若い頃と比べて、創作する力は衰えているように思います。若い頃はいろいろなイメージが次々と湧き出てきました。ただ惜しむらくは、そのイメージをしっかりとまとめて書き上げるだけの表現力がありませんでした。次々と湧いてくるイメージを受け止め切れず、私のわずかな容量を溢れてしまい、ただ無駄に垂れ流していました。

　ところが今はどうでしょう。おそらく当時よりは受け止める容量が広がったでしょう。表現力も増したでしょう。当時のようにイメージが湧いてきたならば、その多くを受け止められそうです。仮に溢れたとしても、溢れたイメージを再度受け止める準備もできるかもしれません。これぞ経験のなせる業です。

　しかし残念なことに、昔と比べると肝心のイメージが枯渇しています。昔ほどの勢いはなく、それどころか時にはまったく何も出てきません。イメージをまとめられなくて困っていた昔からすれば、イメージが枯渇して困るなんてことは想像もできませんでした。

　あの頃はイメージが湧いてくるのは当たり前のことと思っていたのに・・・。

　失ってしまったことの重さを痛感しています。