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  ホーム >> frunブログ集 >> レース後の 輝く夜に 君がいる〜2013北海道マラソン完走記6

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feed レース後の 輝く夜に 君がいる〜2013北海道マラソン完走記6 (2013-9-2 21:21:33)

(6)併走

 このあたりは復路でも反対側の車線を走るコースとなります。復路では残り5kmとなって苦しくなるところ。その復路側の給水所にいるボランティアスタッフの皆さんも、懸命に往路に向かって「いってらっしゃ〜い」と声援を送ってくれます。そうです、なんとしてもここまで帰ってこなければなりません。北海道マラソンに初めて出たときも、こうした声援に「必ず帰ってくるからね〜」と大声で応えながら走ったものです。

 新川通を右折して琴似栄町通に入り、さらに左折して新琴似2条通に入ります。琴似栄町通を走るのは短い区間なのですが、これが復路ではとてつもなく長く感じます。さて今日はどう感じるのでしょうか。

 腰はじわじわと痛み始めています。でもまだ走りに影響が出るほどではありません。ただ痛み止めを使い忘れたということがどうしても引っかかってしまいます。そうするとなんだか痛みが広がってくるような不安が大きくなります。そのことはできるだけ考えないようにしながら走ります。

 16kmは5分33秒、17kmは5分30秒とまずまずのペースを刻みます。やがて前方にFMアップルのN社長を発見しました。N社長に並びかけると、

 「息子、すぐ前にいますよ」

 と教えてくれました。えっ?と思って前方を見ると、確かに10数m前に目立つウェアのOgakunの姿がありました。CブロックからスタートしたOgakun。あとで確認したところ、彼のスタートロスは3分03秒でした。スタート地点でついていた1分26秒の差をほとんど詰めたことになります。慌てて追いつくことなく自分のペースを守って走ろうと思っていたのですが、徐々にその差は詰まりやがて追いついてしまいました。

 反対側の車線には先頭のランナーもやってきました。いつもは西野屯田通に入ってからすれ違っていたのですが、今年は新琴似2条通ですれ違ってしまいました。先頭ランナーのペースが速いのか、あるいは私の方が遅いのか・・・これまでのペースを見る限り、後者でしょうね。

 そんなことにもちょっと危機感を覚えながら西野屯田通に入りました。空はますますどんよりと曇っています。ときどきパラパラと降ってくる雨粒を感じ、「ついに来るか」と覚悟を決めるのですが、それ以上は降ってこないという状態が続きます。暑くなっていないのは残念ですが、ここまで雨が降っていないというのは大変ありがたいことです。

 18kmは5分44秒、19kmは5分41秒と若干ペースが落ちましたが、まだ4時間ペースで走っています。新川通に入っても、Ogakunとの併走はずっと続きます。Ogakunも落ちていくかと思いましたが頑張ってついています。

 やがて20km地点を通過しました。ラップは5分39秒と維持しています。ここまでのタイムは1時間58分02秒です。この間の5kmは28分07秒とまずまずのペースで走れています。問題はこのペースがどこまでもつかです。腰の痛みに加えて右膝にも痛みが出てきているのが不安材料です。さらに右のふくらはぎもかなり張ってきています。

 20km地点を過ぎると給水所と給食所があります。バナナが配布されているのですが、丸々1本渡されます。半分か3分の1くらいでいいのですが・・・。渡されたバナナの皮を全部むいて皮をゴミ箱に捨て、あとは少しずつかじりながら食べます。そんな慌しく給水と給食を取りましたが、21kmラップは変わらず5分39秒でした。

 21km地点の先には中間点があります。中間点の通過時間は2時間04分13秒でした。ここからスタートロスを差し引いたネットタイムは1時間59分44秒。このままのペースで走りきればネットで4時間を切ることはできます。

 気がつくとOgakunの姿がありません。振り向くと少し離れて走っています。あとで確認したところ、中間点では15秒の差がついていました。給水や給食で差がついてしまったのでしょうか。Ogakunとのガチンコ勝負を考えるとここは一気に突き放すべきでしょうが、私はここで待つことを選んでしまいました。レース後に振り返ってみると、ここが大きなターニングポイントだったのかもしれません。

 やがてOgakunは追いついてきて、再び併走が始まりました。ペースを落としたため、22kmのラップは5分54秒となりました。

 ここからまた5分40秒ペースに上げようと思ったのですが、なかなか思うようにペースは上がりません。足が徐々に動かなくなってきています。昨年は新川通に入ったあたりで足が動かなくなり、中間点付近からすでに失速が始まりました。そんな昨年と比べたら今年の方がいい状態で新川通に入っています。昨年の記録を上回るのは間違いないと安心して走ってきました。でもこの状態はちょっと不安を感じさせます。

 不安といえば天候も不安です。新川通をまっすぐ石狩湾方向に向かって走っているのですが、行く先には真っ黒な雲が広がっています。そればかりではありません。

 「おい、いま、光ったよな?」

 「うん、光ったね」

 そして遠くから「ゴロゴロゴロ・・・」と重低音が響いてきます。

 走っているときに当る雨は嫌いです。雷は走っていようがいまいが大嫌いです。早く走り終えてしまいたいのですが、体は言うことをききません。それどころか一度ペースを落としたせいでしょうか。それともそろそろ限界が近づいてきたせいでしょうか。5分40秒ペースに戻そうと思ったのに、ペースが上がっていないように感じます。案の定、23kmのラップは5分47秒までしか上がっていませんでした。

 Ogakunを待つためにペースを落としたのか、あるいはペースが自然と落ちたからOgakunに追いつかれたのか、自分でもわからなくなってきました。(つづく)


(1)チャレンジ
(2)対決前夜
(3)青い空と黒い雲
(4)隙間がない
(5)許容範囲



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