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feed 【尾高忠明・藝大のR・シュトラウスプロを聴く】 (2013-5-24 12:31:36)
5月23日 奏楽堂。

曲目は「変容」と「英雄の生涯」。2曲ともベートーヴェン「英雄」と深く関連性がある作品ですね。

「変容」のコンミスは二瓶さん、「英雄の生涯」のコンマスは戸原さん。共に藝大を超えて有名なお方。
尾高さんの「英雄の生涯」に接するのは、N響定期以来です。


さて、今回、まず「変容」は、全体的に繊細で、今にも崩れ落ちるのでは?と思うほど、線の細い演奏でした。
各人の高度な技量を感じました。


休憩後、「英雄の生涯」。ホルン11名の堂々とした「英雄」のテーマは、あまりにも鮮やかで、学生オケの枠を超えていました。
弦楽器群の音色も抜群。この「英雄」を聴いただけで、もう名演間違いなし!と感じました。
R・シュトラウスの交響詩はとにかく弦楽器群が抜群でないと、聴けないでしょう。


また藝大オケは伝統なのか、要所要所で僅かにチェロパートが先に出ます。毎回、聴く度に感じます。昔のベルリンフィルのように。


「英雄の敵」における木管群、そして戸原さんのソロも安定。


「英雄の戦い」ではトランペットが一音も濁ることなく、快音!(男性3人・女性2人)、打楽器群も心の奥底から鳴らしている感じ。
全楽器群が強奏する部分でも弦の音色はかき消されることなく、奏楽堂全体が揺れ動いているかのような圧倒的な演奏を示してくれました。

ただ若さ、パワー全開で演奏するというのではなく、冷静に演奏。

「英雄の引退・死」ではヴァイオリンの清らかな音色に感激。目頭が熱くなりました。


そして終末へ。ソロホルン(女性)とコンマス.戸原さんと、あたかも恋人のように、寄り添いながら演奏し 、曲は終結。

数秒間、沈黙。


そこから静かに拍手!...と期待したものの、その沈黙を破ったのが、「ブラボー」のオヤジ声でした。がっかり。
周辺の方々も、「なんで、言うかな..」とため息。本当に残念。


本当に、我先にブラヴォー!!というのは辞めて欲しい。




尾高さんは来月、再び藝大オケと共演。今度はブルックナー第7番等。また藝高オケも振ります(ベートーヴェン2番)。
尾高さんが高校オケを振るのは珍しいと思います。

今回、素晴らしい演奏をしてくれた藝大生も、ここまで来るには、一人一人、相当な努力があったことと思います。
更に研鑽し、日本の音楽界を引っ張って欲しいと思います。

今年の日本音楽コンクールにも精鋭が挑んでくることでしょう。楽しみです。


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