報恩講のシーズンになると念仏を称える機会が増える。勤行のある行事に参加することも多い。 　念仏と言えば、思い出す高校生の頃のシーンがある。寺の中庭で親猫と子猫がじゃれあっているのをみて、父親が「なまんだぶつ、なまんだぶつ」と念仏を称えていた。私はその念仏を部屋の中から聞いていて、むしょうに腹がたってきたのだった。なんだかわからないけれど、どうしても許せない気持ちが抑えられなくなって、「うそくせえことこくな！　このバカヤロー！　ケッ！！　」と怒鳴りまくったことがある。そのとき父親がどんな顔をして...