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9.ウルトラマラソンの部屋 : SDAおんたけウルトラトレイル100km 報告

投稿者 トピック
まるトラ
  • 登録日: 2009-4-13
  • 居住地: 北海道全域
  • 投稿: 184
SDAおんたけウルトラトレイル100km 報告
あららら、レスが遅れて受付台が削除されたみたいですね。
どうも失礼しました。
報告はこちらにしようと思っていました。
どうもすみません。

改めて、標記のレース報告致します。
超長文ですので、あしからず。


start 午前0時 王滝村小中学校グラウンド

事前のコース説明で崩落箇所迂回のためにコースが一部変更に成った事が伝えられた。
お昼の受付の時は103kmと聞いて居たのになんと105.7kmと発表された。
100km走った後にさらに5kmもオマケを付けてくれる! なんて良い人(笑)
御嶽山神社の宮司によるお祓い(ここは信仰の山)を受け、選手全員で2礼2拍1礼(だったかな?)と真っ暗な中御嶽山方向に拝礼。

午前零時、カウントダウンの後スタート、ゲートを過ぎる辺りから皆走り出す。
ここから3ー4km程度アスファルトで、その後林道に入る。
約11kmまではひたすら登る。
標高差にして約600m余り
さほどきつい傾斜では無い、なんたって自転車で登れるコースだから。

10km地点通過1時間10分、って事はキロ7分、運動強度も心拍数150台に抑えて居るのでタイムは悪くない。
体調が良い証拠だ。
40kmの第一関門もこの4倍とすれば4時間40分なので目標の5時間いないはクリア出来そうだ。 とここまでは絶好調だったな、今思えば。
崩落箇所を避けて河岸沿いの林道まで大きく下る。
下りながら心拍数を130台まで落としてレストモードで走る。
腕のGPSによればキロ5分台で下って居るようだ。
皆はここぞとばかりにスピードを上げ、抜いて行く。
いくら抜かれても気にしない、自分は時計とレースして居るのだから。
とにかく長丁場なので序盤での消耗は避けなければならない。この心拍数をキープ出来れ問題無い。

再びアスファルト道路に出て、平坦な道を行く、ここはスピードを上げて時間を稼ぎたい場所なのだが、思う様にペースが上がらない。
キロ6分台の後半かな? 時間は夜中の2時近い。 自分のもっともパフォーマンスの落ちる時間帯だ。 そのせいだと思う。
22kmの小エイドで水分を補給するが混んでいて紙コップ2杯しか貰えない。
ハイドロパックに補給出来なかったのは誤算だったな。

再び山中に戻るために登りの区間に差し掛かるが、せっかくさっき稼いだ高度をまた稼ぐのはちょっとうんざりする。 全くスピードが出ない。 眠い。 丑三つ時を過ぎて身体が寝て居る様だ。
登り終わってグチャグチャの泥道や藪のアップダウンに入った辺りから異変に気がつく。
違う、眠いせいじゃ無い。 下りのスピードが全く無い、というか出せない。
コースは藻岩山で夜間修行した時と同じ様などちらかと言うと得意なシチュエーション。
靴もグリップ重視の軽量スピードタイプで軽快に泥道を走れる。 が、何かが違う。
脚にダメージを感じる。 そのせいで思い切ってスピードをあげられない。
簡単に言うと痛むのだ。

結局第一関門に到着したのは予定より一時間も遅れた午前5時40分頃。
なんてこった! この距離でこの有様では到底目標の12時間台は無理。
しかも、予約した帰りのバスにも間に合わないかもしれない。 マズイ。

この後は道が広くなり、山道と言うより普通車でも走れるほどの林道に成った。
本来ならば大喜びで走り抜ける所だ。 距離もわずか40数キロしか来ていないんだし。
しかし、全く走れない。 後半が余りにも痛かったのでここがどう言う苦しみだったのか全く思い出せないが、気力を振り絞っても走れなかったのは事実だ。
もちろん体力的には全く問題は無い。 バテるほど追い込んだ区間は皆無だから。

目標達成が無理と判断し、50kmを前にして早々にリタイヤを決定する。
次にスタッフが現れたらリタイヤを宣言してとっととバス停に向かおう。
52kmの小エイドでリタイヤ申請するも此処から帰る道は無いと言う。
地図に載っている道は土砂崩壊で使用不能、リタイヤするならば更に18km登った第二チェックポイントからの方が早いとのこと。
しかし、どちらにしろ回収車は最終走者を確認した後撤収作業を終えてからしか出ないと聞いて、どの道バスには間に合わない事を知る。
バスに間に合わないのであればリタイヤする意味は無い。

覚悟を決めて最後まで走る事にする。
バス代は捨ててもう一泊余分に宿泊代がかかるが、引き換えに完走を手に入れる事が出来る。
時間は未だ朝の8時。
制限時間までは12時間もある。 山道を頑張って歩いて5kmで1時間。
残り約50kmならば10時間で完走(完歩)出来る算段だ。 辛いけどね。

