メインメニュー
frunデータベース
サイト情報
サイト運営者
ユーザ登録数:1009名
frun談話室
「frun談話室」の利用方法は次のページを参照して下さい。
frun談話室 - 投稿について - 投稿フォームの使い方
※投稿記事の閲覧は誰でも可能です。その点を配慮の上、利用して下さい。

9.ウルトラマラソンの部屋 : 2010さくら道国際ネイチャーラン10/04/16〜19【受付台】

投稿者 トピック
バニー
  • 登録日: 2008-2-3
  • 居住地: 東京都
  • 投稿: 1288
2010さくら道国際ネイチャーラン(〜ゴール)
無理やりゴールまでアップしました。
かなり長いです。m(_ _)m

-----------------------------------------

この次のエイドまでは6.4kmあった。
とにかく目標は次のエイドで、ひとつづつそれを重ねていくしかなかった。しかし次のエイドまでが6kmを超えていると長いなぁと感じた。
さっき回復した足も既に使い切ってしまっていて、またグタグタになってきていて、歩いたり走ったりしながら進んでいた。
次のエイドは道の駅につくられているらしいので、道の駅の看板が出てくると、もうすぐかもと思えたが、なかなか着かなかった。

道の駅福光の一鶴に作られたエイドはゴールまで26.6kmの荷物の受け渡しができる最後のエイドだった。
エイドのお客さん(?)私だけ。
到着すると係りの人が預けてあった荷物をテーブル越しに渡してくれた。
「これ、このまま戻そうかと迷っているんです。」
といって袋を開けてとりだしたのは…。
察しのとおりバニーの耳だった。
エイドの人も特に驚いた風でもなく着ければいいじゃないと背中を押してくれた。
でも佐藤良二さんの遺志に反するとかって失格になったら困るし。などと談笑しながら頭に乗せてみた。

トイレの鏡でしっかり付けて出て来るとエイドのお客さんが増えていてなんだか気恥ずかしい。
ぶどうパンを半分ほどいただいてそろそろ出発。
出かけに「ウサギは道端で昼寝してるのもありだから」といいながら出発したが、それに近いものになろうとは。

走り出すと結構風があった。
着け慣れた耳だったけど、最初は違和感があった。
しばらくそれに慣れてきたころ…。

目の前には遥かな上り坂が!
高低差の地図をしっかり見ていなかったのでアップダウンは五箇山で終わりだと思っていた。
まだ登ってもいないのに歩き出してしまっう。
オマケにトンネルまであったりするしい〜。
急な下りはきついけれど、あまり急でなければ、やはり下りの方が楽かもしれなかった。

この頃になるとエイドに表示されている次のエイドまで○kmというのをみて、多分キロ7分くらいだから何分で到着するかと考えながら走っていた。
歩いてしまうと到着予定時間が遅くなってくるわけだ。
そろそろ次のエイドでもいいんじゃないだろうか。なのになかなか着かない、と気持ちが切れて歩きたくなってきたとき、エイドまで400mのA4くらいの看板をガードレールに発見。
300m、200mとそれは続いてゆく。こういう表示はここが初めてだったが、やっぱり元気がでる。
最後の100mはちょっと長い気がしたが、若い人が運営しているので有名(?)なエイドに到着した。
バニー耳付のランナーを歓迎してくれ飲み物とたこ焼きを勧めてくれた。
五箇山を下ったところのエイドで食べたたこ焼きは外側がカリっとしたたこ焼きだったけど、ここのはしっとり系だった。
いすに座り紙コップを足元の地面においていたら、若い女の子がそのコップを拾い上げて持っていくれた。
ありがたかったけど、なんか申し訳なくって長居しづらくなってしまう。(っていうか長居しないで早く行けよ)
そろそろ行こうとするど、ゴールまで21.4kmと書かれた看板にバニーが描いてあるのを示してくれた。
記念に写真撮った。

