男ってやつは不思議なもので、いくつになっても自分の悪いところを自慢したがるところがありますね。

　たとえば私らが子供の頃ですと、自分の体にどれだけ傷があるかってことを自慢しあったりしたものです。すり傷や切り傷。さらには親父になぐられてできた傷。その傷が多ければ多いほど、大きければ大きいほど偉くなるのです。だいたい子供の序列は、そうした傷の多さに比例してついていました。そのころは自分だけ表に出ないように陰で糸を引くなどという不届きな子供はいませんでしたからね。

　そういったガキ大将は怒らせたら怖いけど、だいたいにおいて弱い仲間はしっかりと守ってくれたものです。だから弱いものでも安心してガキ大将について遊ぶことができました。

　そしてこれが青年期になると、寝てない自慢になってしまいます。「俺なんかよお、もう2日間も寝てないんだぜ」とか、「ついに50時間に到達したぞ」とか、何時間寝ていないかという不毛な争いをしていました。寝ないために消費するタバコの量たるや、ものすごいものでした。

　普段のサボりのツケがたまって試験前に慌てて徹夜するということもごく稀にありましたが、だいたいにおいて寝ない理由というのは遊びでしたね。雀荘で夜を明かすなんてのは日常茶飯事でしたから。私たち貧乏学生はほとんど車を持っているやつはいなかったからいいものの、これで車を持っていたら大変でした。

　そしていま、50を過ぎると病気自慢が始まります。別に病気があることは嬉しいことじゃなく、できることなら病気のない健康体でいたいというのは誰もが望むことですが、なかなかそうもいきません。だからといって自慢をすることもないのに、いや、本人たちは自慢をしているつもりもないのに、なぜか悪ガキ時代に傷自慢になったときのようなノリで病気自慢が始まります。面白いものですね。

　ということで、ここでも病気自慢をやっちゃいましょう。

　まずいま通院しているのは2つあります。ひとつは前立腺肥大です。こちらは昨年の2月に原因不明の高熱とともに尿が出なくなって泌尿器科にかかりました。結局、熱と排尿困難の因果関係はつかめませんでしたが、前立腺肥大を指摘されて定期的な通院が始まりました。

　もうひとつは緑内障の疑いです。昨年の人間ドックで指摘され（もう何度目かの指摘です）、視野検査などをやった結果からも疑いは晴れず（以前に再検査を受けたときは晴れたのに）、今は眼圧を下げるための目薬が処方され、また年明け早々に行かねばなりません。

　通院して治療をしているのはこの2つですが、ほかにも帯広にいたときに変形性頚椎症と頚椎症性神経根炎と診断されています。おかげで首に爆弾を抱えている状態です。あとは腰痛を抱えていますが、こちらはレントゲンからは問題が見つからず、整形外科的には問題がないようです。だけど慢性的に痛みがあるんですよね。整形外科では今から10年以上前に変形性膝関節症というありがたくない診断もいただいてます。ボロボロですね（笑）。

　そのほか完治したものもいろいろありますよ。なにしろこれまで5回の入院と4回の手術を経験していますから。

　最初の入院は幼稚園のときです。ですからほとんど記憶がありません。このときは脱腸の手術をしました。

　2度目の入院は小学6年のときです。このときは盲腸の手術をしました。

　3度目の入院はしばらく間があいて37歳のときでした。このときはうつ病による入院でしたから、唯一手術を伴いませんでした。

　4度目の入院は41歳のときです。このときは痔の手術をしました。

　そして5度目の入院は44歳のときです。このときは胆石の手術をしました。

　いろいろやってますでしょ。でももう何もいらないんですけどね。病気自慢じゃなく健康自慢をしたいのですが・・・。まあこの歳になっても飲食の制限が一切なく、好きなものを好きなだけ食べられるということは大いに自慢していますけどね（笑）。