frunブログ集
メイン | 簡易ヘッドライン |
会心の 一撃決めて ご満悦〜2013フードバレーとかちマラソン完走記6 (2013-11-13 23:08:29)
(6)走り出した僕らには、目指すべき場所がある
利尻といい北海道マラソンといい、今年はレースの後半で大失速を演じてしまうことが多くなっています。今日はフルやウルトラじゃなくハーフだから大丈夫、と思っていますが、いかんせん練習不足です。ハーフマラソンを甘く見ていたらしっぺい返しを食らうでしょう。今年最後のレースは気持ちよく走り終えたいところです。なんとしても最後まで気持ちを切らさずしっかりと走りきろうと、自分に気合を入れました。
沿道からの声援に応えつつ帯広南商業高校に差しかかります。すると左側のエリアで帯広南商業高校の吹奏楽部の皆さんが演奏をしており、その横ではバトントワラー部の皆さんが応援をしてくれています。弱りかけたオジサンランナーには格好のカンフル剤です(笑)。皆さんに「ありがとう〜」と言いながら手を振って通過します。時計がないのが残念ですが、この間の1kmはもしかすると最速ラップを記録していたかもしれません(笑)。
足は重くなっていますが、まだどうにか失速は踏みとどまっています。往路よりも復路の方が沿道の応援も多く感じ、「スライム〜」と声をかけられると嘘でも元気なふりをしないわけにはいきません。
ふと沿道を見ると、「帯広もハイタッチ無料」と書かれたボードを持っている人がいました。もちろんしっかりとハイタッチをしたことは言うまでもありません。
北海道マラソンが北海道大学の構内を走るようになった2009年から昨年まで、北大の学生さんたちによる「北海道大学北海道マラソン応援プロジェクト」が実施されました。2011年の北海道マラソン前に、北大の学内広報誌「えるむ」に寄稿する機会をいただき学生向けのメッセージを書きました。
北大OBランナー母校を走る
その打ち合わせをしている段階で私がそれまでの大会で特に印象に残っていた応援方法を話しました。その中のひとつに、2007年の湘南国際マラソンのときに見かけた「ハイタッチ無料」と書かれたボードのことをお話しました。
すると学生さんたちはそれを大変面白がってくれたようで、その年の北海道マラソンの時には早速「ハイタッチ無料」のボードが登場したのです。昨年の北海道マラソンでもこのボードは登場し、わずかな間に北海道マラソンの名物応援のひとつとなっていました。
今年は事情により応援プロジェクトが実施されなかったのですが、新たに帯広にも「ハイタッチ無料」が飛び火したようです。北海道に「ハイタッチ無料」を持ち込んだ者として、これは大変嬉しい出来事でした。来年はぜひ、もっともっと広がってほしいと思います。
15km地点を通過して間もなく白樺通に入ります。この長い直線を終えるとゴールは間もなくです。アルバータ通から白樺通へと右折するときは、沿道の皆さんに上機嫌で手を振りながら回りました。
しかしその上機嫌も長くは続きませんでした。左足の裏に異変を感じるようになったのです。
この感じは・・・まずい!残りの距離は5kmあまりだから最後まで問題がなければいいけど・・・。
左足の裏に妙な熱さを感じていたのですが、それがはっきりと形になってきました。そう、これはマメができる前触れです。いや、ここまで兆候があっても気づかないふりをしていました。でももうこれはマメができ始めている状況でしょう。
やらかしてしまいました。じつは朝、靴下を履いてからディクトンスポーツを塗ってないことに気づいたのです。でも靴下を脱ぐのが面倒で、「ハーフだから大丈夫」と塗らないままにしてしまいました。出発前、入れ忘れていたことに気づいてカバンに入れたディクトンスポーツだったのに・・・。あのまま忘れてきたのなら諦めもつきますが、せっかく持ってきたのに使わなかったというのがなんとも悔やまれます。
かといって顔をしかめていられません。スライムにはしかめっ面は似合いませんから。沿道からの声援に応え、またときにはこちらから手を振って声援をもらうきっかけを作りながら、次の目的地である西陵中学校の私設エイドを目指します。
その前に、帯広しんきん開西支店と柏林台支店の私設エイドがあります。せっかくの私設エイドだから寄りたいのはやまやまですが、今回は西陵中学校エイドでホットレモネードを飲むと決めています。ですからお礼を言うだけで通過しました。
まもなく18km地点付近にさしかかります。お目当ての西陵中学校エイドが近づいてきました。元気に応援してくれる生徒さんたちにこちらも元気にお礼を言い、テントでホットレモネードを受け取ります。そして口の中に流し込みました。
レモネードの爽やかさが口の中に広がります。最後の力が湧き上がってくるような感じがします。飲む時にこぼれたレモネードが手や顔につきちょっとべたつく感じがしましたが、間もなく給水所がありました。ここで水をもらってべたついているところを水で洗い流します。
残りは3kmを切っています。もう一息です。でも足はかなり重くなってきました。左足裏のマメの痛みもどんどん増してきています。でもせっかくここまでいい走りをしてきたのだから、最後まで気持ちよく走りきりたいところです。走り出した僕らには、目指すべき場所があるのですから。(つづく)
(1)いきなりのアクシデント
