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12.その他スポーツ全般 : 富士登山競走07/07/27【受付台】

投稿者 トピック
sumi
  • 登録日: 2007-7-30
  • 居住地: 東京調布市
  • 投稿: 6
Re: 富士登山競走07/07/27【受付台】
はじめまして。ふうせんネコさんからの紹介です。まだ走暦も1年半なのですが、富士山に挑戦してきました。結果は八合目関門にあと5分でアウトという悔しい結果でした。しかしとても感動したレースでしたので、ここに参加記をまとめてみました。

第60回 富士登山競争 山頂コース男子 参加レポート 2007/07/27
会場の富士吉田市役所に着くなり、そこに来てるランナーの雰囲気が今までのマラソンレースとはちょっと違っていた。みんな真っ黒に日焼けして脚から上半身まで今日のために何ヶ月も鍛えてきたぞ!という猛者が日本中から集まってきたという空気。脚もものすごいけど上半身も鍛えてる感じの人が結構多かったです。この人たち、みんなサブスリーランナーなんだろうなと思いながらゼッケンをつけたり、チップの装着をしてました。トイレを済まして、30分前にスタートに行くとすでに凄い列ができかけていたので慌てて並びました。過去の完走者は三桁のゼッケン番号でスタート位置も優遇されて50mくらい前からのスタート。それ以外は4桁のナンバーで3000番台までいました。実はこの三桁のゼッケン番号が走ってる最中、非常に完走の目安になります。 周りに三桁が多ければ完走できる可能性が高いということになるんです。しかし、去年完走できても今年完走できない場合もあり、そこは要注意です。今年は山頂コース2700人の参加らしいです。山道に入ると道が狭く抜かしにくいという話なので、単純計算で4割が完走とすると、前から700人以内の位置を常にキープしなければなりません。しかし、全員、とても速そう。しかも殺気立ってる。ちょうどスタート位置から、ゴールの富士山頂がきれいに見えてます。横には雪も少し残っているのが見えます。ゴールははるかかなたといった感じ。日本一高い山の頂上がゴールという明快さはやはり魅力です。60年前からあるレースというのも妙に納得できます。消防署の人の掛け声のあと、7時ジャストスタート。花火も上がりました。スタートロスは約1分とまずまず。初の300mくらいだけが平地。角を曲がってからの坂道がこれからゴールまで続きます。当然のようにみんな歩道を使って抜きにかかってます。浅間神社から森の坂道で傾斜のきつい中をみんなもくもくと走る。スタートからこの40分くらいが一番きつかった。最初の関門、馬返しで1時間10分。チップ計測あの高い音が聞こえてくるとレースなんだなという実感。心臓が破裂しそうなくらいきついです。DATAでは完走ぎりぎりのライン。ここからは登山道で気分的には相当楽になりました。樹海ののぼりで1時間、途中岩場で抜かしながら五合目関門が2時間12分。関門アウトが2時間20分と何とかクリア。ここまではちょっと遅いけど完走射程内で予定どおり。そして、ここから八合目までがとても長い。手袋をつけて六合目からの岩場を登る。体感的には70度くらいの傾斜をヤモリのように這い上がっていきます。このあたりから植物はなくなり殺風景な景色に。下をみるとまるで地獄絵図のように大量のランナーが瓦礫のなかを這い上がってきています。この景色が無限に続いてるように見えます。空気もだんだん薄くなり,思考力も低下してきます。一瞬頭がぼーとするのですが、10秒くらいするとまた戻ります。この繰り返しで高度に体が順応していくのが実感できます。気温がだんだん下がってくるのは逆に楽に感じました。周りには三桁のゼッケン番号も多くいて少し安心です。そして岩場を過ぎると、ずるずると滑ってなかなか進まない砂の坂道が延々と続きます。見上げても斜度がきつくはるか上に見える山小屋を過ぎると、また同じような景色が延々と続きます。しかも八合目という表示が多いい割には、どれがほんとうなのかよくわからず、関門がいつになっても現れない。