frunブログ集
メイン | 簡易ヘッドライン |
会心の 一撃決めて ご満悦〜2013フードバレーとかちマラソン完走記7 (2013-11-15 22:13:57)
(7)終わりよければすべてよし
残り3km。いつもの練習コースを思い浮かべると、もうすぐゴールと思える距離です。でもここまでの体力の消耗が大きく、足がなかなか上がりません。それに加えて左足裏のマメの痛みはどんどん大きくなってきます。
「暑くありませんか?」
沿道からそんな声がかかります。一瞬迷いましたが、
「大丈夫、暑くありません」
と、左手を振りながら応えます。
直後にまた同じ言葉をかけているのが聞こえます。
「暑くありませんか?」
「暑いっすよ〜」
その声は、どうやらくまのプーさんです。私の方が前を走っていたと思っていたら、直後まで追い上げられていたようです。やはりその直後に私に並びかけてきて、二言三言言葉を交わした後に私を抜いていきました。ついていく足はもう私にはありませんでした。
それから間もなく、
「やっと追いついた〜」
という声が後ろからかかります。横に並んだ姿を見るとカナダさんでした。こうしてレース中にお会いしたのは久しぶりかもしれません。
「時計がないので、ペースが全然わからないんですよ」
「いま、4分50秒くらいですよ」
「あ〜、そんなに速いならこれ以上無理しなくていいや」
カナダさんは颯爽と抜いていきました。
キロ4分50秒くらいのペースならば、これ以上無理をしてあげる必要はありません。このペースを維持していくことを考えるだけです。足が上がらないことを、左足裏が痛いことを隠して、笑顔で手を振りながら走るだけです。
コースは左折をしてゴールの中央公園を目指します。残りは数百mです。ここまで大きな失速もなく走ってきました。もしかすると3年ぶりに1時間50分を切れるかも。そんな期待もあります。
ゴールまであとわずかということで、ラストスパートをするランナーも増えてきました。私自身、ペースはそんなに変わっていないはずですが、次々と抜かれていきます。でも私はラストスパートをしません。ここで無理なスパートをして心臓に負担をかけることは危険ですから。そして沿道で迎えてくれる応援の皆さんにしっかりと応えながら走りたいですから。そう自分に言い聞かせながら走っていました。
もちろん、スパートしなかったのではなく、できなかったのですが(笑)。ペースを維持するのが精一杯で、スパートなどとてもできる状態にありませんでした。
最後の交差点を右折すると、目の前にゴールゲートが現れます。横にある時計は1時間49分台であることを示しています。
やりました!
練習不足で完走も危ういのではないかと思っていたのに、しかも時計を忘れて自分のペースもわからずに走っていたのに、3年ぶりの110分切りです。私は両手を思いっきり突き上げてゴールしました。
1時間49分26秒。1時間50分を大きく切ったのではなく、ギリギリ切れたというのがいかにも自分らしいタイムです。でも今の私にこのタイムを出せたということは、まさに会心の一撃でした。私の頭の上のスライムはいつも変わらぬ表情ですが、このときの私はスライム以上のドヤ顔をしていたことでしょう。
走り終えたあとは完走証を受け取り、痛む左足を引きずりながらホテルに向かいます。ホテルの大浴場でゆっくりと温泉に浸かった後、幕別の孫姫のところに向かいます。孫姫は熱も下がり、すっかり元気になっていました。
それを見て安心して家路につく・・・はずでしたが、突然の気まぐれで隣町の豊頃に向かい、朝日堂のアメリカンドーナツを買ってきました。
自宅用のお土産と娘たち用のお土産を買い、再び娘の家に立ち寄って孫姫たちの顔を見ます。そしてドーナツを渡し、今度こそ留萌に向かいました。
途中、清水町のドライブインいとうに寄って二階建て豚丼を食べます。走って腹が減ったときは最高の栄養補給です。
それから留萌まで延々と続く1人ドライブ。豊頃まで行ったために連日の320kmドライブとなってしまいました。前日の320kmドライブとこの日のハーフマラソン。さすがに帰りの運転はつらかったのですが、ここでは何もアクシデントがなく自宅に帰り着きました。
3月の転倒以来、すっかり歯車が狂ってしまって満足な走りをほとんどできなかった1年でしたが、終わりよければすべてよしです。フードバレーとかちマラソンの会心の走りは、まだまだやれると私の中の自信も目覚めさせてくれました。
来年は、今年よりちょびっと進化した私の姿を皆さんにご覧いただけるよう頑張りたいと思います。(おわり)
(1)いきなりのアクシデント
(2)アクシデントは続く
(3)出走決定
(4)練習不足は嘘つかない