その写真とあと21kmであることをmixiにアップしたかったが、そんなことをしていては悪い気がしたので、早々に出発した。
カーブしたみちで、彼らから見えなくなっただろうところで歩き出し、携帯でmixiと金沢の友人kinkodoさんとおやまさんにメールした。
「あと21kmだけど2時間じゃ無理」
それが12時半くらいだった。
Kinkodoさんからはすぐに返信がきて、2時半過ぎに兼六園に向かうとのこと。
だからぁ〜2時半じゃむりだって〜。kinkodoさんはお仕事抜けて来るんだし、早く来てもらってもまたせちゃうだけだよなぁ〜と思いながら走り始めた。

が!
行く手にはまたしても上り坂が!
なんでこんなとこに登坂斜線があるような坂があるの〜!?
そしてまたしても、まだ登ってもいないのに足が止まってしまった。
私1「あれ無理!私無理だから!」
私2「無理っていたったて進まないとゴールできないんだし。」
私1「あの坂は右にカーブしててどこまで登りが続いているかわかないし」
私2「じゃああのカーブのとこまで走ろう。どのくらい続いてるか見えるとこまで走ろうよ」
……
私1「あ〜やっぱまだ続いてるじゃん。もう無理だから」
私2「はい、歩いてよし!」
みたいな会話を自分の中でくりひろげながら何とか歩いたり走ったりしながら峠越えをした。

峠を越えたあたりで、乗用車がスピードをゆるめて寄ってきた。
3人くらいの女性が乗った車だったけど窓をあけて「かわいいですよ」と言われた。
バニー効果か?

次のエイドは少し道を入ったところだった。こざっぱりしたエイドでエイドに着くと写真を撮ってくれた。
やはりバニー耳をつけたランナーは珍しいし、女性には受けがいいようで、話がはずんだ。
ここにきて登りが多いと訴えると、もうイッコあるけど、それは短いからとおしえられた。
お話はたのしかったけれど、どこかで切りをつけて出発しなくては。
というわけで下り基調の道を再び走り始めた。

本当に短い上りがあった。エイドの人が行っていたのはコレ?
違いそうだなぁ〜と思っていたら、やっぱりもう一個上りがあった。確かにさっきまでのよりは短いようだが「これってやっぱり短いっていわないよ〜!!!」

その次のエイドまでは7km近くあった。と言うことはキロ7分で49分。
1時間にちょっと足りないくらいだ。
あ〜まだ20分しか走ってないよな、などと思いながら時計をみながら進んでいった。

まだ着かないだろうと思っていたのに不意にピンクのジャンパーが見えた。
エイドだ!
年配の方たちばかりで運営してくださっているようで、何か食べなさいと勧めてもらったので梅干をいただいた。

このエイドがゴールまで10.8km。
おやまさんとkinkodoさんに再び到着予定をメールしたかったけれど、送り出されてすぐ歩き出すのは申し訳なかったので、また見えなくなっただろうところで、立ち止まってメールした。
「あと10.8kmだけど1時間じゃ無理」
このメールが13時54分。
普通ならどおってことない距離だけど、今はそうはいかない。さあ、ゴールは見えてきたような、まだまだなような。。。
とはいえ、足はなかなか前にでない。

最後のエイドはゴールまで7.2kmのところにあり、こちらではスイカをいただいた。
めっさ旨かった!
ここでも最後に坂が多かったと訴えると、ここからは平坦だけど、信号が多くて止まるかもと言われたので、止まりたいです、と答えた。
トイレも借りたが、洗面所に鏡がなかったのが残念。
バニー耳の状態がわからない。
でも、とにかく出発だ!

