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link Road to SAROMAN BLUE Road to SAROMAN BLUE (2024-10-10 15:00:05)

feed 会心の 一撃決めて ご満悦〜2013フードバレーとかちマラソン完走記5 (2013-11-12 23:34:40)
(5)高まる不安

 ひとまずこれ以上ペースを上げないようにしようと思いましたが、特にペースダウンを意識することはありませんでした。ペースを上げるか下げるかではなく、今の自分がもっともストレスなく走れるペースで走ることを選びました。どうせ時計を持っていないのだから、ペースが上がったか下がったかなんてわかりません。それなのにペースが速いか遅いかを考えても仕方ないと思ったのです。無理なく楽に走っている、という感覚だけを大切にして走ります。

 気温が上がってきているせいか、喉の渇きを感じます。そういえば、起きてからここまで水分の摂取をあまりしていません。これがフルマラソン以上の距離ならば数日前からウォーターローディングをするのですが、ハーフマラソンということでちょっと油断をしてしまったか、水分摂取についてあまり意識をしていませんでした。相変わらずの油断癖にまたまた痛い目を見てしまいました。

 帯広市内の主要道路のひとつである白樺通。ここに交通規制をかけて走れるというのはとてもありがたいことです。しかも沿道には応援の人並みが途切れません。私の方を指差して笑っている子供に手を振ると、手を振り返してくれます。「スライム頑張れ〜」と声をかけてくれる大人にも大きく手を振って「ありがとう〜」と答えます。そんな沿道からの声援に力をもらいながら白樺通を左折してアルバータ通に入りました。

 アルバータ通に入ると間もなく最初の給水所があります。喉の渇きを感じていただけに、待ち遠しく感じていた給水所です。水のテーブルでコップをひとつもらって口にします。

 ・・・おやっ?

 底の方の3分の1くらい、一口にも満たないような量しか水が入っていませんでした。残念!もう給水テーブルはありませんから、次の給水まで耐えるしかありません。それでも多少なりとも喉を湿らせることができて少し生き返りました。

 突き当りのT字路を左折して帯広の森に向かいます。ランナーの密度はスタート直後と比べるとかなり低くなっています。片側2車線の幅広いコースで緩やかに右にカーブをしています。そのため右側に寄って走るランナーがほとんどです。でも私は左車線に残って、左側の歩道で応援してくれる方々に応えながら走ります。スライムをかぶっているのだから、このくらいのことはしなければなりません。

 帯広南商業高校の付近を通るとき、反対車線の沿道にいる多くの女子高生からも声援が届きます。復路の13km過ぎで帯広南商業高校のバトントワラー部と吹奏楽部の応援があると書かれていました。きっとその女子高生たちでしょう。反対車線にも大きく手を振って通過しました。

 右折して栄通りに入りますと、急な上り坂となります。比較的平坦なコースの中で唯一のアップダウンです。コース前半の最大の山場です。でも幸い上り坂は得意にしている私。留萌に住むようになってから普段から坂道を走っています。ですからこの程度の上りは苦になりません。おかげでけっこう抜きながら上っていくことができます。

 急坂区間を終えて緩やかな上り坂を折り返し点に向かう途中に10km地点があります。時計がないためペースはわかりませんが、それほど悪いペースじゃないと思います。2時間を切るペースでは走れているでしょう。うまくいくと1時間50分を切れるかもしれない。そう思いながら走っていました。

 やがて折り返し点が見えてきます。折り返し点を囲んでいる応援の人々からも「スライム〜」と声をかけられ、「ありがとう〜」と答えながら折り返し点を回ります。

 回ってからしばらくは往路のランナーとすれ違いながら走ります。往路をやってくるりんごちゃん、HITOMIさんらとも手を振ってすれ違います。さらに素敵な笑顔で走るhiromさんとakomさんともすれ違います。それほど大きな差がついているわけじゃありませんから、私が失速したらたちまち捕まってしまうでしょう。捕まらないように頑張ろうと気合を入れました。

 途中でいったん左折して野球場方面に向かいます。そこには給水所もあります。今度はスポーツドリンクを補給して折り返しました。

 再び栄通りに戻ると往路の最大のポイントだった坂道です。今度は下りですから上りのようには苦しみません。でも足への負担は増しますから、3km過ぎから足が重くなっている私にはかえってきついかもしれません。

 とはいえここでブレーキをかけるわけにはいきません。スピードに乗って坂を下りきり、そこを左折してアルバータ通に入りました。コースの高低図を見るとゆっくりとした下り坂です。でもここまでが急坂だっただけに、逆に上り坂になったような錯覚を覚えます。そうすると急に足が重くなってきました。

 残りは10kmを切っているとはいえ、なにしろ練習不足の身。いつどのタイミングで失速するかわかりません。徐々に不安が高まってきました。(つづく)


(1)いきなりのアクシデント
(2)アクシデントは続く
(3)出走決定
(4)練習不足は嘘つかない


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