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9.ウルトラマラソンの部屋 : チャレンジ富士五湖20th 10/04/25【受付台】

投稿者 トピック
nao
  • 登録日: 2007-4-7
  • 居住地: 神奈川
  • 投稿: 428
Re: チャレンジ富士五湖20th 10/04/25【受付台】
りっきさん、受付台設置ありがとうございます。2年ぶりに富士五湖112km走りました。ご一緒したみなさん、お疲れさまでした。
明らかに参加者が増えてますねえ。自分としても、2年前より、少しは進歩したようです。以下、完走記です。少々長いですが、
どうかお付き合いのほどを。


112kmのスタートは4時半。まだ夜は明けていない。気温は1度。思ったより寒い。長袖のFRUNシャツの上から薄手のウィンドブレーカーを着る。
走り始めれば暖かくなるだろう。ウェストポーチには、200mlのペットボトルの水、カーボショット、アミノバイタル、胃腸薬、絆創膏。

今年から北麓競技場のトラックがスタートになった。参加者は、男女合わせて約600名。2年前よりも確実に増えている。スタート直前、
ゴールまでの道のりを思う。112km、余りにも長い。

スタート直後、少し登ったあと長い下りに入る。ここはスピードを出してはいけない。5−45ぐらいにおさえるが、なんだか周りは
速い。どんどん追い越される。しかし、我慢である。サブ10ランナーはこんなに沢山はいない。後半必ず抜き返すことができるはず。

30分ほどで日が昇ってきた。快晴である。富士山は目の前にそびえていた。朝日を浴びて薄いオレンジ色に染まっている。昔の人が
「あそこに神様がいる」と思った気持ちが分かる様な気がする。

最初の湖は「山中湖」。ここを一周する。直前1週間完全休養して疲労を抜いた両足は、調子よさそうである。概ね5−45ペース
で走るが、信号、トイレ、エイドでのタイムロスで、平均は6−00を超える。でも、無理はしない。先はまだまだ長いのだ。

27km過ぎのエイドで、ウィンドブレーカーを脱ぐ。ここでスタッフに渡せばゴールまで持って行ってくれるのだ。陽も高くなって、
絶好のコンディションになってきた。

山中湖から河口湖までの道のりは結構長い。アップダウンも信号もある。河口湖大橋が約40km地点。ほぼフルと同じ距離を走ったことになる。
しかし、まだ半分も来ていない。ここから本格的な湖めぐりが始まる。

河口湖に入ってから、30分遅れでスタートした100kmの選手に抜かされるようになる。7時間台とかで走る選手だろう。
圧倒的なスピードでパスしていく。

河口湖から西湖に向かう途中の結構急な坂の途中、51km過ぎのエイドで、半袖シャツに着替え、カーボショットとアミノバイタルを
補充する。当初のペースは維持できているが、両足、特に大腿四等筋は徐々に張ってきている。接地衝撃をなるべく少なくするよう
に走る。特に下りはスピードを出しすぎないように注意する。

西湖から精進湖へ向かう途中で、早くも100kmの先頭とすれ違う。どこまで速いのだろう。当然、影響を受けることなく、自分の
ペースを維持する。6分弱のペースでもうしばらくは走れそうだ。10km〜15kmごとにアミノバイタルを投入。効果はあった(と思う)。

精進湖から本栖湖の間は、そこそこの傾斜の坂が、長々と続く。登りはきつく、下りは足へのダメージが大きくなる難所である。
この辺りになると、112km、100km、72kmすべての選手が入り乱れる。72kmの選手はさすがに元気そうだ。軽やかな足音とともに
パスしていく。惑わされてはいけない。こちらはまだ50km以上残っているのだ。

70km手前のエイドで、カステラと梅干を頂いた後、5番目の湖、本栖湖の周回、約12kmに入る。ここには112kmのランナーしかいな
い。孤独なコースである。6分弱のペースを淡々とキープし、前を行くランナーを一人づつとらえる。ここから先は、一方的に追い抜き
続けることになる。序盤から設定ペースを維持してきた作戦の勝利だ。

本栖湖周回が終わると、81km。同じエイドでカステラを再度頂き、残り30km。ここで前方をきれいなフォームで走る女性ランナー
(112km)を発見。走りが安定している。必殺のストーカー走法を発動する。ペースは5−35前後。80km過ぎからのペースアップ
である。大腿部の張りもなんとか現状維持、このまま行ってみよう。

「姉御」(勝手に命名)に付いて、ペースを作ってもらうのは精神的にかなり楽である、と思っていたら、エイドで「姉御」と
はぐれてしまう。探し回るのも変なので、仕方なくまた一人で走り始める。112kmのランナーを余り見かけなくなった。
追い越したのか、先に行っているのか、結果を見ないとわからない。

100kmの通過は10時間39分。サブ10など夢のまた夢である。今回の目標12時間切りにしても、終盤の坂を考えるとそれほど余裕はない。
さっきまで「姉御」に引っ張ってもらった5−35前後のペースは難しくなってきた。なんとか6−00前後のペースを維持する。
大腿四等筋はかなり悲鳴を上げてきた。

河口湖大橋の入り口を右に曲がると、後はゴールの手前までずっと登りである。2年前はここで9−00ぐらいまでペースが落ちた。
今回、11時間台を狙うなら最低でも6分台を維持して登りきらねばならない。両足に最後の発破をかける。

2年前の記憶をたどると、107km手前のエイドから先、3〜4kmは結構な傾斜の坂が続くはず。残りの距離を計算しようとするが、頭が
うまく働かない。どこまでも、どこまでも登りが続く。ペースは6-30〜6-45ぐらいまで落ちる。でも、2年前に比べるとしっかり
走れている。もう少しのはず、がんばれ、両足をなだめる。

坂の向こうに、ピンク色のウィンドブレーカーを着たスタッフが見える。あそこだ。あそこが頂上だ。あそこを曲がれば、
後は下って競技場に入るはず。腕を振る。無理やり足を前に出す。あと少しだ。

最後の下りは、もう接地衝撃気にすることなくスピードを上げる。5-20ぐらいのペースで最後にもう一人112kmのランナーをパスする。
競技場手前、時計は11時間57分。間に合った。ゴールテープを切る。余りにも長い112kmがようやく終わった。
富士山はやはりすぐ近くに大きく美しくそびえていた。


ウルトラマラソンはやはり長い。とても長い。いつも後半は「神様ごめんなさい。もうしませんから、許してください。」と言いたくなる。
でも、ゴールしてしばらくすると、さっき神様に言ったことなどすっかり忘れて、また走りたくなる。こんなことを何回も繰り返してきた。
たぶん、これからも繰り返すだろう。


nao@次は、野辺山です。

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