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9−3÷1/3+1=? (2014-2-4 22:06:46)
朝日新間に面白い記事が載っていました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140204-00000014-asahi-bus_all
「9−3÷1/3+1」の答えを、ある大手自動車部品メーカーが、高卒と大卒の技術者の新入社員にテストしたところ、正答率は4割にとどまったということです。この記事の中ではこうした結果を踏まえて『中経連は今後、「ゆとり教育で希薄化した初等教育の充実を図る」「授業にディベートを採用し、コミュニケーション能力を養う」ことなどについて、国や教育機関に改善を求めていく』とされていましたが、初等教育の問題とかコミュニケーションの問題とはちょっと違うような気がしました。
この数式、考え方によって2つの答が出てきます。「/」という記号は「÷」と同じ意味で使われることがよくあります。だからこれを「÷」ととらえると、「9−3÷1÷3+1」
となって9が正解となります。
これに対して1/3を分数の3分の1としてとらえてわかりやすく書くと、「9−3÷(1/3)+1」となって1が正解となります。
これは初等教育云々ではなく、パソコンの普及に伴って「/」が2つの似た意味を表す記号となってしまったことにあると思います。パソコンやワープロが普及する前は、「÷」という記号の代わりに「/」を使うことはほとんどなかったのではないかと思います。
そしてパソコンの普及とともに分数の表記も変わってしまいました。本来の3分の1は、―の上に1、下に3を書くべきものです。でもパソコンではそのように書けませんから1/3と表記するようになりました。
そのため、「1/3」は「1÷3」と「3分の1」の2つの意味を持つようになってしまったのです。
これだけを見ると、「1÷3」と「3分の1」は同じ答えになりますから問題ありません。ところがこうして数式の中に現れてしまうと、2つの答が出てくるケースも登場してしま
います。こうしたパソコン時代の表記方法を考えると、私が書き直したように分数はカッコ書きで表記したほうが間違いを起こさないと思うのですけどね。
ゆとり世代の子供たちが分数についてどのくらい学んだのか、私はわかりません。もしもゆとり教育の弊害で分数をろくに学んでいないのならば、「1/3」と見て分数とは思いつかないのかもしれません。
ただこの式の場合だと、「/」を「÷」として計算してしまうことには別の問題もあると思います。というのは、この式の中には「/」だけではなく「÷」という記号も出てきているということです。すなわち1つの数式の中に「割る」という意味で「÷」と「/」の2つの記号が登場することに疑間を感じないのか?ということです。
「/」という記号だけを見た場合には、これを「÷」ととらえてしまっても無理はないと思います。しかし「9−3÷1/3+1」という数式全体を見たときに、「割る」という同じ意味で2つの記号が出てくるのはおかしいのではないか?という疑問を感じてほしいのです。そこに疑問を感じられないほど「分数」という概念がゆとり教育の中で教えられていないのならば仕方ない部分はあると思います。でもそうだとしても、何の疑問を感じずに「/」を「÷」として計算したのだとしたら、やはり首を傾げざるをえません。
「木を見て森を見ず」という諺があります。「/」という記号だけを見て疑問を感じずに「÷」と判断してしまうことはまさしくこの諺のとおりだと思います。問題文の表記も適当ではなかったと思いますが、この表記でも全体を眺めてきっちりと答を導ける判断力。そうした力を見るという点では面白い問題だと私は思いました。
ちなみにゆとり世代のOgakunにも同じ問題をメールで出してみました。以下は彼とのやりとりです。
おがまん
次の計算をせよ。
9−3÷1/3+1
おがくん
1だけど。
おがまん
正解。迷わなかった?
おがくん
乗除優先だからね。迷わなかったよ。
おがまん
/を分数と考えたら正解するけど、割り算と考えたら間違える問題でした。
おがくん
他に÷の記号があったからスムーズに分数と考えられたよ。
ゆとり世代だからって、関係ありませんね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140204-00000014-asahi-bus_all
「9−3÷1/3+1」の答えを、ある大手自動車部品メーカーが、高卒と大卒の技術者の新入社員にテストしたところ、正答率は4割にとどまったということです。この記事の中ではこうした結果を踏まえて『中経連は今後、「ゆとり教育で希薄化した初等教育の充実を図る」「授業にディベートを採用し、コミュニケーション能力を養う」ことなどについて、国や教育機関に改善を求めていく』とされていましたが、初等教育の問題とかコミュニケーションの問題とはちょっと違うような気がしました。
この数式、考え方によって2つの答が出てきます。「/」という記号は「÷」と同じ意味で使われることがよくあります。だからこれを「÷」ととらえると、「9−3÷1÷3+1」
となって9が正解となります。
これに対して1/3を分数の3分の1としてとらえてわかりやすく書くと、「9−3÷(1/3)+1」となって1が正解となります。
これは初等教育云々ではなく、パソコンの普及に伴って「/」が2つの似た意味を表す記号となってしまったことにあると思います。パソコンやワープロが普及する前は、「÷」という記号の代わりに「/」を使うことはほとんどなかったのではないかと思います。
そしてパソコンの普及とともに分数の表記も変わってしまいました。本来の3分の1は、―の上に1、下に3を書くべきものです。でもパソコンではそのように書けませんから1/3と表記するようになりました。
そのため、「1/3」は「1÷3」と「3分の1」の2つの意味を持つようになってしまったのです。
これだけを見ると、「1÷3」と「3分の1」は同じ答えになりますから問題ありません。ところがこうして数式の中に現れてしまうと、2つの答が出てくるケースも登場してしま
います。こうしたパソコン時代の表記方法を考えると、私が書き直したように分数はカッコ書きで表記したほうが間違いを起こさないと思うのですけどね。
ゆとり世代の子供たちが分数についてどのくらい学んだのか、私はわかりません。もしもゆとり教育の弊害で分数をろくに学んでいないのならば、「1/3」と見て分数とは思いつかないのかもしれません。
ただこの式の場合だと、「/」を「÷」として計算してしまうことには別の問題もあると思います。というのは、この式の中には「/」だけではなく「÷」という記号も出てきているということです。すなわち1つの数式の中に「割る」という意味で「÷」と「/」の2つの記号が登場することに疑間を感じないのか?ということです。
「/」という記号だけを見た場合には、これを「÷」ととらえてしまっても無理はないと思います。しかし「9−3÷1/3+1」という数式全体を見たときに、「割る」という同じ意味で2つの記号が出てくるのはおかしいのではないか?という疑問を感じてほしいのです。そこに疑問を感じられないほど「分数」という概念がゆとり教育の中で教えられていないのならば仕方ない部分はあると思います。でもそうだとしても、何の疑問を感じずに「/」を「÷」として計算したのだとしたら、やはり首を傾げざるをえません。
「木を見て森を見ず」という諺があります。「/」という記号だけを見て疑問を感じずに「÷」と判断してしまうことはまさしくこの諺のとおりだと思います。問題文の表記も適当ではなかったと思いますが、この表記でも全体を眺めてきっちりと答を導ける判断力。そうした力を見るという点では面白い問題だと私は思いました。
ちなみにゆとり世代のOgakunにも同じ問題をメールで出してみました。以下は彼とのやりとりです。
おがまん
次の計算をせよ。
9−3÷1/3+1
おがくん
1だけど。
おがまん
正解。迷わなかった?
おがくん
乗除優先だからね。迷わなかったよ。
おがまん
/を分数と考えたら正解するけど、割り算と考えたら間違える問題でした。
おがくん
他に÷の記号があったからスムーズに分数と考えられたよ。
ゆとり世代だからって、関係ありませんね。
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