私設エイドのおじさんには関門間に合うよ!といわれ元気を出した。しかしこのあたりで酸欠で思考力が低下してきて緊張感が一瞬抜けてしまった。そしてこの時点で予想外の腹痛が起きてしまいスピードが落ちた。しまった。しかも汗でちょうど八合目の関門タイムを書いた腕のところが汗で見えなくなってしまい、なんだかわけがわからなくなっていた。今思い起こせば、この瞬間が致命的だった。周りが関門に間に合うぎりぎりで早足になりかけていたときにこともあろうにトイレに行って出てきたら、なんだか先ほどとは違ってみんなの表情が違う。戦闘的な表情ではなく、草食動物的なほっとした表情になっていたのだ。今思えばこの時点でみんなあきらめていたのだ。あきらめた人間はやさしい表情になるんだと思った。ボーっとした頭で関門時間を改めて隣のランナーに聞くと11時だという。時計を見ると10時48分。目の前に本八合の関門の山小屋が見えるではないか。あと10分で着くのだろうか。足を砂にとられながらも登る。見た感じよりも距離がずっとある。あせる。もくもくと登り、マットを踏んで時計を見れば11時5分。あと五分だった。間に合わなかった。ここから先はもう登らせてくれない。標高3400m。あと300m登れば頂上。しかもここから、頂上が目の前に良く見える。関門を通過したランナーが次々と山頂目指して登っているのが見える。途中、抜いたり抜かされたりした同じくらいのペースのランナーがみんな登ってる。八合目関門ぎりぎりでも間に合えば頂上まで30分の予定だったのでとても悔しい。あんなに楽しみにしていた山頂ビールがだめになってしまったので、山小屋で八合目ビールを飲む。下からは続々と間に合わなかったランナーが上がってくる。3年連続八合目で関門アウトだよと絶叫してるおじさんもいる。一般ランナーではこの八合目が勝負どころみたい。山頂の4時間半はたとえ4時間35分であっても登りたかった。あと少しだったのに。この4時間半という設定は絶妙である。優勝者は2時間半というが、どう考えても人間業ではないタイムである。今思えば、最初の関門の馬返しましまでがやはりひじょうに重要なポイントでもあった。ここはサブスリークラスの脚力が必要な区間でもある。 あとは数ある八合目の表示のある山小屋をしっかり覚えて八合目のペースの目安をつかむことなどコースの把握も大事。来年はなんとか完走したい。しかし来年もこのきつい坂道、階段練習をするのかと思うとぞっとする。そして下山開始。うわさに聞いていた過酷な下山は本当だった。溶岩と砂の混じる急斜面を靴でスキーするように延々と駆け下りるのだ。結構、転倒しているランナーも多い。小さい石が靴の中にはいると激痛で、その場合は靴をぬがなければならない。いくらはしっても延々とこのジグザグのくだりが続く。八合目からとはいえ、よくもまあこんなとこまで走って登ってきたものだと思った。と同時に悔し涙が止まらなくなっていた。こんなに悔しいのも久しぶりだ。完走しても泣いてしまうらしいし。ベテランランナーでも感動するレース。いろんな意味でこんなに感動することって世の中にはあまりないのではないだろうか。下山しながら本当にいろんなことを考えた。2006年の春から走り始めてもうすぐ1年半。走ること、レースに出ることでこんなにも人生が豊かになってくるとは思わなかった。レースの面白さにはまったのは今年に入ってからなんだけれども、今年の時間の間隔の長いこと長いこと。なんか得した気分。初めて走った東京マラソンではゴールが見えてきてはじめてフルの距離が走れたことに感動してグットきてしまった。レースに出るたびに今までより精神的にも肉体的にも進化していることが実感できる。それが1ヶ月でも成長した実感があるのが嬉しい。逆に考えるとそれがモチベーションでもある。70歳くらいでもガンガン走ってるランナーがいるけどああいう風になれたら理想だと感じる。今回、完走はできなかったけど、少なくとも頑張ることはできた。たぶん、また来年山頂を目指すと思う。日本一過酷なレースは日本一感動的なレースでもあった。

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