メインメニュー
frunデータベース
サイト情報
サイト運営者
ユーザ登録数:1009名
|
投稿者 |
トピック |
むぎ |
投稿日時: 2007-5-10 16:28 |
- 登録日: 2007-3-29
- 居住地: 東京、時折秋田
- 投稿: 396
|
- 熊野古道・中辺路、むぎ
- 世界遺産の熊野古道、その中の『中辺路(滝尻〜熊野本宮)』と『外辺路(見老津〜周参見)』(完歩記は省略)を歩いて来た。夫婦共に走っているとは言え未知の行程、トータル約55キロほどを余裕を見て正味3日間の旅路である。前夜南紀白浜空港に降り立ち、宿の迎えで宿へ。南紀名物の鯛料理などを戴き、明日からの熊野古道への期待と不安を抱きながら早々の就寝とした。
早めの就寝の為か遠足期待からか(年齢の為か)、早々と目が醒めた。今日の昼弁当調達を兼ね近くの千畳敷を散策、朝日に輝く素晴らしい景観と好天に、これから行く古道への期待が膨らむ。熊野古道入り口の滝尻まではバス、タクシーよりは安いのだろうが結構な金額。入り口のベンチに座っているはっぴを着たガイドさんに挨拶、長丁場を励まされていよいよ古道へと入る。
いきなりの急登り、はやる気持ちを抑えて一歩一歩登る。苔に薄っすら覆われた崩れ掛けの石段、木の根が地表一面にうねうねと盛り出している小道。枯葉で覆われふかふかした絨毯道、視界の効かない鬱蒼とした杉林の道など、様々な表情を持つ熊野古道にホトトギスの鳴き声に励まされながら取り掛かった。
滝尻からは500m毎に番号標識が立っている。他にも随所に「←熊野古道→」の様な道案内やら次の「**王子」までの距離案内板が立っていて判り易い。今日の宿泊最寄地の「継桜王子」までは大体18kmの行程、なかなか増えて行かない番号標識に心持ち足取りが速まる。番号で2番・1キロほど進入した頃からは追い越す人も居なく、聞こえるのはほとんど鳥のさえずりに、現実から離れて歴史の奥へ奥へと吸い込まれて行く様だ。
山の稜線に出てからは緩い上り下りの快適な道が続き、路面状態が許せば小走りも出来る。熊野古道を歩くと決めてから毎朝のジョグ練習に一層の力が加わった妻も気持ち良さそうに小走る。妻を追う私も、古道を一緒に歩ける喜びと強くなった足取りに気持が高揚する。森を抜けて空が開けたり、せせらぎ沿いの森に戻ったり、堤のように周囲から盛り上がった道になったり、トンネルのように周囲が草と木々で覆われていたり、苔むした石畳の坂であったり、飽きる事無い道である。
車の音が少しずつ大きくなって、時折軽装の方々に出会う様になって、一般道との接点に出る。見れば牛馬童子の道の駅、観光バスまで止まっていてなかなかの賑わいだ。古道入り口の標識版前では、ガイドさんが観光客に古道の色々を説明している。そんな方々を避けながら道の駅のトイレに向かう。我々の姿を皆さんが目で追っているのが解かる、別の人種を見る様に。
再び古道に戻って、観光客をパスしながらズンズン進む。ちょっとしたら視界が大きく開け、眼下に日置川沿いの集落が広がって見える。暫し休んで再び「←熊野古道→」に従って進むと、集落に向かって稜線を下りて行く。一般の舗装道路に出てしまったが、そのまま標識に従えば橋を渡って「近露王子」(26番表示・13km)であった。ここからは集落の中を進み、先ほど下りて来た稜線と川を挟んだ反対側の稜線に向かう。
上ったり下ったりと比較的なだらかな古道、それも舗装路の比率が多くなり奥深い山道と言うより里の道の風情。快調に歩を進め「野中の清水」の表示が見えて「継桜王子」到着となった。ここの「とがの木茶屋」はテレビなどでも度々紹介されている茶屋、折角なので「半殺し団子」を戴く。1本300円と観光料金だがその分じっくりと味わった。本日の宿はここから連絡すれば迎えてくれる事になっていたが、未だ日も高かったので歩いて向かった。途中「野中の清水」で喉を潤し宿まで2k程、トータル約20km・6時間程度(休憩込み)であった。
2日目は06:00朝食、「継桜王子」まで送って戴き「野中の一方杉」をもう一度眺めてからのスタート。06:50と早いのにもう観光客・キャンプ客が散歩していて、連休の最中だと言う事を実感。ここから4km弱は舗装路で情緒なし、その代わり歩き・小走りし易く、速い。熊瀬川王子を過ぎてからは熊野古道らしい雰囲気に、道は険しいものの自然と気持ちは高ぶる。湯川川支流沿いに進む所は鼻歌も出ようかと言う心地良さ、蛇形地蔵で休息の後三越峠に登り出る。ここで我々より小1時間ほど早く出発の若いカップルをパス、我々中年族はせっかちなのか?と思いつつ。
峠を下ると音無川(女優・音無さんの名前の由来)の林道に。川に流れる八重桜の花びらを愛でながら進むと、美観を損ね無駄にも思える護岸工事場所なども。ちょっとがっかりしながら「発心門王子」に上り着き舗装路に、ここからも歩き易くスピードアップ。いかにも日本の里と思わせる里を進んでいると茶店が目に入る、ちょうどお昼時だったので入る事に。
なんと缶ビール(発泡にあらず!)が冷えたグラスと共に出て来て200円!!おつまみに小さなお煎餅まで! それではおつまみにと、煮込んだコンニャクと旬の筍を一皿づつ注文、会計は一皿100円!!大きくて旨い!! しかも、「お弁当を広げて下さいね」と優しいお言葉、いやぁ感激・感激。宿で作って貰ったおにぎり弁当を戴いたのでした。最後に小さなチョコと飴までくれて、、、お姉さんが輝いて見えました。
程なく「伏拝王子」を過ぎ、久し振りの山道。観光客らしい人通りも増えて来て終着・熊野本宮大社が近い事を伺わせる。気持ち、山の鬱蒼さが少なくなって来た様に思えるのは気のせいだろうか?などと思いながらだらだら下りを快調に下っていると、「ちょっとよりみち・展望台」の手書き看板。元来寄り道好きな者にはそそる表現、わき道に入り登る。少しの行程で展望台に、そこには観光客と説明するガイドさんと添乗員さんたちが大勢。掻き分けながら見通しの効く所に行くと、大きな鳥居が眼下に見えるのでした。もう大社はすぐそこ。
更に下って下って山を抜け、民家が見えて一般道へ降りる。民家の横を過ぎて行けば大社の裏鳥居、遂に熊野本宮大社に到着! 大社の正面に回って中へ、多くの観光客が4箇所の拝殿に参拝待ちの行列を作っている。順番を待って我々も参拝、ここでもちょっと浮いた存在だった。ここでちょっと面白い光景に出会いました。3人の係りの方が順にお賽銭を回収している光景、思わずシャッターを切りましたが、罰が当らなければ良いのだが。結構重そうだったなぁ。 以上本日出発してから6時間・22kmの行程でした。 ---------------- むぎ
|
|
スレッド表示
|
ログイン
|