頭の中の曲はレミオメロメンのSakura。
嵐に代えたいような気もしたけれど、変わらなかったのでずっと「桜の花が咲いているよ」と頭のなかで音楽がなっていた。

信号が多くで止まるかもとのエイドの方の話に反して、少しも信号に引っかからなかった。
なので走り続けた。
たぶん今はキロ6分くらいでは走ってるとしても7kmだと42分。
あれ?エイドを出たのは何時だった???だんだん計算できなくなってきた。

金沢の街中をバニーで走る。もう耳がついているのとか、気にしてなかった。
広い歩道はいいのだけれど、ちょっと狭めのアップダウンのある歩道が結構あって走りづらい。
そういうところに差し掛かると止まってましう。今の自分にはこのアップダウンは走れない。申し訳ないけれど車道の路肩の白線から出ないようにぎりぎりのところを走った。
反対側の歩道の方が走りやすそうに見えたので、そちらに渡ろうかとも思ったけれど、タイミングがあわない。

パチンコ屋さんや、車屋さんの多い国道をひたすら走る。
この大会のための自衛隊の車とすれ違う。車道を走っているから注意されるかと思ったけれど、すれ違いながら、応援してくれた。
青い道路標識の看板に直進が「兼六園」と出始めた。
兼六園!
目指すは兼六園だ!
大きな較差点の手前には道路標識看板があり、何度も「兼六園」の看板を見上げながら走った。

兼六園、どこまで行けば兼六園なの!?

白い「兼六園3km」の観光用看板。
よしあと3km。あと何分?

それでもなかなか兼六園がやってこない。
もう3kmたったでしょうが!!!

ようやく見たことのあるような真っ白の建物が正面に見えた。
ここを曲がれば去年応援に来たときに立ち寄ったコンビニがあってその先が兼六園のはず。
コンビニ発見。
よし、その次が兼六園!

あれ〜兼六園ない〜。
あーもいっこ角をまがるんだったのか〜。くぅぅぅぅぅ〜。
あ〜んこんなとこで信号待ちかぁ〜。

そう、ここは去年きたコンビニ前の信号。
去年このコンビニから兼六園に向かうピンクのゼッケンのランナーを見たっけ。
今年は自分がそのランナーになっているんだ。

走ることだけ考えていればいい贅沢な1日半だ。
信号が変わりるとすぐに走り出す。
兼六園はもう目の前。

兼六園下の信号でも待たされたが、信号の向こうのピンクのジャンパーの人たちが大きく手を振っている。

青に変わった信号を渡ってピンクのジャンバーに誘導されて最後の坂を上る。
兼六園のゴールに向かうにはこの坂を上らなくてはいけない。
絶対走って登ってみせる。

坂を上りきると桜がちらちらと散っていた。
桜散る直線が私を迎えてくれた。

が…前の自転車がじゃまじゃい!写真に写らんだろうが!

自転車の向こうにピンクのジャンパーの人たちに混ざって見覚えのある人たちが手を振っているのが見えた。
頭の中にはSakuraが流れっぱなしだった。「桜の花が咲いている…」
そう桜はまだ咲いていた。
私たちのゴールを待っていてくれた。
うれしかった。本当にうれしかった。
夢中で走った。一瞬が長いような短いような。どんどん近づいてくる人たちとの距離が、時間が。
今この瞬間、きっと世界の中で私が一番幸せを感じているのではないかとさえ思えた。
この幸せを抱きしめるように両手を胸の前でぎゅっと合わせてから大きく手を開いてみんなに手を振った。

さくら道にゴールテープはない。
道の右に植えられた佐藤桜がゴールだ。
右に曲がるとはめていた手袋を外し石の上においた。
そして、佐藤桜に抱とめられるようにゴールした。

愛しい桜だった。

スレッド表示



ログイン
ユーザ名 または e-mail:

パスワード:

ユーザ名とパスワードを記憶

パスワード紛失

新規登録

ホーム -  frunからのお知らせ -  frun談話室 -  frunカレンダー -  当サイトについて -  お問い合わせ
Powered by XOOPS Cube 2.0 ©2005-2006 The XOOPS Project
Theme Designed by OCEAN-NET