(2)アクシデントは続く
(3)出走決定
(4)練習不足は嘘つかない
(5)高まる不安
利尻といい北海道マラソンといい、今年はレースの後半で大失速を演じてしまうことが多くなっています。今日はフルやウルトラじゃなくハーフだから大丈夫、と思っていますが、いかんせん練習不足です。ハーフマラソンを甘く見ていたらしっぺい返しを食らうでしょう。今年最後のレースは気持ちよく走り終えたいところです。なんとしても最後まで気持ちを切らさずしっかりと走りきろうと、自分に気合を入れました。
沿道からの声援に応えつつ帯広南商業高校に差しかかります。すると左側のエリアで帯広南商業高校の吹奏楽部の皆さんが演奏をしており、その横ではバトントワラー部の皆さんが応援をしてくれています。弱りかけたオジサンランナーには格好のカンフル剤です(笑)。皆さんに「ありがとう〜」と言いながら手を振って通過します。時計がないのが残念ですが、この間の1kmはもしかすると最速ラップを記録していたかもしれません(笑)。
足は重くなっていますが、まだどうにか失速は踏みとどまっています。往路よりも復路の方が沿道の応援も多く感じ、「スライム〜」と声をかけられると嘘でも元気なふりをしないわけにはいきません。
ふと沿道を見ると、「帯広もハイタッチ無料」と書かれたボードを持っている人がいました。もちろんしっかりとハイタッチをしたことは言うまでもありません。
北海道マラソンが北海道大学の構内を走るようになった2009年から昨年まで、北大の学生さんたちによる「北海道大学北海道マラソン応援プロジェクト」が実施されました。2011年の北海道マラソン前に、北大の学内広報誌「えるむ」に寄稿する機会をいただき学生向けのメッセージを書きました。
北大OBランナー母校を走る
その打ち合わせをしている段階で私がそれまでの大会で特に印象に残っていた応援方法を話しました。その中のひとつに、2007年の湘南国際マラソンのときに見かけた「ハイタッチ無料」と書かれたボードのことをお話しました。
すると学生さんたちはそれを大変面白がってくれたようで、その年の北海道マラソンの時には早速「ハイタッチ無料」のボードが登場したのです。昨年の北海道マラソンでもこのボードは登場し、わずかな間に北海道マラソンの名物応援のひとつとなっていました。
今年は事情により応援プロジェクトが実施されなかったのですが、新たに帯広にも「ハイタッチ無料」が飛び火したようです。北海道に「ハイタッチ無料」を持ち込んだ者として、これは大変嬉しい出来事でした。来年はぜひ、もっともっと広がってほしいと思います。
15km地点を通過して間もなく白樺通に入ります。この長い直線を終えるとゴールは間もなくです。アルバータ通から白樺通へと右折するときは、沿道の皆さんに上機嫌で手を振りながら回りました。
しかしその上機嫌も長くは続きませんでした。左足の裏に異変を感じるようになったのです。
この感じは・・・まずい!残りの距離は5kmあまりだから最後まで問題がなければいいけど・・・。
左足の裏に妙な熱さを感じていたのですが、それがはっきりと形になってきました。そう、これはマメができる前触れです。いや、ここまで兆候があっても気づかないふりをしていました。でももうこれはマメができ始めている状況でしょう。
やらかしてしまいました。じつは朝、靴下を履いてからディクトンスポーツを塗ってないことに気づいたのです。でも靴下を脱ぐのが面倒で、「ハーフだから大丈夫」と塗らないままにしてしまいました。出発前、入れ忘れていたことに気づいてカバンに入れたディクトンスポーツだったのに・・・。あのまま忘れてきたのなら諦めもつきますが、せっかく持ってきたのに使わなかったというのがなんとも悔やまれます。
かといって顔をしかめていられません。スライムにはしかめっ面は似合いませんから。沿道からの声援に応え、またときにはこちらから手を振って声援をもらうきっかけを作りながら、次の目的地である西陵中学校の私設エイドを目指します。
その前に、帯広しんきん開西支店と柏林台支店の私設エイドがあります。せっかくの私設エイドだから寄りたいのはやまやまですが、今回は西陵中学校エイドでホットレモネードを飲むと決めています。ですからお礼を言うだけで通過しました。
まもなく18km地点付近にさしかかります。お目当ての西陵中学校エイドが近づいてきました。元気に応援してくれる生徒さんたちにこちらも元気にお礼を言い、テントでホットレモネードを受け取ります。そして口の中に流し込みました。
レモネードの爽やかさが口の中に広がります。最後の力が湧き上がってくるような感じがします。飲む時にこぼれたレモネードが手や顔につきちょっとべたつく感じがしましたが、間もなく給水所がありました。ここで水をもらってべたついているところを水で洗い流します。
残りは3kmを切っています。もう一息です。でも足はかなり重くなってきました。左足裏のマメの痛みもどんどん増してきています。でもせっかくここまでいい走りをしてきたのだから、最後まで気持ちよく走りきりたいところです。走り出した僕らには、目指すべき場所があるのですから。(つづく)
(1)いきなりのアクシデント
(2)アクシデントは続く
(3)出走決定
(4)練習不足は嘘つかない
(5)高まる不安
execution time : 0.025 sec