小エイドでスタッフとリタイヤするのしないのと本部に無線で経路確認してもらったりしてたもんだから、30分近く休んだ事になる。
なんと、一時的に足が復活した!
サロマ湖100kmマラソンでも同様の経験がある。
マラソン用のターサーで挑んで、50km手前で足の痛みで歩くハメになり、リタイヤを覚悟したが、55kmエイドの緑館で預けていた練習用のヘタった厚底の靴に替えたら復活!
結局10時間台で完走出来たというもの。
今回もおそらく替え靴を持ってきていれば違った結果になったのかもしれない。

ともあれ、一時的にしろ走れるようになった。 第二チェックポイントまでは無理でも走れるところまでは走る!
平坦区間は6分を切るまでに復活した。 ごぼう抜きである。 とてもリタイヤ申請した人間とは思えない、あくまで一時的だけどね。
8kmほど走って本格的な登りに差し掛かったあたりから、そろそろメッキがはげてきた。
しかし、走ったおかげで第二チェックポイントまで3時間を切ることが出来た。
歩けば4時間はかかった行程である。

25分ほど休んで、11時半に出る。 第二チェックポイントは70km地点にある。 残りたったの35kmである。
平坦ならばゆっくり走って3時間半、だが高低差100m単位でアップダウンを無数に繰り返す山道を歩けば頑張って5kmを45分から1時間。
ゴールまでは”たったの”7時間である。(苦笑)

ここからが本格的な”苦行”の始まりである。
登りはまだ良い、足がさほど痛まないから。 問題は下りである。 これが痛い! 一歩つくごとに激痛が足裏から脳天につき抜ける様だ。
おまけに広い林道とはいえ、石がゴロゴロしていて、気を抜くと足首を捻挫しそうになる。 また、靴底が薄いので、石の角で足底筋を痛めそうになったり、それ自体が痛くもある。
徹夜で走ってきているので道端で仮眠をとるランナーたちもぼちぼち現れる。
が、自分は痛みと路面に集中せざるを得ないので、眠くなどならない、いやなれない。

天気は憎らしいほどに快晴! カンカン照りで気温は高いが風があるので助かる。 エイドは少ないが、天然エイドと看板の建っている流水があちこちにあり、水には事欠かない。
これがまた、素晴らしく冷たく、素晴らしく旨い!!
北海道は全域がエキノコックスの指定地域になってしまい、山の水は飲めないが、ここは違う。 昔の北海道の様に甘露の美味しい水があちこちにふんだんに流れている。
美味しい水!
地獄のトレイルで唯一の天国を味わう瞬間。

登りでごぼう抜きして、下りでごぼう抜かれして、を延々と繰り返す。
日が傾き、夕暮れも近い。 
まったく同じ行動を、同じ痛みを、かれこれ5時間以上も繰り返している。
90kmを過ぎ、まわりは再び走り出す。 
が、歩くしか出来ない自分にはあと2時間がなかなか過ぎない。 歯がゆい思いと、もういい加減に苦痛から開放してくれ!という思いが交錯する。
ご丁寧にこのコース、最後は高低差450m、6kmにも及ぶ急な下りが続くのだ。 皆はゴール目指して喜んでかけ降って行く。 自分もMTBでここを走ったときは最後の急な下りを最高のプレゼントとして大いに楽しんだっけ。
最後の激痛をたっぷり1時間楽しんだあとは、平坦なアスファルト道路に出る。
やっと激痛から開放されたという思いはあるが、まだあと5km近くもあるといううんざり気分があり気は抜けない。
100kmの距離表示を虚しく見る。 これから5km? 変だ、遠すぎる。 後で解ったのだが、急なコース変更で看板の設置変更が間に合わず、ここは正確には102km地点だった。
でも、坂から開放されたから、もうどうでもよい気分でゴールを目指す。 他のランナーも千鳥足でふらついている奴も居る。
無理もない、昨夜は徹夜だ、しかも炎天下丸一日走って日も暮れようとしているんだから。
さぁ、頑張ろう、あと少しで休める、この苦痛から開放される。

最後の橋を渡って、ゴール会場に向かう。 アナウンスが自分のゼッケンと名前をコールして祝福してくれる。 ありがとう! と、同時に町内行きの連絡バスが出るアナウンスもしている。
ヤベ! これ1時間に一本って言ってたよな。
ゴールを抜けてそのままバスに乗り込む。 まったく余裕の無い一日だ。

そのまま、民宿前まで送ってもらい、自分の”SDAおんたけウルトラトレイル100km”はやっと終わった。 ボロボロである。 しかし、至福でもある。 天国と地獄の一日…

ゴール:王滝村松原スポーツ公園:18時間28分

※ 写真です、景色は最高でしょ?

http://www.dropbox.com/gallery/3279490/1/OntakeUTrail?h=a5720e

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