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またしても ゴールが遠い サロマみち〜第28回サロマ湖100kmウルトラマラソン未完走記6 (2013-7-12 22:48:56)
(6)初めてのピンチ
そんなに昨年以上の貯金を作っていることに気づいていない私は、トイレからコースに復帰した後も快調なペースで走ります。
20km過ぎのエイドには食べ物も出てきます。昨年は痛み止めを飲んでスタートした影響か、胃の調子が悪くて特に前半はあまり食べられませんでした。でも今年のスタート前に使った痛み止めは座薬です。そのためかここまで胃の調子は問題ありません。ありがたくバナナをいただきました。
往路を走るランナーは徐々に少なくなっていき、やがて終末車も走っていきました。すると往路側にある日陰を求めてそちらを走るランナーが増えてきます。私もそちらに行き日陰を走りました。
でも両側に広がる形で走っているとときおりやってくる大会関係車両の通行に支障をきたしているようです。私は日陰を離れ、それ以降は左側車線を走りました。
20km過ぎまでは順調でしたが、このあたりから少しずつ腰の痛みを感じ始めます。ついにやってきたかと思いましたが、ここまではまったく痛みを感じずに走れたのですから悪くはありません。しかもまだ痛み止めは十分に効いていますからそんなにつらい痛みでもありません。「大丈夫、この痛みは気のせいだ」と自分に言い聞かせながら走ります。
日なたを走っているせいか、だんだん暑さを感じるようになります。でも時刻はまだ午前8時前です。まだまだ涼しい時間帯です。今年はやはり暑くなりそうです。
25kmの通過タイムは2時間51分20秒でした。この間の5kmは36分ちょうどです。トイレのロスタイムは計っていませんでしたが、多少並んで待ちましたので2〜3分はかかったと思います。相変わらずいいペースを保っているようです。
このあたりで同じLRS北海道のアオイちゃんと一緒になりました。二言三言、言葉を交わしながら遠くのゴールを目指します。
やがてコースはいったんサロマ湖畔を離れます。このあたりはさまざまなチームからの応援の人たちが詰めかけていて、パワーをもらえるところです。りんごちゃんとたまちゃんからの応援も受けることができました。
腰の痛みは出たり引っ込んだりしていますが、いまのところ走ることに影響はなさそうです。周りの流れと比べても自分が特に遅れているという感じではありません。ここまでは順調にきています。
30kmの通過タイムは3時間25分26秒でした。この間の5kmは34分06秒です。若干遅くなっていますが問題となるような遅れではありません。
30km地点を過ぎてまもなく給水所があります。そしてここには一番手前側にスペシャルテーブルもあります。私は特にスペシャルドリンクは用意していませんが、エイドスタッフの中学生でしょうか、テーブルのかなり手前まで出てきて「スペシャルドリンクがある方はいますか」と大声を張り上げています。そしてそれに応える人がいると、そのランナーのナンバーを大声で告げています。するとその数m先にいるスタッフがまたそのナンバーを告げるという形で声のリレーをしていました。スペシャルドリンクを用意しているランナーにロスなく渡すための工夫でしょう。こうして私たちはすべてのスタッフの皆さんの力を借りて走らせてもらっているということを改めて強く感じた光景でした。
給水所のたびに口を湿らせながらきていますが、かなりのども渇いてきました。いくらのどが渇いたといっても一気飲みはいけません。意識してちびちびと飲みました。
広い畑が広がる光景の中を走りながら国道に出ます。すると突然、このあたりで異変を感じ始めました。右膝から激しい痛みを感じ始めたのです。
20km過ぎから腰の痛みはマークしながら走っていました。だましだまし走りうまく封じ込めてきたつもりです。膝痛自体は、特に右膝痛は昔から付き合っていますから、対処には比較的慣れています。
ところが今回の膝痛はいつものとは違っていました。膝の奥の方から激しい痛みが襲ってきます。ペースを維持することは難しくなり、スピードを落とすことを余儀なくされました。
ペースを落とせば痛みも楽になるだろう。そうして復活したら徐々にペースを戻していこう。そう思いました。
でも思うようにはいきません。ペースを落としても痛みは軽くなりません。ちょっと焦る気持ちも出てきました。
痛み止めが切れたときに飲もうと思って持ってきた薬を飲むか?いや、まだ早すぎます。これは後半どうにもならなくなったときに飲もうと思って持ってきたものです。まだ飲むわけにはいきません。現に腰の痛みはさほどではないし、右手首はまったく痛んでいません。間違いなく薬は効いています。効いているのに右膝は痛んでいるのです。
35kmの通過タイムは4時間01分07秒です。この間の5kmは35分41秒と時間がかかるようになってきました。ここまで順調に来ましたが初めてのピンチがやってきました。でも100kmもの長丁場を走る中では、必ず途中でこうしたピンチがあります。リタイアが続いた頃はこうしたピンチであっさりと心が折れてしまいましたが、耐えていれば復活の時がやってくることを昨年しっかりと理解しました。けっして心は折れないように自分を戒めます。
しかし・・・ペースを落としても右膝の痛みは薄れるどころかますます痛くなってきました。(つづく)
(1)8回目の挑戦
(2)感謝の気持ち
(3)長い旅の始まり
(4)これ以上ないすべり出し
(5)タイムの貯金は・・・