(5)高まる不安
(6)走り出した僕らには、目指すべき場所がある
残り3km。いつもの練習コースを思い浮かべると、もうすぐゴールと思える距離です。でもここまでの体力の消耗が大きく、足がなかなか上がりません。それに加えて左足裏のマメの痛みはどんどん大きくなってきます。
「暑くありませんか?」
沿道からそんな声がかかります。一瞬迷いましたが、
「大丈夫、暑くありません」
と、左手を振りながら応えます。
直後にまた同じ言葉をかけているのが聞こえます。
「暑くありませんか?」
「暑いっすよ〜」
その声は、どうやらくまのプーさんです。私の方が前を走っていたと思っていたら、直後まで追い上げられていたようです。やはりその直後に私に並びかけてきて、二言三言言葉を交わした後に私を抜いていきました。ついていく足はもう私にはありませんでした。
それから間もなく、
「やっと追いついた〜」
という声が後ろからかかります。横に並んだ姿を見るとカナダさんでした。こうしてレース中にお会いしたのは久しぶりかもしれません。
「時計がないので、ペースが全然わからないんですよ」
「いま、4分50秒くらいですよ」
「あ〜、そんなに速いならこれ以上無理しなくていいや」
カナダさんは颯爽と抜いていきました。
キロ4分50秒くらいのペースならば、これ以上無理をしてあげる必要はありません。このペースを維持していくことを考えるだけです。足が上がらないことを、左足裏が痛いことを隠して、笑顔で手を振りながら走るだけです。
コースは左折をしてゴールの中央公園を目指します。残りは数百mです。ここまで大きな失速もなく走ってきました。もしかすると3年ぶりに1時間50分を切れるかも。そんな期待もあります。
ゴールまであとわずかということで、ラストスパートをするランナーも増えてきました。私自身、ペースはそんなに変わっていないはずですが、次々と抜かれていきます。でも私はラストスパートをしません。ここで無理なスパートをして心臓に負担をかけることは危険ですから。そして沿道で迎えてくれる応援の皆さんにしっかりと応えながら走りたいですから。そう自分に言い聞かせながら走っていました。
もちろん、スパートしなかったのではなく、できなかったのですが(笑)。ペースを維持するのが精一杯で、スパートなどとてもできる状態にありませんでした。
最後の交差点を右折すると、目の前にゴールゲートが現れます。横にある時計は1時間49分台であることを示しています。
やりました!
練習不足で完走も危ういのではないかと思っていたのに、しかも時計を忘れて自分のペースもわからずに走っていたのに、3年ぶりの110分切りです。私は両手を思いっきり突き上げてゴールしました。
1時間49分26秒。1時間50分を大きく切ったのではなく、ギリギリ切れたというのがいかにも自分らしいタイムです。でも今の私にこのタイムを出せたということは、まさに会心の一撃でした。私の頭の上のスライムはいつも変わらぬ表情ですが、このときの私はスライム以上のドヤ顔をしていたことでしょう。
走り終えたあとは完走証を受け取り、痛む左足を引きずりながらホテルに向かいます。ホテルの大浴場でゆっくりと温泉に浸かった後、幕別の孫姫のところに向かいます。孫姫は熱も下がり、すっかり元気になっていました。
それを見て安心して家路につく・・・はずでしたが、突然の気まぐれで隣町の豊頃に向かい、朝日堂のアメリカンドーナツを買ってきました。
自宅用のお土産と娘たち用のお土産を買い、再び娘の家に立ち寄って孫姫たちの顔を見ます。そしてドーナツを渡し、今度こそ留萌に向かいました。
途中、清水町のドライブインいとうに寄って二階建て豚丼を食べます。走って腹が減ったときは最高の栄養補給です。
それから留萌まで延々と続く1人ドライブ。豊頃まで行ったために連日の320kmドライブとなってしまいました。前日の320kmドライブとこの日のハーフマラソン。さすがに帰りの運転はつらかったのですが、ここでは何もアクシデントがなく自宅に帰り着きました。
3月の転倒以来、すっかり歯車が狂ってしまって満足な走りをほとんどできなかった1年でしたが、終わりよければすべてよしです。フードバレーとかちマラソンの会心の走りは、まだまだやれると私の中の自信も目覚めさせてくれました。
来年は、今年よりちょびっと進化した私の姿を皆さんにご覧いただけるよう頑張りたいと思います。(おわり)
(1)いきなりのアクシデント
(2)アクシデントは続く
(3)出走決定
(4)練習不足は嘘つかない
(5)高まる不安
(6)走り出した僕らには、目指すべき場所がある
execution time : 0.034 sec