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またしても ゴールが遠い サロマみち〜第28回サロマ湖100kmウルトラマラソン未完走記4 (2013-7-9 22:54:37)
(4)これ以上ないすべり出し
列の動きに合わせてゆっくりと歩き始めます。この位置からならばスタートロスは3分といったところでしょうか。昨年もだいたいそのくらいだったはずです。
スタートラインが近づくと列の流れが少しずつ速くなり、ゲートをくぐるときは走り出していました。沿道を埋めている応援の人々に手を振りながら走り出しました。スタートロスは3分11秒。ほぼ予想通りでした。
淡々と列は流れていきます。そんな中であちこちから話し声が聞こえてくるのもウルトラマラソンらしさといえるでしょう。全力で走るのではなく、それぞれがリラックスをしてゆっくりと走っています。
いろいろなチームの幟を持った応援団も詰めかけています。LRS北海道からは10名のランナーが参加していますが、応援で来ているメンバーはいません。そのためそれらの幟の中にLRS北海道の幟はありませんが、孫がもう少し大きくなれば娘たちに応援に来てもらおうかとも思います。経費は莫大にふんだくられそうですが・・・。
サロマの距離表示は最初の5kmまでは1kmごとにあります。ただしその正確さには疑問符がつくところもありますが、ここで自分のペースを確認しながら走ります。
5kmを過ぎると50kmまでは5kmごとの距離表示となります。ですからこの間は自分の体が覚えているペースをいかに守っていくかが大切になってきます。
50kmを過ぎてからは再び1kmごとの表示になります。中間点を過ぎて残りの距離が1kmずつ減っていくのが楽しみになってきます。でもこれが時間とともに「1kmってこんなに長かったっけ?」と思えるようになってきます。
最初の1kmは9分41秒での通過となりました。スタートロスを引くと6分30秒です。想定ペースの上限ですがちょっと速すぎるかもしれません。やはりちょっと興奮しているのかもしれません。少しアクセルを緩めました。
早朝の静かなコースをゆっくり走ります。2kmの通過タイムは15分48秒です。この間の1kmは6分07秒?いやいや、そんなにペースが上がっているはずはありません。少なくともまわりの流れに乗っているのですから自分だけが舞い上がっているわけではありません。きっと距離表示が違っているのでしょう。自分にそう言い聞かせつつ、ちょっとペースを落としました。
やがて3km表示を目にします。通過タイムは22分50秒。この間の1kmは7分02秒です。今度は逆にそんなにペースが落ちているはずがありません。たしか昨年も3kmか4kmあたりで時間がかかったラップがあったはずです。2kmと3kmのラップを平均すると6分35秒です。理想的なペースを刻んで走っていると自分に言い聞かせます。
3km地点を過ぎるとまもなく湧別町の市街地に戻ります。時刻はまだ5時30分にもなっていません。でもこんな早朝から大勢の町民の皆さんが沿道に詰めかけて応援してくれます。いつもいつも感謝の気持ちがあふれてくる場面です。そんな沿道からの声援に応えながら足を進めていきます。
4km表示のところでも大勢の人が応援していました。その応援に手を振って応えていると、時計を止めるのを忘れてしまいました。通過してしばらくしてから慌てて止めましたが、そのタイムは30分01秒です。この間の1kmは7分11秒となってしまいました。まあ仕方がないでしょう。
コースは三里浜に向かう道道に入り、スタート直後に走ったところを再び走ります。多くの幟の中にチームねねすけの幟もあり、りんごちゃんとたまちゃんの応援に余裕の笑顔で応えながら通過しました。
5km地点の通過タイムは36分49秒です。スタートロスを除くと33分38秒。6分40秒台と、早くも遅くもない理想的なペースでしょう。無理なくこのままのペースを保って50km関門を通過できれば完走できる。私の頭の中ではそんな青写真が描かれました。
しかしこういう考え方は一昨年までと同じです。昨年はこれまでのそうした考え方とは変えて、先のことを考えないようにしていました。先のことを考えてしまうと、思い通りの走りができないと感じた時に焦りが出てしまいます。だから先のことを考えず今のことだけを考えて走ろうと、頑なにその姿勢を貫き通したのですが・・・。
5kmを過ぎても全然バラける様子はありません。緩やかなアップダウンがあるところでは先の方までよく見えます。しかし先の方までずっと人がつながっています。ものすごい光景です。
時刻はまだ6時頃です。でもすでに朝の涼しさというより暑さを感じ始めています。体からは汗がにじみだしています。でも汗が出るのは悪いことではありません。逆に走っても汗が出ないときは体温調節もうまくいかず散々なレースになってしまいます。こうしてスタート後に一汗かけるというのは体の調子がいい証拠です。私はますます気をよくしました。
やがて10kmの表示に到達します。タイムは1時間09分50秒です。3分11秒のスタートロスがありながら70分を切っているのですから快調なペースです。この間の5kmも33分01秒と、完璧なペースです。いろいろ不安を抱えて臨んだサロマでしたが、これ以上ないすべり出しとなりました。(つづく)
(1)8回目の挑戦
(2)感謝の気持ち
(3)長い旅の始まり