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レース後の 輝く夜に 君がいる〜2013北海道マラソン完走記10 (2013-9-7 21:28:03)
(10)9度目のゴール
北18条門からメインストリートに入ります。今年もまたここに帰ってきました。
学生時代の4年間と研究生時代の1年間。5年間にわたって歩いていたこの道に、今年も帰ってくることができました。
北海道マラソンのコースが北大構内を通るようになったのは2009年のこと。その前の年に行われた北京オリンピックのマラソンコースが北京大学の構内を通っていたのを見て、「北海道マラソンでも北大構内を通るコースにしたい」という関係者の強い思いから実現したと聞きます。おかげでこうして毎年母校に凱旋するというチャンスをいただけるようになりました。
だというのに、北大構内を走るときはいつもボロボロの状態になっています。毎年毎年、「今年こそは颯爽と北大構内を駆け抜けたい」と思うのですが、いまだに実現できません。唯一、北海道マラソン最後のサブフォーを記録した2009年だけはそれなりの走りをしましたが、それでも「颯爽」という言葉には程遠く、よれよれの走りでした。
今年はそのよれよれ度合いが一番激しく、なかなか走ることもできません。メインストリートの途中に40km関門がありますが、通過時間は4時間15分51秒でした。この間の1kmは8分41秒かかり、35kmからの5kmは40分53秒と、ついに平均で8分を超えてしまいました。
残りは2kmあまり。頭はまったく働かず、ゴールタイムがどのくらいになりそうなのか見当もつきません。ただこのくらいのタイムなら関門に引っかかる心配はないだろうということだけを考えていました。
例年は北海道大学応援プロジェクトで、北大の各種サークルの皆さんが応援を繰り広げていてくれるクラーク像前のロータリーですが、今年はプロジェクトが実施されていません。その情報はあらかじめ得ていましたから覚悟をしていましたが、このロータリーの寂しさは残念でした。最後の最後の苦しいところで元気をもらえる学生さんたちの想いがこもった応援。来年こそは復活していただきたいと思います。
歩いたり走ったりを繰り返しながら、いよいよ北大を後にしようとします。すると南門の手前ではsteraiさんが応援をしてくれていました。南門を出たところではrosehip
teaさんが応援をしてくれていました。もっと颯爽とした姿を見せられなかったことに悔いが残ります。
南門を出ると正面に道庁赤レンガが見えます。でもすぐそこに見えるのに、全然近づいてきません。だから視線を下に落として、赤レンガの方は見ないようにしました。
視線を下に落としていたせいでしょうか、41km地点の表示は見落としました。でもそんなことはどうでもいいでしょう。あとは一刻も早くゴールするだけです。タイムを早くしたいからというわけではありません。早くゴールして休みたいのです。
道庁内に入ります。コースの両側に応援の人々が大勢つめています。それらの皆さんの声援に手を振って応えながら走ります。足と比べて手や口はさほどのダメージを感じていませんから、手を振ったりお礼を言ったりすることはさほど苦になりません。
道庁の出口に設けられている41.6kmの打ち切りポイントを通過します。これでもう関門はありません。ゴールをしようという意思を持っている限り完走が約束されました。
道庁を抜けて大通までたどり着いて右折すると、いよいよゴールゲートが見えてきます。長く苦しかったマラソンもようやく終わろうとしています。納得の走りができたときは「ゴールするのがもったいない」と思えることもあります。でも今日はそんな思いはまったくありません。早く楽になりたいという一心だけです。
コースの左端をゴール目指して走ります。沿道で応援している皆さんに、先にゴールをして応援しているランナーの皆さんに手を振って応えながら、ゆっくりゆっくりゴールを目指します。ゴールはもどかしくなるくらいゆっくりしか近づきませんが、それでも確実にその距離は詰まってきます。そして・・・。
両手を高く上に伸ばしながらゴールしました。足元はおぼつかないながらも回れ右をして深々とお辞儀をします。本当に苦しいレースでした。
完走メダルを首にかけてもらい、フィニッシャータオルを受け取ります。そしてすぐに公園内に行き腰を下ろしたいところですが・・・ここから先は大渋滞でした。大通公園までの動線は一方通行で決められていますが、これがほとんど動きません。その場に立って待つよりありませんでした。
この渋滞を抜けるのにどのくらいかかったでしょう。ずいぶん長時間かかったような気もするし、それほどでもなかったような気もします。意識が朦朧としていたようで、よくわかっていません。
渋滞を抜けて水をもらい、おにぎりをもらいます。ゴールで応援してくれていたライカンさんとも合流し、ゆっくり東に向かいます。ゴールの8丁目から荷物を預けてある5丁目に向かい、それから完走証交付場所の2丁目に向かいます。ボロボロになった体にとってはこれが大移動です。
2丁目で完走証を交付され、先にゴールしているはずのOgakunに電話をします。ところがつながりません。仕方がないのでそのまま2丁目で待っています。やがてOgakunから電話がかかってきましたが、どうやらまだ更衣室にいるようです。はるかに前を走っていたと思っていたOgakunですが、彼もやはり35kmで失速したそうで私とのタイム差は6分くらいだったそうです。
やがてOgakunも2丁目にやってきて無事に合流します。ここでいったんライカンさんと別れて、Ogakunとともにホテルに向かいました。(つづく)
(1)チャレンジ
(2)対決前夜
(3)青い空と黒い雲
(4)隙間がない
(5)許容範囲
(6)併走
(7)5分台を維持
(8)ゲリラ豪雨
(9)再会