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絶景と うにかに合戦 満喫し〜第13回利尻島一周悠遊覧人G完走記7 (2013-6-15 23:19:26)
(7)復活を待つ
オタトマリ沼に立ち寄ったのは第7回大会以来ですから6年ぶりということになります。ここから見る利尻富士。やはり素晴らしいですね。
そしてここではもうひとつの目的があります。それが熊笹ソフトです。
この熊笹ソフトを食べるのも6年ぶりです。ベンチに腰を下ろして利尻富士を眺めながらゆっくり食べました。
食べ終えてからコースに戻ります。再び迎えてくれた台湾からの大応援団に手を振りながらレースに復帰しました。
緩やかなアップダウンを繰り返しながら次の集落である鬼脇を目指します。ちょっとオタトマリ沼でのんびりし過ぎたでしょうか、足が重く感じます。でもこれも一時的なものでしょう。走っているうちに戻ってくるはずです。
鬼脇の市街地手前に35km地点があります。通過タイムは4時間09分37秒。この間の5kmは44分35秒もかかっています。いったいオタトマリ沼でどれだけサボったというのでしょう。いくらなんでもこれはサボりすぎです。
まもなく鬼脇市街地に入り、第8エイドとなります。ここでゆっくり休もうという気持ちもありましたが、すでにオタトマリ沼でサボりすぎた身です。そんなに油を売ってばかりいられません。喉を潤してすぐに走り出しました。
エイドで応援してくれていた子供たちも併走してくれます。こちらはヘロヘロですがむこうは元気いっぱいです。しばらく付き合ってもらいました。
市街地を過ぎると徐々に異変を感じ始めます。足がどんどん重くなり、体も動かなくなってきます。それに加えて、15km地点から感じ始めていた腰痛もどんどんひどくなってきます。
鬼脇を過ぎてから鴛泊まで、もう大きな集落はありません。このあたりは体は疲れ始め、景色は単調になり、もっとも苦しさが出てくるポイントです。苦しさが束になってかかってきました。
走るペースもかなり遅くなっているようです。前を行くランナーとの差は徐々に広がり、後ろからくるランナーには次々と抜かれていきます。
距離表示は45kmまでは5kmおきです。ですから自分がいまどのくらいのペースで走っているかわかりません。それがいいのか悪いのか・・・。
ペースが落ちてきたことを自覚すると、気持ちはよけいに焦り始めます。不安になります。不安になると足や体がよけいに痛くなります。腰も痛くなります。そして心が折れそうになります。
もはやタイム的に狙えるものはありません。内容としてもサロマにつながるものは何もありません。唯一つなげるものがあるとしたら、苦しくても歩かないこと。ウルトラマラソンはレース中に苦しさに襲われることが何度かあります。そんなときにそれをうまくやり過ごして復活の時を待つ。ベテランのウルトラランナーに聞くと必ずそう言われます。ウルトラは耐えていれば必ず復活の時があると。
これまで私がサロマでリタイアしたときは、その復活を待つことができませんでした。その前に心が折れていました。
でも昨年、5年ぶりの完走をしたときは、60kmから70kmに80分以上かかるという失速を演じながら、70kmから80kmを70分台で走るという復活を演じることができました。復活を待つためにも、この苦しい時に耐えるという鍛錬が必要でしょう。私はそう思い、気持ちを引き締めました。
だけど、走っても走っても40km地点が見えてきません。このあたり、小さなカーブが連続しているためなかなか先が見えません。そろそろ次のカーブの先が40km地点じゃないか。そう期待してカーブを曲がるのですが、40km地点は見えてきません。
もしかして見落としたか?いやいや、たしか昨年もそう思いながら走ったけど見落としていなかったはず。この35kmから40kmは、いつもとても苦しい思いをするところです。第10回大会でQちゃんと一緒に走った時だけはこの間も愉しく走れましたが・・・。
カーブを曲がって落胆するたびに腰の痛みが増してきます。いや、これはきっと気のせいでしょう。今までもそうです。走っている最中に体が苦しくなって足も痛くなることがあります。そういうとき、足の痛みに耐えられなくなってレースを諦めることもあります。ところが不思議なことに、レースが終わるとともに足の痛みが薄らぐこともよくあるのです。心が折れたことをごまかすために痛みに姿を変えて、自分で自分を騙しているのです。
100kmを完走するためには、それに負けてはいけません。自分の弱さが作り出す痛みの幻想にごまかされてはいけません。私は痛みと戦い続けました。
いくつかのカーブを曲がり、ようやく40km地点が見えてきます。苦しい5kmでした。でもどうにか走らずにここまできました。
大丈夫、あとたったの15kmです。こうして耐えていればそのあとに復活の時がきます。そうしたらしっかりとペースアップすることもできるでしょう。
ところが事態は私が思っている以上に逼迫していたのです。(つづく)
(1)乗りつぶしの旅
(2)かにでスタート
(3)うにの利尻富士
(4)言い訳無用のコンディション
(5)拾活のはじまり
(6)加油!加油!
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