（２）旅行とは　予定通りに　いかぬもの

　飛行機は旭川空港13時25分発です。留萌から旭川空港まで、ゆっくり行って約2時間です。9時過ぎに出発しました。

　車内ではライブの予習のために【シンガーソングハイカー】をかけています。先週くらいから、奥さんは日中もずっと家の中でヘビロテしていたようです。収録されている曲を一緒に歌いながら車を走らせていると、旭川空港に着くころには声が嗄れてしまっていました。

　空港には11時過ぎに着きました。土産物屋を少し見て回った後、少し早めの昼食にしようということになりました。でも空港内のレストランはちょっとお高めです。これが旅先ならば多少高くても美味しそうなものを食べようということになるのですが、まだ出発前ですからそんな気にもなれません。手ごろな価格の空弁で済ませることにしました。

　昼食を済ませたあと、私たちは搭乗待合室に入りました。まもなくアナウンスが入ります。

　『落し物のお知らせをいたします。3階レストラン付近で、貝殻の形をしたイヤリングの落し物が・・・』

　「あ、あたしだ」

　放送が終わる前に、奥さんがすばやく反応します。レストランのウインドウを見ていたとき、奥さんは手袋を落として拾い上げました。その手袋と一緒に貝殻の形をしたイヤリングをバッグに入れていたそうです。バッグの中を探してもやはり見つからず、慌てて受け取りに向かいました。

　ただしすでにゲートを通って搭乗待合室に入っていたためそこで事情を説明して出してもらわねばならず、しかも放送を最後まで聞いていなかったのでどこに行けばいいのかもわからず、受け取りに行くまでちょっと苦労をしたようです。

　出発前からちょっとしたハプニングに見舞われましたが、取り返しのつかないアクシデントでない限りこうして旅行記で取り上げられるので大歓迎です。

　飛行機の中でじっくりと東京のガイドブックを読みました。到着後の予定は18時に渋谷のハチ公前でまきおさんと待ち合わせをしていますが、それまでは何も予定がありません。時間まで渋谷をブラブラしようと思っていたのですが、ガイドブックの中で明治神宮が目に入りました。そういえば明治神宮には中学1年のときに行ったっきり、もう40年以上も行ってません。奥さんに話をすると行きたいと言います。こうして突然明治神宮に行くこととなりました。

　飛行機は予定通りに羽田空港に到着しました。それから京急とJRを乗り継いで原宿に向かいます。土曜午後の原宿駅周辺は若者たちでごった返していましたが、私たちはそこから明治神宮に向かいました。

　・・・本殿まで遠かった（笑）。そこまでの間、両側に並べられている看板を奥さんはじっくりと眺めるものだから、よけいに時間がかかります。おかげで私は見たいと思っていた清正井は、御苑の入園時間を過ぎてしまって見ることができませんでした。



　いくつもの鳥居を越えて、ようやく本殿に達します。そしてお参りを済ませました。



　その後、レストランに立ち寄って早めの夕食とします。ハチ公前での待ち合わせまでに食事を済ませなければならないと思っていたのでちょうどよかったです。



　食事を終えてから原宿駅に向かいましたが、駅は大混雑です。覚悟はしていたつもりでしたが、さすがに東京は人が多いと驚きました。しかしこのあとにはさらなる驚きが待っていました。

　渋谷駅で降り、ハチ公口に向かいます。そしてそこで目にした光景は・・・人の頭しかありません。まるでこの付近の空気がなくなってしまうのではないかと思えるほどの人の数。ハチ公がどこにいるのかを探すのも大変でした。



　昔だったらお互いに近くまで来ていても見つけるのが困難な状況でしたが、今は携帯電話があるおかげで助かります。無事にまきおさんと会うことができました。私たちはそのままライブ会場のTSUTAYA O-nestに向かいました。

　あらかじめ会場付近の地図はダウンロードしておきましたが、案内をしてもらわなかったらたどりつけなかったかもしれません。もしもその付近までたどりつけたとしても、入り口がわからなかったかもしれません。まきおさんに案内していただき助かりました。

　私にとっては今回の東京旅行の最大の目的はこの加賀谷はつみワンマンライブMUSIC TRAILでした。その内容については先日この旅行記を待ちきれずに先に書きましたので、そちらをご覧ください。

http://ameblo.jp/ogaman42195/entry-11835449994.html

　あわせて、当日のライブについて書かれている加賀谷はつみさんのブログもご覧ください。

http://ameblo.jp/kagayahatsumi/entry-11828618452.html

　アンコールを含めて全19曲。本当にすばらしいライブでした。

　本来ならばその余韻に浸りながら、ファン同士で少し語り合ってから帰りたいところですが、これから大宮まで帰らなければならないことを考えるとタイムリミットが迫っていました。

　ところがこのビル、小さいエレベーターが2基あるだけで、階段も見当たりません。そのためエレベーターに乗るまでの間、かなり時間が経ってしまいました。

　ビルを出てからの帰り道も、まきおさんに案内してもらいました。まきおさんは池袋で乗換えとなるため、乗る列車も一緒でした。行きも帰りもまきおさんにすっかりお世話になりっぱなしでした。

　でもやはりエレベーター待ちの時間は大きく影響がありました。大宮からのバスに間に合わせるためのリミットだった電車には乗れませんでした。

　池袋でまきおさんと別れ、私たちはそのまま大宮を目指します。こんな夜の電車でも人は大勢乗っていて、奥さんは赤羽でようやく座れましたが、私はそのまま大宮まで立っていました。

　大宮駅到着は22時37分でした。最終バスは22時35分でしたから惜しくも間に合いません。翌日の朝食も買わねばならなかったので、間に合わないとなれば焦らずに駅の中にあるコンビニで買い物です。それからタクシーで帰りました。

　Ogakunの住むアパートの最寄のバス停がある消防出張所までタクシーで行き、そこまでOgakunに迎えに来てもらいました。そして部屋まで案内してもらいましたが・・・引っ越して間もない彼の部屋は全然片付いていません。ここに本当に3人が寝られるのか？という状態ですが、どうにか寝る場所を作りました。部屋の主であるOgakunはソファー。私は寝袋。奥さんは布団です。

　軽く寝酒にしようと缶チューハイを1つずつ買ってきたのですが、話しているとあっという間に日付が変わってしまいます。翌日も仕事がある新入社員のOgakunに夜更かしをさせるわけにいきません。飲み終えるとすぐに布団に、もとい寝袋に入りました。（つづく）