っていたランナーたちはいずれも10kmのランナーたちで、20kmのランナーとなると数十メートル離れています。
別に競争しているつもりはなくても、適当な間隔で前にランナーがいると目標として走りやすくなります。でも前後にランナーがいない単独走となると集中力を持続するのも容易とはいえません。背中を追うには離れていますが、見失わない程度にはついていこうと思いました。
しかしこのあたりから右足の裏に徐々にありがたくない感覚を感じ始めます。しかもほどなくしてそれは左足裏にも感じるようになりました。
母指球のあたりが熱を持ったような感覚。痛みというより熱さを感じています。これは明らかにマメができはじめています。
レース終盤ならいざ知らず、まだ前半です。10km以上の距離が残っています。このまま走り続ければ、間違いなく大きなマメができるでしょう。あまりマメを育ててしまうと北海道マラソンに悪影響となるかもしれません。だからといってここでリタイアするなどという選択肢は存在しませんでした。
ええい!なるようになれ!
私はそのままのペースで走り続けることを選択しました。(つづく)
(1)幸先の良いすべり出し
(2)ベストポジション