（４）ペース感覚を磨く

　1巡目は12分走りでファンランの流れを作ることを目標としました。この2巡目は9分25秒で走ることを目標としました。

　来週のオロロンライン全道マラソンで10kmを走りますが、この大会は宣言タイム制です。私は47分05秒でエントリーしました。これを2kmに換算すると、9分25秒になります。時計を持たずに走っていますので、体にペースを刻み込むいい練習となるでしょう。1巡目と違って今度はリミッターを外して駆け始めました。

　リミッターを外したとはいえ、全力で走るほどのペースではありません。このあたりのさじ加減が難しいところですが、まずは気持ちよく走ったらどのくらいのペースになるかを試してみようと思いました。

　しかしこの気持ちよく走るというのは難しいことです。けっして全開で走っているわけではないのですが、かといって楽に走れているわけではありません。7度の傾斜を上り終えた頃にはもう苦しくなってきました。

　しかも1走目と違って遅いチームのランナーは周回遅れにされながら前を走っています。速いチームのランナーは周回遅れにしながら後ろからやってきます。抜いたり抜かれたりという場面が続きます。前が詰まるとしっかりと後ろを確認し、後続との差が十分にあると判断したら右手をちょっと横に出して後ろのランナーに合図をして右に進路変更をします。そして追い越したら左後方を確認して左手で合図をしてから左に進路変更をします。

　そのように注意深く進路変更をしたつもりでも、ときおり私が右に進路変更した直後に高速ランナーが左から抜いていくことがあります。後続ランナーのスピードを読み間違えたことが原因でしょう。まだまだ抜かれ上手への道は遠いようです。

　後半になるとますます苦しくなります。でも一生懸命に走っている割にはスピードに乗っているような感覚はありません。力をスピードに変えることがうまくいかないもどかしい走りです。

　そんな納得のいかない走りのまま、アリーナに戻りました。リレーゾーンにさちこさんの姿が見えずちょっと焦りましたが、すぐに現れてくれたので無事にたすきをつなぐことができました。私も予想より速く帰ってきてしまったようで、叱られる対象となりそうです。

　休憩スペースに戻って自分のラップを確認すると9分22秒でした。目標としていたラップと3秒しか違いません。こう見ると自分のペース感覚が優れているように見えますが、今の周回の走りをさらに8kmも続けるなんて・・・無理です。最後はいっぱいいっぱいの走りでした。

　そのことは3巡目に明らかになります。1巡目と同じ順番で走った2巡目は、私の後も10分42秒、9分11秒、10分30秒、12分29秒、9分19秒、13分47秒と順調にたすきがつながっていきました。

　そして3巡目をスタートした私ですが、2巡目と比べても体が全然動きません。しかも右のアキレス腱に痛みが出ています。それでもまた9分25秒を目指して走ります。

　でも2巡目と比べてスピードが出ていないことははっきりとわかります。こうなると仕方ありません。このくらいのペースでどの程度のラップとなるのか。それを知ることも来週につながることでしょう。

　痛みに耐えながら、というより痛みをだましながら足を前に運びます。エイドに差しかかったときはバナナを1本いただきました。そしてすぐに皮をむいてゴミ箱に捨て、食べながら走ります。エイドのバナナはアリーナ内への持込を禁じられているので大急ぎで食べて、アリーナに入りました。

　今度はさちこさんがリレーゾーンで待ち構えているのが見えます。私はたすきを無事につなぎ3巡目を終えました。

　休憩スペースまで戻る道のりがだんだん遠く感じられるようになります。走るのも大変だけど、階段を上るのも大変です。来年はもっと早い時間から並んで下段の方に場所をキープしなきゃ・・・そんなことを考えながら階段を上っていました。

　ラップを確認すると9分49秒です。10kmに換算すると49分05秒ですからちょっと遅すぎます。アキレス腱が痛かったから仕方ない・・・と自分に対して言い訳をしますが、どうもすっきりしません。次の周回こそは取り返したいと思いました。（つづく）


（１）2度目のリレーマラソン
（２）第1走者
（３）速すぎて叱られる