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  ホーム >> frunブログ集 >> 宣言と ちょっとちょっとの 差で走る〜第35回オロロンライン全道マラソン完走記3

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link Road to SAROMAN BLUE Road to SAROMAN BLUE (2024-10-10 15:00:05)

feed 宣言と ちょっとちょっとの 差で走る〜第35回オロロンライン全道マラソン完走記3 (2013-8-5 22:44:18)

(3)苦しむ前半、怒涛の後半

 スタートは気持ちだけ抑えていこうと思いました。抑えているつもりでもどうしてもオーバーペースになりがちです。今日の体調ではオーバーペースになってしまうと最後までもたないかもしれません。前半は抑え気味で後半にペースを上げるような走りをしたいと思いました。

 左前方にいたカメラマンの前は笑顔で通過します。けっしてカメラを意識したわけではありません。笑顔で走ることでリラックスをしてオーバーペースを防ごうという考えです。

 過去2年と比べるとリラックスしたスタートになったことでしょう。前2回はいずれも10番手前後で最初の交差点を右折しましたが、今回はもっと後ろにつけています。でも軽く走っているから余裕があるかというとそうではありません。朝からくしゃみと鼻水の攻勢に見舞われ、明らかに風邪をひいている私です。抑え気味に走っているつもりなのに、呼吸が苦しいために結果的にいっぱいいっぱいのペースとなっています。さらにペースを落とさざるをえませんでした。

 まだスタートして数百mだというのに、先頭ははるか彼方にいます。コースの先は左にカーブしていますので、そこで自分の順位をだいたい確認することにしました。すると22、3番目といったところです。いまのところちょうどいい順位です。

 でもスタートしてから徐々にペースを上げてきたランナーたちが次々と私を抜いていきます。私はなすすべなく抜かれていきます。

 先週の6時間リレーマラソンで、2kmを9分22秒とか23秒といった、おおむね今日の目標タイムに近いペースで走れたのが2周回ありました。そのときのペースと比べると、体感的にはかなり遅く感じます。

 約1km走ると国道232号に出ます。すると羽幌大橋に向かい、だらだらと上りとなります。そして橋を越えてからも上っていきます。ここから折り返し点までは、緩やかなアップダウンを繰り返しながら上り基調で進みます。走るのがつらく感じてきた私を、後ろから来るランナーが次々と抜き去っていきます。その中には10kmの選手の後ろからスタートした6kmの選手もいます。

 スタート直前から薄日がさして蒸し暑くなっています(10時の気温は22.5度ですが、湿度は80%ありました)。4kmの折り返し付近にある給水所で水をもらいました。10kmという短い距離のレースですから、過去の2回は水をとったことはありませんが、今回はきっちりと水分補給をしておこうと思ったのです。給水所の先でゴミ袋を持っていたスタッフにお礼を言って袋の中にコップを捨てます。そしてまた先を急ぎます。

 でも水を飲んだからといって劇的に回復するわけではありません。私のペース自体はまったく変わりません。そんな私を1人、また1人と抜いていきます。

 6kmの折り返し地点で私の前を走るランナーも何人か折り返していきます。失格になってもかまわないからここで折り返したいという気持ちもありましたが、もちろんそんなことはしません。あと7kmと思ったら気がめいるので、折り返し点まであと2kmと自分に言い聞かせます。折り返し点まで行けば、帰りは下り基調なのでいくらか楽に走れるでしょう。

 やがて反対車線には先導車に導かれて2人のランナーがやってきます。その後ろからもポツポツとランナーの姿が見えます。自分の順番を確かめるため、私は数え始めました。

 10人・・・20人・・・まだいます。目標の23番目まではまだかなり遠いようです。27、28、29・・・30番目が私でした。さすがにここから復路の5kmで7人を抜くのは・・・。でもこのままでは宣言タイムよりかなり遅いことは間違いありません。ここから入賞を狙うにはペースアップは必須です。

 折り返してしばらくは緩やかな上り坂です。ここから試しに少しペースアップを試みます。すると前のランナーとの差が少し詰まり始めます。よし、このペースで行ってみよう!

 折り返してすぐ給水所があります。ここではスポンジのみを受け取り、首筋に冷水をかけます。使い終わったスポンジは短パンのポケットに入れて前のランナーを追い始めました。

 やがてコースは下りになります。私のペースもちょっと上がります。でも前のランナーのペースも上がります。その差は急激には縮まりませんが、少しずつ縮まっていきます。いいんです。これでいいんです。私が戦っている相手は前のランナーではありません。タイムです。前のランナーは、タイムを追いかけるためのガイドランナーです。

 1人、2人と抜きながら前を追いかけます。体感的には往路はかなり遅れていたはずです。復路はタイムを合わせるために調整する必要がありません。ただ全力で走るだけです。

 一度抜いたランナーに抜き返された場面もありました。でもそこでバトルはしません。今のペースを守りながら前のランナーを・・・タイムを追いかけて行きます。

 反対車線を見ると、最後尾をザ・たっちの2人が走っています。お世辞にもマラソン体型と言えない2人ですが、マイペースでしっかり走っています。応援の声をかけて私も全力で走ります。

 6kmの折り返し地点付近の給水所ではコップとスポンジを受け取ります。10kmのレースでこれほど給水所を利用したのは初めてかもしれません。先ほど使ったスポンジを捨てる余裕もなく、ここで使ったスポンジとコップ(紙じゃなくてプラコップ)をポケットに入れ、ポケットはパンパンに膨らんでしまいました。

 残り約3kmです。そろそろ足も上がらなくなってきました。でもここまできたら少しでもタイム差を減らし、入賞の可能性を増やしたいと思います。23番まで少しでも近づけましょう。

 足はつらくなっていますが、少しだけペースを上げます。1人、また1人と交わします。先ほど抜かれたランナーも抜き返して、24番まで順位を上げました。

 あと1人です。でも23番のランナーとはかなりの差があります。もうこれ以上ペースは上げられません。そんな私を先ほどのランナーがまた抜き返します。そんなバトルを繰り広げながら国道232号を後にして道道に入りました。残すは1kmです。

 道道に入ると周辺の住民の皆さんが応援に出ています。その声援に応えながら走っていると、沿道型ランナーの私は自然とピッチが早まります。するとまた前のランナーを抜き返して24番に上がりました。

 でも23番のランナーとはかなり差が開きました。もう追いつくのは無理なようです。でも復路で30番から24番まで上がる怒涛の走りができたことで、入賞の可能性が出てきたかもしれません。最後のひと踏ん張り。このままの走りをキープしてゴールを目指します。

 最後の交差点を左折すると、ゴールまで300mもありません。そのままのペースでゴールを目指す私の背後から足音が迫ってきます。こちらもスパートをして逃げようかと一瞬思いましたが、この歳になるとゴール前の無理なスパートは危険です。そのままのペースを守りました。

 ゴール直前、私は交わされて25番目に落ちました。でも今の自分なりに精一杯の走りができた私は、いつものように両手を高く上げてゴールしました。(つづく) 


(1)天候と体調不安
(2)目指すは23番目



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