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9.ウルトラマラソンの部屋 : 『いつかはさくら道』

投稿者 トピック
くまぼう
  • 登録日: 2007-4-13
  • 居住地: 東濃
  • 投稿: 759
『いつかはさくら道』
 『いつかはさくら道』
 走らなくなった自分ですが、その気持ちはなくなっていなくて、今回、
念願のさくら道に参加してきました。エイドスタッフとして。

 昨年から岐阜県民になって、一番の目標はさくら道だったにもかかわ
らず昨年は都合つかなかったんですが、今年はバニーさんにお願いして
エイドスタッフのお仲間に加えていただきました。そして、少しだけ実際の
さくら道大会に参加させていただいて、やっぱり素晴らしい大会だと実感
しました。ありがとうございました。
 この大会を知らない人もいるでしょうから、簡単に説明しますと、
距離は250kmという超ウルトラなことはわかると思いますが、出たいと
思っても選考がかなり厳しくてなかなか出られないと聞きます。正確に
は実は私も知りませんが、「スピードランナーである必要はない。でも、
250kmをちゃんと完走できるという実績を示さなければならない。」という
ことであろうと思っています。
 実力も経験もある強者の集まりですから、マナーもよくて、エイドも
気持ちよく担当させていただきました。

https://youtu.be/CeabQ2gu19o

 選手は土曜の朝6時スタートですが、私は10時過ぎに55km地点エイドの
応援から始まりました。207kmエイドの担当とのことで、バニーさん達
の202kmエイドまで応援しながら移動。日中は晴れ時々薄曇りで気温も
高め。選手には少々暑くて大変だったようです。

 202kmエイドは別名「落ち武者エイド」と呼ばれているカレーライスが
名物となっているところのようですが、18時過ぎにそこに着き、準備を
整えたら、おやま隊長率いるエイド担当者での事前懇親会。おやまさんは
202km、207km、それと230kmくらいの3つのエイドの総隊長兼207km隊長。
バニーさんは202kmの隊長。私は207km隊員でした。
 ちょっぴりビールを飲みつつ、近づいてくる選手の状況を確認しつつ、
くつろいでいると、時折突風が来るようになってきました。天気予報
では、日曜は風が強くなり、明け方には雨も降るとのこと。どのくらい
天気が悪化するのか不安に思っているときでした。

 202kmにトップが来るのは午前0時過ぎの予定。
 21時ころ、エイドの前にある満開を少し過ぎた桜の木が突風で見事な
桜吹雪。それはそれで見事でしたが、ちょっと嫌な予感。
 22時ころ、先行して見回っていた本部車から、「207kmエイドのテントが
吹き飛ばされているぞ」と連絡が入りました。慌てて見に行くと、設置
していたはずのレジャー用テントが、重石にしていた水タンクとペグで
かろうじてその場にはあったものの、フレームは折れて瀕死の状態。
とりあえず撤去し、202kmに戻りました。テントはあきらめ、車で対応
することに。

 0時過ぎ、予定通りにトップ選手が202kmエイドにやってきました。
それを見送って、おやまさんと2人で207kmへ移動。207kmは2人体制です。
着いた時には、もう結構な強風でした。飛ばされるほどではないですけど、
ちょっときついなぁ、、、
 車はワンボックスの貨物車なので、跳ね上げ式のバックドアを風下に
開ければ、風よけになりつつ車内から飲料をわたすこともできます。
 都合よく風向は選手に追い風。ということは車内に座ると前方にやって
くる選手が見えます。待っているとき普通に座っていられるのは幸いでした。
 とはいえ、トップ選手が来たのは1時過ぎ。朝、白みかける4時半までに
来たのは5〜6人だったかな? 眠い時間にポツポツとやってくる選手を
待つのも、なかなかのものでした。
 そして、白みかけるころにポツポツと別なものもやってきました。予報
通り、雨。そして風も予報通り強くなってきて、それも完全に暴風。
選手の中には押されて転倒する人もいたとか。200kmも走っている脚です
から、いくら強者とは言っても踏ん張りがきかないのもわかります。
「いやぁ、橋の上では怖くて、大げさじゃなくて、ほんとに真ん中を
這ってきましたよ」という人もいました。テントが飛ばされて屋根が
なくなっていたエイドもあったとか。

 幸か不幸か、我がエイドは選手が来る前にテントが吹っ飛んでいて、
早々に車対応としていたので、お湯を沸かせなくて常温の飲料とおやつ
程度のお菓子の提供でしたが、なんとか風にも雨にも負けませんでした。
しかし車の中で選手を待っていても、車が飛ばされるんじゃないかと思う
くらい揺れてました。枯れ草が舞っているし、向こうのほうでバス停が
倒れるのが見えるし、隣にある木はゆっさゆっさ揺れてるし、、、
そんな中でも選手がやってくるので、「お気をつけて」と声をかけて
見送るのが精いっぱい。

 8時ころだったかな? 走行をやめて待機指示が出たエイドがあるとの
情報が入ってきました。本部も決断を迷っているらしい様子が感じられ
ます。トップは午前5時過ぎにゴールしたとの情報も入ってました。最後尾
とはたぶん80kmくらい差があって、天候の判断も難しいんでしょうね。
しかし、9時ころ、中止の連絡が入り、エイドに到着した人から回収と
なりました。到着した人にそう告げると、皆さん、しょうがないね、と
納得する様子。歴戦の強者という風格を感じました。

 選手の回収が終わったら、あとはエイドの撤収。用意していた飲食料
がずいぶん残ってましたが、、、 まぁ、しょうがない。
 貴重な経験をさせていただきました。たぶん、来年も岐阜県民でいる
だろうと思いますので、また参加させていただきたいと思ってます。

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