先日、リニア中央新幹線のルートと中間駅についての計画概要が発表されました。これによりますと、東京の品川と名古屋の間を最速約40分で結ぶのですね。

　それがどのくらい速いのか、北海道以外に住んだことのない私にはピンときません。品川と名古屋の間はおよそ286kmあるのですね。286kmというと、JR北海道でいうと深川から稚内までが似たような距離（約289km）です。今年の利尻島一周悠遊覧人Gに参加するために深川から稚内まで特急スーパー宗谷に乗りましたが、これが3時間55分かかっています。この距離を40分でとなると、これは想像を絶する速さといえますね。

　でもこのリニア中央新幹線。発着のターミナル2駅に加えて相模原市、甲府市、飯田市、中津川市に中間駅が設けられることが発表されましたが、すべてに停車すると72分かかるのだそうです。最高時速が505km/hrというこれまた想像を絶するスピードなので、途中で停車するとなるとかなりの時間ロスが発生するのですね。

　さらに都市部では騒音対策ですとか用地取得や地権者への補償の必要がない地下40m超を活用するということなので、ホームはかなり深いところにできるようです。地上とはエスカレーターやエレベーターで結ぶということですが、乗り継ぎ時間もそこそこかかるようになってしまいそうです。そのため、現在は東京駅から名古屋駅まで新幹線で移動している人にとって時短効果はそれほどないという声もあるとか。現在の新幹線「のぞみ」は東京〜名古屋間を1時間40分で結んでいるということなので（これでも所要時間はスーパー宗谷の半分以下です）東京から品川まで山手線で移動して乗り換えるとそれだけでもかなりの時間がかかってしまうそうです。

　列車の所要時間を見るだけではわからない部分がありますね。

　あと私が気になるのはスピードが速すぎることとトンネルが多すぎることですね。乗りなれていないということもあるのでしょうが、現在の新幹線のスピードでもちょっと速すぎて快適とは感じることができません。これが505km/hrなどというスピードになってしまうと・・・。しかもルートの86％がトンネルというのでは景色も楽しめません。いや、そもそもこんなに速すぎるスピードでは外の景色を見たらあっという間に酔ってしまいそうですが（笑）。

　いずれにせよ、リニアは「のんびりと旅を楽しむ」トラベル用の乗り物ではなく、「できるだけ短時間で移動する」ビジネス用の乗り物だということなのでしょうね。

　私としてはリニア以上に関心を持ったのは、JR九州が運行する話題のクルーズトレイン「ななつ星」のニュースです。先日試運転が行われ、故障により緊急停止したというニュースが流れていました。でも予定通りに10月15日から運行を開始するとのことで安心しましたが、こちらには死ぬまでに一度でいいから乗ってみたいですね。

　一編成の客室数はわずか14室。申込は抽選で受け付けていて、2014年4月〜6月出発分の第三期の募集が8月末で締め切られ、抽選も行われました。14室のうち12室が国内向け販売です。ツアー企画は3泊4日と1泊2日の種類があり、第三期の期間中に13本あります。ですから今回の募集では13本×12室ということで156部屋分の募集でした。

　これに対する応募総数は1,398件です。最終平均倍率は9.0倍。東京マラソンにも匹敵しようかというくらいの狭き門です。でもこの中には第一期、第二期で当選しなかった人の優先出発日というのも設けられていて、いわば敗者復活のチャンスがあるのですね。このあたり、東京マラソンの抽選でも連続落選者に優先権をという根強い要望もあることですし、こうしたサービスをぜひ参考にしていただきたいですね。

　これ、超豪華クルーズトレインですから、料金も破格なんですよ。部屋のタイプと利用人数により異なりますが、3泊4日コースだと1人約39万円〜98万円です。下手な海外旅行よりもずっと高額です。それでもこのななつ星にはいつか乗ってみたいですね。

　ななつ星に乗るためにはお金と時間が必要でしょうから、応募者の内訳を見るとやはり年齢層が高そうです。第三期応募者の年代別内訳を見ると60代が一番多く、次いで50代、40代、70代の順となっています。平均年齢は52.7歳ということです。

　私も60歳を過ぎて退職したら、こんな優雅なクルーズトレインの旅をしてみたいです。それも、子供たちからの退職祝いとして（笑）。